露天風呂と神秘行
劇団 「前回の記事では、受講者Kさんのクンダリニー体験を紹介しながらも、
個人差があるから誰でもこうなるんじゃないんだよ!
とあえてキツイ事を書くことでバランスを取ったんんですね。」
CS 「ハイ、そうです。」
「これは気功指導を続けていてよくわかったのですが、
なかなか効果が出なくて手こずるのが、高藤本に代表される気功・仙道書や
密教、ヨガといった神秘行関連書籍をあれこれ読んだり、指導を受けた経験が
あるというタイプなんです。」
「わたしはそういう人たちを
修行者タイプ
と読んでいるのですが。」
劇団 「その修行者タイプの代表が、前々回の記事『元弟子達』に出て来た
仙道研究家 高藤聡一郎氏の元弟子の方々だったんですね。」
CS 「そうなんです。」
「『元弟子達』の記事で↓のように説明しました。」
わたしが考える神秘行とは、
自分の体感覚と意識を開いていくことにより、現実の生活を
深いレベルで味わい、自分の中の世界観を変えていく
プロセスなんです。
気が回ったり、チャクラが開いた、クンダリニーが覚醒したというのは、
そのプロセスの途上でたまたま起きるただの現象に過ぎないんです。
CS 「修行者タイプの人は、ここの部分がどうしても理解出来ずに、
ある段階まで来るとその先に進めなくなるんです。」
劇団 「CSさんは記事でよく〈体感覚〉と〈世界観を変える〉と書きますよね。」
CS 「人の最も強力な行動原理って世界観を変えることなんです。」
「現代人で最も多い欲望って〈お金〉だと思うのですが、それも突き詰めて考えると
手に入れたお金を使って今まで経験したことが無い体験をしたいんですよね。」
劇団 「どんな体験ですか?」
CS 「例えば、フォーシーズンズ・ホテルの
『Four Seasons Private Jet Experience』。」
創業から半世紀以上にわたり、フォーシーズンズは歴史と伝統を
守りながら革新を続けてまいりました。
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Four Seasons Jetをご紹介いたします。
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劇団 「これ、行きたい!行きたい!行きたい!行きたい!行きたい!」
CS 「あの動画を観たら誰でもそう思うでしょう。」
「ちなみに価格は↓となっています。」
2015年2月9日から3月4日の24日間のプランは、ロサンゼルスから出発して
ハワイやシドニー、イスタンブール、そしてロンドンなど世界9都市を巡り、
価格は119,000USドル(日本円で約1200万円)」
劇団 「うわっ、たっけぇ~!!」
CS 「でも、逆に言えば、お金と時間さえあれば誰でもこういう体験が出来るんですよ。」
「10年前でもこんなツアーは無かったですから、現代はいい時代ですね。」
劇団 「実際に利用する人はいるんですか?」
CS 「結構いると思いますよ。」
↓
「高齢者 金を使いたがらず死亡時の貯金は平均3000万円以上も」
中高年・シニア向けのビジネスが注目を集めている。
様々な業界で、「シニア限定」のサービスをアピールしたり、「シニア料金」を
設定したりして、新たな市場開拓に躍起となっている。
だが、シニアセグメントをきちんと取り込めているビジネスは、まだまだ非常に
少ないのが現実だ。
日本人の平均寿命は男性80歳、女性86歳だから、リタイア後のセカンドライフの
期間は15~20年ほどあるわけで、このセグメントの人口が今後は最も多くなる。
問題は、日本のシニアたちが、いま持っているお金を使いたがらないことである。
戦後の貧しい時代に育っているため、 お金を手元に置いておかないと
気が済まないのだ。
その結果、彼らは平均3000万円以上のお金を残して死んでいく。
この心理をマーケティング的に利用するなら、リバース・モーゲージ(逆抵当融資。
持ち家などの資産を担保に融資を 受けて老後資金を調達し、死亡した時に担保を
処分して借入金を一括返済する仕組み)など、
シニアが「お金を使う気になる」ファイナンスの仕掛けが必要となる。
今のところリバース・モーゲージは、住宅ローンの支払いが終わった持ち家を
担保にするものしかないが、生命保険を 担保にする商品も開発すべきだ。
死んだ時に支払われる生命保険を前借りして、旅行や趣味に使えるように
するのである。
これに加えて貯金(借金を差し引いた金額)も供託すれば、多くの人は全部合わせて
数千万円の老後資金が確保できるだろう。
子供に残す分はゼロになるかもしれないが、人生は死んで成仏するのではなく、
生きている間に好きなことを全部やって成仏するべきなのである。
CS 「こういったリバース・モーゲージを利用した金融プランもこれから出てくる
