コード・アンノウン | Untitled





コード・アンノウン(’00)フランス国旗ドイツ国旗ルーマニア国旗


監督は、ミヒャエル・ハネケ


この映画を紹介されていた、はもさま、ありがとうございました。

ハネケ監督の作品を初めて観たのが 『ピアニスト』 で

“変態映画” と、ぶった切り。

次に 『隠された記憶』 を観たときは、緊張感のある映画だったものの

不可解な結末に、妙な残尿感が残ってしまい。

そして、何を思ったのか 『ピアニスト』 再鑑賞するという無謀な行動に出てしまったが

とても完成度の高い作品だと認識させられた。

何か、やっとハネケ監督の良さが判ってきたような気がする。

気がするだけですが(笑)

$ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!

で、本作

予想はしてましたが、難解ですね。

ワンシーン・ワンカットで構成されていて。その1つ1つのシーンは断片に過ぎず

セリフの途中など唐突に終わる。これらのシーンと次のシーンの間には

ほんの数秒のブラックアウトが挟み込まれる。

冒頭、ジュリエット・ビノシュの恋人の弟が、ホームーレスの女性とアフリカ系の青年との間で

面倒を起こし、警察が呼ばれる。

この一連の流れを真横から、長回しで撮っているんですよね。

いいですね~。好きですね。

ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!

ジュリエット・ビノシュ主演というのが、“難敵ハネケ” に、また挑む後押しをしてくれたのですが

絶世の美女、というわけではないけれど、内から出る女性らしさ、美しさがあります。

地下鉄で、アラブ系のチンピラに絡まれ、それをアラブ系の初老の男が叱責するというシーン

じっとこらえて、アラブ系チンピラが去って、助けてくれたアラブ系の初老の男に

「メルシー」 って言った途端に、嗚咽するんですよね。

このシーン、ただ単に “人種問題” では割り切れないものがありますよね。深いシーンでした。

で、アラブ系の初老の男って、『アメリ』 で、宝物をアメリから送られるブルトドーですよね。

ひとりで、おおお~って言ってました(笑)

ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!

冒頭、警察を巻き込んだ騒動で、強制送還されたホームレスの女性(東欧系?)が

再びパリに戻って自分の居場所を探して街を歩く。

これも真横から、長回しで撮っているんですよ。

居場所を見つけ座りこむと、店の店員が 「なに、あの人~」 みたいな顔で店内に入っていく。

この業界も縄張りがあるんですね。 

男2人が女性に、ごじょごじょ言って、女性は追い出され、また街を彷徨う。

全てのシーンを理解することなんて出来なかったけど(そんな人がいるなら会ってみたい)

断片だけでも伝わってくるものがありました。

ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!

この少女は、何を伝えたいのか? 見る側は、どう捉えるか?

幾多の捉え方があるように、この映画も幾多の捉え方があるんだと思います。


きっとハネケ監督は、とても真面目な人なんだと思います。

真面目過ぎて、突き詰めすぎて、特異で、突飛な映像になるんだと思います。




パリに住む女優とカメラマンの恋人、そして彼の家族。物乞いをする女と、故郷の家族。黒人教師・・・。5つのエピソードが不完全な状態で終わっていく一種の群像劇。
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