(前回の関連記事は「流れを読む~恋愛編 」です。)
恋愛幸福度
劇団 「前回の記事では〈流れを読む~恋愛編 〉ということで、
プロボクサーレベルのミリ単位のコンビネーション技術で
女性を落とすホストやナンパ師と、
ロボコン・パンチレベルの(押してダメでも押し抜くぞ)精神で
フラれ続けてしまう男性
の違いについて説明したんですね。」
CS 「ハイ、そうです。」
「ただ、誤解して欲しくないのは、女性を落とすのがうまいかどうかと
恋愛幸福度は別だということです。」
劇団 「恋愛幸福度?」
CS 「これはわたしが自分で勝手に使っている言葉なんですけど、
恋愛幸福度と実際に女性と付き合えるかどうかってあまり
関係ないと思うんです。」
劇団 「そうなんですか?」
CS 「昔、ニューシネマ・パラダイスというイタリアの映画を観たことがあるのですが、
劇中で映写技師のアルフレードが主人公トトに語りかけた寓話があったんです。」
昔むかし、王様がパーティを開いた。
国中の美しい貴婦人が集まった。
護衛の兵士が王女が通るのを見た。
彼女が一番美しかった。
兵士はたちまち恋に落ちた。
だが、王女と兵士。身分の差はどうしようもない。
ある日、ついに兵士は王女に話しかける機会ができた。
「あなたなしでは生きていけぬ」と言った。
王女は彼の深い思いに驚いた。
そして言った。
“100日の間、昼も夜も私のバルコニーの下で待ってくれたら、
あなたのものになります”と。
兵士はすぐにバルコニーの下に行った。
2日……、10日、20日たった。
毎晩、王女は窓から見たが、兵士は動かなかった。
雨の日も、風の日も、雪が降っても、鳥が糞をし、蜂が刺しても、
兵士は動かなかった。
そして、90日がすぎた。
兵士はひからびて、まっ白になった。
眼から涙が滴りおちた。
涙をおさえる力もなかった。
眠る気力さえなかった。
王女はずっと見守っていた。
99日目の夜、兵士は立ちあがった。
椅子を持って 行ってしまった、最後の日に・・・。
劇団 「えっ、何で兵士は思いを遂げる寸前で行ってしまったんですか?」
CS 「わたしはこの話を聞いた時に、
この兵士は永遠性を獲得したんだな。
と感じたんですけどね。」
劇団 「永遠性って何ですか?」
CS 「説明しますと、
まず、恋愛感情とは相手と一体化したいという欲求が生み出す
エネルギーなんです。」
「わたしは波動感覚が開くにつれてその事が実感出来るようになりました。」
「これは3年ほど前に横浜市在住30歳男性受講者Kさんを指導していた
時の話ですが、
ある時から彼にシンクロすると胸にボワッとした思念波を感じるようになり、
わたし: これ、おそらく20代くらいの女性の思念波だよ。
誰かKさんの事を気に入っている女性がいるんじゃない?
なんて冗談っぽく話をしていたら、それが指導をする度にだんだん
強くなってきて、その内、彼とスカイプで繋がった途端に、
わたし: うっ、ゲホゲホ!(激しく咳き込む)、胸が苦しィィィィ!!
Kさん: 最近、胸が苦しくてしょうがないんですよ。
わたし: うわっ、すごいなこりゃ。
これは彼女、本気になってきてるね。
こんな感じ↑で女性の思念波がどんどん強くなって、
対象の男性との一体化度を強めてくるんです。」
劇団 「うわっ、女性の思念波ってこんななんですか?」
CS 「いえ、それはケース・バイ・ケースです。」
「この場合は、女性の苦しい内面の感情を反映していたわけです。」
「好きな男性が出来てウキウキした思念波を発している女性もいれば、
ムラムラした性的エネルギーを発散する人もいるし、そこは年齢や
性格によって様々です。」
「ただ、対象の男性と繋がろうとする性質は共通していています。」
劇団 「そんな風にわかるものなんですね。」
CS 「以前、たまにいくカフェにおそらく大学生のバイトの女の子がいたんですけど、
彼女を見ていると、
(あぁ、この子、今恋してるんだなぁ。)
と、はっきりわかりました。
彼女と話していると会陰付近のベースチャクラが発熱して、
胸がぶわっと開いてくるんです。
性格の良さそうな子だったから、
(この子の恋愛がうまくいきますように。)
と思わず祈ったものですけど・・・。
若い人はいいですね。」
劇団 「恋愛エネルギーは本人の性格や状況などその時々で変化すると
いうことでしょうか。」
CS 「例えるなら海面の波のようなもので、穏やかなさざ波の時もあれば
嵐のように激しくなったり変化するものなんです。」
「わたしは神秘行の実践者としてエネルギーの観点から物事を見る
習性があるので、
恋愛エネルギー値が高ければそれで幸せなんじゃないかな?
