ニンフォマニアック Vol.1 | Untitled


ニンフォマニアック Vol.1(’13)デンマーク国旗ドイツ国旗フランス国旗ベルギーイギリス


監督:ラース・フォン・トリアー



「私は色情狂(ニンフォマニアック)よ。そんな私が好き。」

大きな声では言えませんが、最高に面白かった(笑) 感動的ですらあった。

トリアーの中で最もエンターテイメント性の高い作品なのかも。



ある冬の夕暮れ、年配の独身男セリグマン(ステラン・スカルスガルド)は

怪我をして倒れていた女性ジョー(シャルロット・ゲンズブール)を見つけ

自宅に連れて介抱する。怪我が回復したジョーに何があったのか質問する

セリグマンに対し、ジョーは幼い頃から抱いている性への強い関心と

数えきれない男たちと交わってきた数奇な物語を語り始める・・・・・。



「愛は嘘をまとい最も低俗な本能に訴える・・・・。」

フルボッコされ醜くなったシャルロット・ゲンズブールが

過去の男性遍歴を回想するという・・・・・ これって。。。。。

溝口健二の 『西鶴一代女』 での田中絹代に通じるものがありますね。

女性の “性” に迫った作品ではあるけれど

純粋にひとりの女性の生きた証を描いた作品でもあると思います。

聞き手となるセリグマン役ステラン・スカルスガルドが面白い表現をしていて

「この映画はポルノとしてではなく、普段は露出しない体の一部を使った
                              人間の行動として描いている。」



「私が他の人々と1つだけ違うのは、夕陽に多くを求めすぎたことかも。」

全8章(Vol.1では、1~5章)で構成された、壮大なる性の旅路。

ジョーから語られる赤裸々な物語と同時に、聞き手のセリグマンと

哲学や宗教、クラシック音楽などとリンクしながら対話が交わされる。

セリグマンが最初、釣りの話をし出すから、このオジさん何言ってんの?

って思ってたら(笑) これが、色情狂との絶妙な関連性を見つけ出すんです。

特にVol.1で惹かれたのは、唯一モノクロ映像で描かれた第4章の「せん妄」

“生と死” ならぬ “性と死” を描いているところ。

若き日のジョー(ステイシー・マーティン)の父(クリスチャン・スレーター)が

病に伏して、死期が迫ってきた父に、怖くないの? と問いかけるジョー

父は、エピクロスという古代ギリシャの哲学者の言葉を借りてこう答える。

「我々が存在する時、死はまだ訪れず
                死が訪れた時、我々は存在しない」





「Vol.2」
へとつづく・・・・・・・



鬼才ラース・フォン・トリアーが女性の“セクシュアリティ"に挑む、
映画史上最もセンセーショナルな問題作。
ニンフォマニアック Vol.1/Vol.2 2枚組(Vol.1&Vol.2) [DVD]/シャルロット・ゲンズブール,ステラン・スカルスガルド,クリスチャン・スレイター

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