終戦のエンペラー | 腐JO子の奇妙な冒険

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オタクを隠してコッソリ生きている主腐が
漫画・映画・特撮などについてジョジョネタを交えながら書くブログ。

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「終戦のエンペラー」 上映終了直前に観てきました。


超ギリギリだったぜ・・・。



【ご注意】

ネタバレあり



物語の主軸は、フェラーズ准将が要人に聴取を行い、


開戦に至る隠された真実と終戦における天皇の役割を暴いていく・・・


という展開の はず なのですが、


原作に無い恋愛要素が絡んできやがったのが実に残念。


そんな事よりも宮城事件をもっとクローズアップした方が良いのでは?


女優さんが涼しげな和風美人で目の保養になったのが救い。




~シーン別わしの内的宇宙~


東條英機が登場

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恋愛パート開始
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「米国民感情を考慮すれば天皇を処刑すべきだが、


そうなった際の日本国民への影響を考えると・・・あと処刑しちゃって共産主義が台頭してきても困る」


と、悩むマッカーサーに「天皇の戦争責任」について調査するように命じられたフェラーズ准将(↓左)。


そこに専属の通訳である高橋(↓右)が挨拶にやって来ました。



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わぁ・・・これから2人で東條英機や近衛文麿のところに聴取に行くんじゃねー、ゲヘドキドキ


などとうっとりしたのも束の間、


フェラーズは挨拶もそこそこに「この女性を探してくれ」と、元カノの写真と資料を渡すのです。


早速の公私混同にイラッとさせられますが、これはほんの序章にすぎぬ。


本当に恐ろしいのこれからだぜ・・・。




フェラーズ准将の脳内には元カノのことしかなく、


隙あらば回想シーンに突入して彼女とのキャッキャウフフを思い出し、


元カノが見つからない苛立ちを高橋にぶつけるわ、


東京から元カノの居た静岡まで夜中に車飛ばして行っちゃったり、


酒場で暴れて酔っ払いと殴り合いになったり、


その後、血を流しつつ雨に打たれながら夜の街を徘徊したり等と、


今にも 盗んだバイクで走り出しそうな尾崎イズム全開。



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もー、ちゃんと捜査しろよお前!


さんまの名探偵でももうちょっと真面目に捜査するっつーの。


その捜査もかなり難航していて、関係者を尋問してみても、


白黒ハッキリ つけたい直球勝負の米国人と、


オブラートに包んだ遠まわしで 玉虫色な表現 をする日本人では、いつまでも平行線状態。



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日本人特有の美徳である「本音と建て前」「空気を読む」「曖昧さ」という文化に翻弄されるフェラーズは、


宮内次官である関屋貞三郎を尋問しようと皇居を訪れます。


門前には強面の皇宮警察がわんさか。



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女装したジョセフがテキーラ酒を持ってきても絶対に通してくれなさそう。