でしょうし、
2013年の時点の調査では日本の資産1億円以上の富裕層は
232万7000人となっています。」
劇団 「そんなにいるんですか!」
CS 「その中には当然、
身体が元気な内に、一生の思い出に妻と2人でプライベートジェットで
豪華な海外旅行をしておきたい。
と2400万円くらいのお金を出す人間はいるでしょう。」
「232万7000人の中の1%としたって2万人はいるんですよ。」
劇団 「すごい市場が眠っているんですねぇ・・・。」
CS 「話は戻りますけど、こういう豪華旅行をしたいという欲求もつきつめれば、
今まで経験したことが無い体験をしたい
↓
新しい世界を体験したい
↓
新しい世界観を身につけたい
と言えるんです。」
劇団 「確かにそう言われればそうですね。」
CS 「でも、富裕層は日本人全体から見たら一握りですから、
大金を払って非日常的体験を出来る人は限られてしまいます。」
劇団 「ボクは富裕層と違ってお金が無いから、そんなすごい体験は
一生出来ないな・・・。 (しょんぼり)」
CS 「いえ、わたしから見ると、そういう考え方をすると罠にはまります。」
劇団 「罠?」
CS 「『豪華な旅行が出来ないからすごい体験が出来ない。』という考えは、
豪華な旅行が出来ない
↓
新しい世界を体験できない
に繋がります。」
劇団 「違うんですか?」
CS 「でも、『豪華旅行』という外的条件が無ければ
『新しい世界を体験できない』ということは
外的条件に支配されていることになるんです。」
「わたしから見ると、神秘行を行ってダメになるタイプの人って
こういう思考パターンに陥っているんです。」
劇団 「意味がよくわかりませんが。」
CS 「例えば、修行者タイプの人でやたらとクンダリニーにこだわる人が
いるんですよ。」
「話をすると、
(どうやったらクンダリニーが上がるんですか?)
(ボクはクンダリニーが上がっていないからダメです。)
とか言うんです。」
「こういう人が神秘行を始める動機は、今までの自分には無い
新しい能力を手に入れたり、 神秘体験をして過去の自分とは
決別したいというリセット願望なんです。」
「根源的には、今までの自分をリセットして新しい世界観を
身につけたい欲求がある。」
「さらにリセットしたいということは、今の自分にたいして
強い自己無価値感があるわけです。」
「そして、そのリセットボタンがクンダリニー覚醒なんです。」
「そのため、
クンダリニーが上がる →新しい世界観を身につけた自分
クンダリニーが上がらない →何も変わらない無価値な自分
という思考パターンに陥る傾向があるんです。」
劇団 「うーん。」
CS 「もしも、クンダリニーが上がらなければ、この人にとっての
人生は無意味なんでしょうね。」
「でも、これってクンダリニーが上がるかどうかという外的条件に
この人の人生が支配されていることになるんですよね。」
「高藤氏の元弟子たちはこの傾向が得に強くて、
〈陽気の発生〉〈小周天〉〈クンダリニー〉などといった外的条件
にやたらとこだわるんです。」
「でも、今までの記事で説明してきたように、そういうタイプに限って
〈陽気の発生〉〈小周天〉〈クンダリニー〉がなかなか起こらない。」
「すると、彼にとって人生は無意味で空虚なモノになりどんどん
力を失っていくんです。」
「力を失った空虚な人間は、現実生活をコントロールする力も失って
坂道転がり落ちていくわけです。」
劇団 「では、どうしたらそういう罠から逃れられるんでしょうか?」
CS 「ですから、わたしは、
自分の体感覚と意識を開いていくことにより、現実の生活を
深いレベルで味わい、自分の中の世界観を変えていく
プロセスなんです。
と答えをはっきり書いているじゃないですか?」
劇団 「えっ・・・。(あたふたしている)」
CS「例えば、劇団さんが休みの日に旅行で温泉に行って
露天風呂に浸かったら、
気持ちいいなぁ~
となるじゃないですか?」

(冬の温泉っていいよね。)
劇団 「もちろんそうなると思います。」
CS 「でも、それって物理的条件に限って考えれば、
『お湯に浸かっているだけ』
ですから 自宅でお風呂に入るのと変わらないんです。」
「それが露天風呂に浸かっているときは、
気持ちいいなぁ~
となるのに、
自宅のお風呂に入っているときは、
あぁ、今日も仕事がきつかった。
明日の取引も面倒だなぁ・・・。
なんて日常の嫌なことばっかり考えたりするんです。」
劇団 「そう言われてみれば何故なんですかね?」
CS 「その答えは体感覚です。」
「温泉で露天風呂に浸かる時って、わざわざ飛行機や電車、バスで
移動して、お金を出して旅館の部屋を借りているわけです。」
「そうすると、
旅館に着いたら早く露天風呂に入って気持ちよくなりたい!
