軽蔑(’63)
監督は、ジャン=リュック・ゴダール
当時、2年前に結婚したばかりの妻アンナ・カリーナとの愛の問題に苦悩したゴダールが
混乱する映画製作の現場に雇われ脚本家として身を置くハメになった優柔不断な男ミシェル・ピコリと
妻ブリジット・バルドーとの決定的な心のすれ違いを映画作りのプロセスと交差させながら悲喜劇に描いています。
下の画像の壁の画、『女と男のいる舗道』 のアンナ・カリーナですよね。
'60年代当時、マリリン・モンロー(MM) クラウディア・カルディナーレ(CC)と並び
セクシー女優として人気を誇っていた、ブリジット・バルドー(BB) やはり、お美しい
ゴダール監督に、アンナ・カリーナのような仕草を要求され、へそを曲げてしまったとか。
今作では、ゴダール特有の“ロケ撮影、即興演出、同時録画”の表現手段を用いずに、
計算された脚本、緻密に撮影されたカメラワークで描かれているわけですが
劇中で皮肉っていた金にものを言わせた大手映画会社がプロデュースしたことが影響しているのではとも言われている。
撮影が終了した後に会社側から、ブリジッド・バルドーの裸を増やせ、との要求がきて、
取ってつけたようなヌードシーンがあったりする。
存在だけでも充分セクシーなのに・・・・
ミシェル・ピコリは、浴槽に浸かっている時まで帽子をかぶっていたが、この帽子はゴダール監督のもの。
後に彼は自伝で 「ヌーヴェル・ヴァーグとは、帽子をかぶることだった」 と語っている。
アンナ・カリーナを思わせる黒髪のボブのかつら、ゴダールの帽子をかぶったミシェル・ピコリが
ブリジッド・バルドーを追いかける姿を見ると、ゴダールとアンナの関係をそのまま表しているかのよう。
イタリア南部のカプリ島のロケーション、とても美しいです。
そこに、ブリジッド・バルドーが無意味に裸になっているのですが、お尻を本で隠していたのは、ちょっと好きですね。
フリッツ・ラング監督が、本人役で出演しております。
『メトロポリス』 とかの人ですよね。 TSUTAYAさん、置いてください。
劇中の台詞でミシェル・ピコリが
「本当は戯曲を書きたいのに、金・生活のために脚本を書いている」
ゴダール監督も
「本当は芸術的な映画を撮りたいのに、金・生活のために商業映画を撮っている」
なんて思っていたのでしょうか。
映画の商業主義に対しての皮肉を劇中に盛り込んでますが、更に皮肉にも、その商業主義に加担してしまったという
ゴダール監督の苦悩も垣間見えた作品でした。
ジャン=リュック・ゴダール監督作品
10ミニッツ・オールダー GREEN(’02)
愛すべき女・女たち(’67)
男性・女性(’66)
アルファヴィル(’65)
気狂いピエロ(’65)
女と男のいる舗道(’62)
女は女である(’61)
小さな兵隊(’60)
勝手にしやがれ(’59)
※参考 Wikipedia
劇作家のポールのもとに、辣腕プロデューサーのプロコシュがシナリオの書き直しを依頼しに来た。
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