と考えるんです。」
「それが恋愛幸福度です。」
劇団 「さきほどの思いを遂げる寸前で去って行った兵士は
恋愛幸福度が高かったんですか?」
CS 「恋愛感情には〈思いを遂げると低下する〉という性質が
あるんです。」
「これは誰でも経験があると思いますが、付き合って何年も経った
恋人同士や夫婦ってほぼ100%倦怠期が来ますよね。」
「付き合うことが目的なのに、実際に付き合ってそれが当たり前の
日常の一部になると恋愛エネルギーは低下していくんです。」
劇団 「それはわかります。」
CS 「それでたいていの人は倦怠期を迎えた相手と別れたり浮気したりして、
新しい恋愛からエネルギーを得ようとするんです。」
「でも、それを繰り返せば繰り返すほど感覚は麻痺してエネルギーは
得られなくなるんです。」
「わたしはそれを〈恋愛感情エネルギーの枯渇〉と呼んでいます。」
劇団 「周りから見ると常に違う異性と付き合っている人は、恋愛経験豊富で
恵まれているように見えるけれど、実は〈恋愛感情エネルギーの枯渇〉
を招いているんですね。」
CS 「恋愛を繰り返せば繰り返すほど、恋愛幸福度は低下していくんです。」
「このように恋愛感情は〈思いを遂げると低下する〉という性質があるので
逆に言えば、
思いを遂げられなければ、遂げられないほどエネルギーは高まるんです。」
「例えば、中学時代の同級生で好きな女の子がいて告白してフラれたけど
諦められず、
以来、誰とも付き合わないでいた少年が、大学で彼女と再会して運良く
付き合えるようになったらうれしいでしょう。」
劇団 「そりゃうれしいでしょうね。」
CS 「それとは別に、友人に誘われて合コンに行ったら、たまたまフィーリングの
合う可愛い女の子がいて、そのまま誘ったらホテルに付いてきて肉体関係
を持った。」
「うれしいといえばうれしいけど、5年越しの恋愛で付き合えたほどの
満足感は得られない。」
劇団 「そりゃ得られないでしょうね。」
CS 「ですから、困難度が高ければ高いほど恋愛エネルギーは上昇していく。」
「そう考えると、あの兵士の恋愛エネルギー値はぶっちぎりなんです。」
状況 王女と兵士 →絶望的なまでの格差
→困難度 MAXレベル
条件 “100日の間、昼も夜も私のバルコニーの下で待ってくれたら、
あなたのものになります”
→達成困難度 MAXレベル
兵士が去った時期 99日目、まさに思いを遂げる寸前
→恋愛エネルギー値 MAXレベル
劇団 「なるほど、こうやって考えると兵士の恋愛エネルギーは考えられる最大値に
達していたんですね。」
CS 「そして、永遠性を得たんです。」
劇団 「さっきも聞きましたが、何で永遠なんですか?」
CS 「考えて欲しいんですけど、
もし兵士が100日間バルコニーの下に居続けるという条件をクリアーして、
王女は彼を受け入れて肉体関係を結んだとします。」
「するとそこで終わってしまう。」
劇団 「終わる?」
CS 「兵士はそこで思いを遂げて満足するし、
王女も心のどこかで
(彼はわたしの肉体が目当てだったんだな。)
と思ってしまう。」
「身分違いの王女と兵士のただの火遊びで終わってしまうんです。」
「結果、恋愛エネルギー値は低下します。」
劇団 「なるほど。」
CS 「しかし、兵士は99日目に去ってしまった。」
「すると、王女は
(彼はわたしの肉体が目当てではなかった。)
(純粋にわたしを愛していたんだ。)
と考えるんです。」
「おそらく王女は兵士が去った後も
(どうして、彼は去って行ったのだろう??)
と彼の事が頭から離れなかったでしょうし、
彼女が死ぬ間際に脳裏に思い浮かぶのは
夫である王様でもなく、子供たちでもなく
バルコニーの下に居た兵士の姿なんです。」
「ということは、兵士は王女の魂に永遠に生き続けるんです。」
「そして、99日目に去った兵士の魂にも王女の対する恋愛感情が
最大値のまま生き続ける。」
「こうして、兵士の王女への愛は永遠性を獲得したわけです。」
劇団 「そうか、思いを遂げられなかったからこそ永遠になったんですね。」
CS 「わたしが考える恋愛幸福度を決定するのは、恋愛愛感情がどれだけ
高いエネルギーを維持できるかなんです。」
「ですから兵士の恋愛幸福度は最大値です。」
「逆に、ホストやナンパ師のように狙った女性を落とす技術を身につけ、
成功率が高まれば高まるほどゲーム感覚となり、得られる恋愛エネルギーは
低下していくんです。」
「そして、狙った女性を落とせば落とすほど恋愛幸福度は最低値に近づいていく。」
「なんともパラドキシカルですよね。」
劇団 「兵士と王女の話にはそんな深い意味があったんですね。」
CS 「元々は主人公のトトと恋人の別離を暗示させるメタファーとして、
映写技師のアルフレードが作りだした寓話なんですけど、
わたしはそこから違った意味を読み取ったわけです。」
「それはニューシネマパラダイスの完全版を見ればわかります。」
劇団 「完全版じゃないとわからないんですか?」
CS 「そうなんです。」
「短縮版(「劇場公開版」)ではその辺りのエピソードが謎のままに
なっています。」
「もしも、短縮版(「劇場公開版」)しか観ていない方が完全版を見たら
物語の意味自体が全く別物になっていて驚きますよ。」
「でも、短縮版(「劇場公開版」)の方が主人公の恋愛が成就せず、
謎もそのまま残っているせいで作品自体の完成度は高くなっている
と思います。」
劇団 「それはどういう意味ですか?」
CS 「要するに、
恋愛や夢や願望は成就しない方がかえって幸せな場合がある。
ということです。」
※次回の記事更新日は10月20日になります。

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