と意識が〈露天風呂に浸かった時の体感覚〉に集中するんです。」
「その集中によって、露天風呂に浸かった時のお湯の気持ちよさという
体感覚が強く感じられるんです。」
「それが露天風呂の光景という非日常的な視覚体験と相まって、
露天風呂に浸かる→日常のお風呂よりも気持ちよくてリラックス出来る
という形で潜在意識に強烈に植え付けられるわけです。」
「言い換えれば、
露天風呂に浸かる→日常で味わえない気持ちよさ→非日常的体験
というプロセスで新しい世界観を身につけたと言えます。」
劇団 「なるほど。」
CS 「それに対して、日常生活で仕事から帰宅して食事を取ってTVを観て、
お風呂に入る。」
「それはただのルーティーンワークに過ぎないんです。」
「だから、〈自宅のお風呂に入った時の体感覚〉には全く集中していない。」
「露天風呂に入るときの体感覚への集中度を100としたら、
自宅のお風呂の入った時は10以下でしょうね。」
「人によっては、その日にあったことばかり考えて限りなく0に近い人も
いると思います。」
「0に近い人間であればあるほど、その人は温泉に行かなければお湯に浸かる
気持ちよさを感じられないわけです。」
「言い換えるなら、外的条件に支配されやすい人間ということになります。」
劇団 「確かにそうですね。」
CS 「ですから、やたらと〈陽気の発生〉〈小周天〉〈クンダリニー〉にこだわる
人間は外的条件に支配されやすい人間なんです。」
「しかも、神秘行で結果が出にくいんです。」
劇団 「それはなぜでしょうか。」
CS 「過去の記事でも説明しましたが、一流のシェフや、精密機械を扱う職人、
イチローのようなトップアスリートは常に身体感覚を研ぎ澄ますことにより
常人では感じられない微妙な差異を感じ分ける超感覚を身につけています。」
「波動感覚も同じく、常人には感じられない微妙な差異を感じ分ける超感覚なんです。」
「そして、それが身につくかどうかは、一流のシェフが常に料理の味覚に意識を
集中しているように、普段の体感覚への集中度なんです。」
劇団 「それがお風呂に関係するんですね。」
CS 「もし、自宅のお風呂に入った時でも、露天風呂と同じ100位のレベルで
お湯に浸かった気持ちよさを感じられる人がいたら、その人は神秘行向きです。」
「そういうタイプの人は日常生活の全てに対する体感覚への意識が開いて
いますから、わたしが指導した経験でもかなり伸びますね。」
「逆に、自宅のお風呂に入って気持ちよさが0に近い人は、日常生活で
体感覚に集中する習慣が無いから波動感覚が開きづらい。」
「おまけに、体感覚が開いていない人間は頭だけであれこれ考える傾向が
ありますから、本に書いていることを鵜呑みにして外的条件に支配され
やすい傾向があります。」
「その結果、あれこれ神秘行の本を読んで〈陽気の発生〉〈小周天〉〈クンダリニー〉
という言葉(=概念)にやたらとこだわるようになる。」
「すると、そればっかり頭で考えて日常の体感覚への集中度がさらに低くなる。」
「結果、いくら修行を続けても結果が出ないという負のスパイラルへと
転落していくんです。
劇団 「それは大変ですね。」
CS 「例えば、以前の記事で
先日指導した東京都在住の30代女性受講者Mさんは
わたしから見るといい感じでクンダリニーが活性化して、同時に
感覚も開いてきているのですが、
たまたま彼女が1年ぶりに野外フェスに行った話になった時に、
演奏を聴いていたら音楽のエネルギーに身体が反応して
クンダリニーが活性化して熱くなったり、気脈の流れや
波動の変化を全身で感じる事が出来て,
1年前に行った時とは全然違っていて面白かったです。
全身の感覚が変わって何か覚醒している感じで、