フェラーズ准将は、めっちゃ上からな態度で


「関屋と会見したい!すぐセッティングしろ。10分以内だ」と、命令。


そして高橋に「通訳しろ」と促します。


焦ったのは高橋。


顔に「ヤベぇ、このままストレートに通訳したら 絶対会見してもらえねーわコレ」と書いてあります。


皇居に緊張が走り、まさに一触即発。



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高橋はとっさに機転をきかし、


「宮内の皆様におかれましては益益ご健勝のこととお慶び申し上げます。


関屋次官にお目にかかりたいのですが、


そちら様のご都合の宜しい時に機会を設けていただけないでしょうか」ウロ覚え


と、実に丁寧で遜った日本語に 超意訳 したのです。



高橋のグッジョブぶりが功を奏し、フェラーズは関屋貞三郎と会見する事に成功。


天皇の戦争責任について尋ねると、


「御前会議で陛下は歌を詠まれることでご自分の気持ちをほのめかそうとなさいました」


と、その歌を吟じます。


日本人ならその短歌の内容で陛下が言わんとする事を察する事が出来るでしょうが、


アメリカ人には理解不能だったようで、フェラーズ准将は「歌ぁ?なにそれ曖昧すぎ」とポカーン。




散散聴取したのに出てきた証言が短歌のみという厳しい状況の中、


かなりやさぐれモードになってきたところに、宮内大臣である木戸幸一が訪ねてきました。



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開き直ってふて寝していたフェラーズ准将。



木戸幸一の「陛下は(ポツダム宣言受諾について)『私に同意して欲しい』とおっしゃった」という証言に


フェラーズの心は揺れ動かされますが、立証する決め手に欠け、


結局、開戦・終戦における天皇の役割や、日本人の天皇に対する意識などを、


証拠を挙げて白黒つけて明瞭にすることは出来ませんでした。


日本人以外の人種に明治~大東亜戦争あたりの「天皇制」について理解は出来なかったようです。


(まぁ現代の若者にも理解出来ねーかもしれません)



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フェラーズは「天皇は無罪じゃね?証拠は無いけど、有罪とする理由も無いし」というレポートをマッカーサーに提出。


そしてマッカーサーは裕仁天皇との会見に臨むのですが、


その際、関屋次官に陛下に対する対応の作法を実に細かくレクチャーされます。



・目を合わせてはならない


・お体に触れてはならない


・陛下は何もお召し上がりにならない


・立つ時は必ず陛下の左側に立つように


・写真撮影禁止



・・・・などなど。


細かい決まりがあるんだなーと思って聞いていましたが、


メイド喫茶もこんな感じのルールありますよねドキドキ (一緒にすんな!)


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関屋貞三郎役の夏八木勲さん素敵でした・・・ご冥福をお祈りいたします。



マッカーサーは、それらの作法をガン無視して握手を求め、右側に立って写真撮影し、


挙句の果てに通訳以外の人間を追い出して陛下とツーショットに持ち込もうとします。


血相を変えた関屋が止めに入ろうとしますが、


陛下が「・・・関屋。」という静かなお声で制止なさいます。



「側近が止めに入ろうとして主君が制止する」というシチュエーションって良いですよね!(聞かれても)


しかも小声で名前を一言呼ぶだけって最高。


不敬罪で処刑されるかもしれませんが、このシーンは大層萌えました。



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冒頭から「天皇」について調査し続けているというのに、


ご本人である裕仁天皇陛下は回想シーンでチラ見せくらいで、


大大的に登場するシーンは最後の最後までお預けという焦らしプレイがニクいぜコノヤロウ。


クライマックスシーンの陛下とマッカーサーの会見はあっさりめの描かれ方でしたが、


それでも陛下の「一切の責任はこの私にあります・・・」というお言葉には熱い物がこみあげてきました。



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「英国王のスピーチ」 もそうですが、この手の歴史をベースにした映画は結末が分かっているので、


それまでの過程をどのような切り口で描くかが見せ場だと思われます。


キャッチコピーの「秘められた衝撃と感動のドラマがあった」については、


歴史を義務教育程度勉強した日本人なら誰でも知っているような「いまさら感」ではありました。


しかし、「天皇陛下」や「日本人の精神性」についてアメリカ側からどのような見方をされているのか?


という点においては、随分と好意的に表現されていたように思い、感動しました。


勘違いジャパンで有名な「ハンニバル・ライジング」の監督だったので不安でしたが、見て良かったです。



【評価】


意外性 ☆

派手さ ☆☆

軍オタ的萌え ☆☆☆

ツンデレ度 ☆☆☆

オッサンハァハァ度 ☆☆☆☆☆


※腐女子的な感想はまた後日UPいたしますネドキドキ ←まだ書き足りねーのかよ



続きはこちら→ 「フェラーズ准将のデレが急激すぎる件」





原作はこちら。

終戦のエンペラー 陛下をお救いなさいまし (集英社文庫)/集英社
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やっと夏休み終わったけど、なかなか時間が取れなくて観たい映画ほとんど終わっちゃった・・・orz

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