コード・アンノウンを観ましたブタ映画

2000年フランス / ドイツ / ルーマニア
監督 / 脚本 : ミヒャエル・ハネケ
撮影 : ユルゲン・ユルゲス
音楽 : ギバ・ゴンカルヴァ

◆ あらすじ ◆

女優 (ジュリエット・ビノシュ) とカメラマンの恋人 (ティエリー・ヌーヴィック) の家をカメラマンの弟が訪れます。

その後弟は街角で不法滞在の女性にゴミを投げつけ、それをアフリカ系青年が咎めます。


それぞれの登場人物の人生の一部を描いた群像劇。

2000年カンヌ国際映画祭エキュメニカル賞 (人道賞) 受賞

コード・アンノウン [DVD]/ジュリエット・ビノシュ; テイエリー・ヌーヴィック

¥4,935
Amazon.co.jp

白いリボン公開記念の、ハネケ監督特集上映で観ました!

副題は「いくつかの旅の未完の物語」

ハネケ監督がフランス映画界に進出した、記念すべき一作目の作品とのこと。

IMDbによると、ジュリエット・ビノシュがハネケ監督との仕事を希望したことによりこの企画が立ち上がったそうです。

今こうして私 ( = 映画詳しくない人) ですら知ってるような高名な監督さんになり得たのは、ジュリエット・ビノシュのおかげと言っても過言ではないのだ!をよろしくお願いします。


物語はいくつのかの家族の人生の一部が切り取られ、その人生が5つのエピソードとして断片的に登場して進みます。

またまたIMDbによると、それぞれのエピソードの断片 (ワンシーン) は全てワンカットで撮影されているそうです。

そのせいか、静かな緊張感がずっと漂っています。


登場するのは、それぞれ問題を抱えていて、ささやかな楽しみもある、ごく普通の人々です。

特別問題提起もされていないし、オチもない、まさに未完の旅!

でも個人的には、ハネケ監督の、そのごく普通の人々の未完の旅への愛情を強く感じ、ラストのドラムの音がエールに聞こえました。

(そのドラムの音を不快に感じられるかたもいらっしゃるかも。。。)


途中でチンピラのアラブ系青年が登場し、ジュリエット・ビノシュに嫌がらせをします。

アラブ系への嫌悪感が表現されているようにも見える場面ですが、シーンの最後の方でそのチンピラにキレるのもやっぱりアラブ系の中年男性です。

アラブ系と非アラブ系との間の憎しみ、アラブ系内での憎しみを描く事で、憎むべきはフランスのアラブ系人種への迫害の歴史であり、もっと広い意味での不当な暴力や差別だ、というメッセージが感じられます。

経緯や全体を考えずに一部だけ (ここではアラブ青年の嫌がらせ) で判断したものは、誤った理解につながるということが、逆説的に描かれているのではないかと、勝手に思いました。

聴力にハンデのある子供のジェスチャーが象徴しているのは、メッセージがいかに伝わりにくいか、という事なのかと。


まぁ、これだって全然とんちんかんちんな理解かもしれないですけど☆

真面目に考えたってところに意義があるということで、よろしくお願いします。


ところで冒頭でジェスチャーをしていた少女は、途中で虐待死した少女なのかと思ったけど、どうかしら。。。



★★★★☆ (4.5pts / 5.0pts)
Remarks : 感想書くの時間かかったー。
(有楽町HT)


ミヒャエル・ハネケ DVD-BOX2/出演者不明

¥11,970
Amazon.co.jp








ペタしてね