クンダリニーとか大周天にこだわらないでただ楽しんでる
だけでこんなに変わるものなんですね。
と語っていたのが印象的でした。
という話を紹介しました。」
劇団 「印象的な話でしたね。」
CS 「これがもし、外的条件に支配されやすい修行者タイプの人が、
Mさんと同じフェスに出ていたら↓のようになったでしょうね。」
1年ぶりに知り合いに誘われてフェスに行ったのですが、
周りの人たちの邪気の影響で自分の陽気が発生しなくなるのでは
ないかと心配で仕方ありませんでした。
高藤本に書いてあった九字を切り、イメージでバリアを作りました。
ちなみにクンダリニー覚醒を目指して肉は一切食べていません。
スピリチュアル本に、音楽から邪気の影響を受けると書いていたので
音楽に意識を向けずに心の中でひたすら真言を唱えていました。
陽気を発生させたいと思い、会場で立った状態で高藤本に書いて
あった括約筋の締め上げと下腹部の運動をひたすら行っていたのですが、
熱いアイロンのような陽気は全く発生しません。
一緒に来た知り合いから邪気が来ているせいではないだろうか?
あぁ、無駄な時間を過ごしている。
早く帰って修行がしたい。
いつになったら、〈陽気の発生〉〈小周天〉〈クンダリニー〉が
起きるのだろうか・・・。
もっと禁欲と菜食主義を続けながら呼吸法の時間を増やさねば。
CS 「まぁ、こんな感じでしょう。」
劇団 「まさに修行者タイプですね。」
CS 「修行熱心なのは感心なのですが、あまりうまくいく気がしないでしょ?」
劇団 「いえ、頑張ってうまくいって欲しいですけどね・・・。」
CS 「クンダリニーとか大周天にこだわらないでただ楽しんでるMさんは
気脈やクンダリニーが活性化して、
必死に修行している人が結果が出ないというのは何ともパラドキシカル
だと思います。」
「修行者タイプの人も、考え方を変えれば伸びる可能性があるのに、
そういう根本的な部分は絶対に自分では気づかないんですよ。」
「ちょっともったいない気もしますが。」
「まぁ、本人の好きにやらせておくのが一番なんでしょうね。」
劇団 「でも、お風呂に入るという行為1つで神秘行の素質を判断出来るというのは
スゴイ話です。」
CS 「よく、スピリチュアルで霊やカルマがどうとかいう話にやたらこだわる人が
いますが、そういうものにこだわる人間ほど現実も何も変わらないんです。」
「現実への集中が甘くなるんですよ。」
「結局、全て現実に出るんです。」
「現実をよく見ていれば全てがわかるんです。」
劇団 「でも、現実って具体的に何なんですか?」
CS 「いや、ですから体感覚って何度も言ってるじゃないですか?」
「自分の体感覚こそが、リアル(=現実)の基本なんですよ。」
「日常の体感覚にどれだけ意識を置いてリアルに出来るか?
それが出来れば出来るほど、現実がリアルなものになり
よくわかるようになってくるんです。」
「その能力が研ぎ澄まされていけば、
例え『Four Seasons Private Jet Experience』のような豪華旅行に
行けなくても、
今まで何気なく知覚していた日常世界が実は全く違う側面を持った
多層世界だということが体感出来るようになり、
新しい世界観が得られるんです。」
「ですから、
ボクはお金が無いから一生そんなすごい体験は出来ないな・・・。
なんて考える必要はないし、
そう考えた時点で罠にはまっているんです。」
劇団 「そうでした、
気づくの遅すぎでしたぁ!」
CS 「・・・・・・・・。
(心の声: この様子ではまだ、人生の一番大切な事には気づいていないな。)」
※次回の記事更新日は1月10日になります。

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