(前回の関連記事は「情報食物連鎖
」です)
最も効率的な選択は何か
前回の記事では、
人間社会は自然界の食物連鎖と同じピラミッド構造を
なしており、その人間が属しているレベルを決定するのは、
持っている情報の質と量である。
仙道研究家 高藤総一郎氏は著書において
「情報=エネルギー=現実的パワー」
であると力説していた。
という事について説明しました。
そして、願望実現でドツボに嵌る人を見ていて感じるのは、
情報の量と質の欠如です。
逆に成功した人間を見ていると、例外なく他人よりも
優れた情報を手にしています。
簡単な例を挙げれば、受験で有名大学にストレートで受かる
人間は、テストで合格点を得るために必要な情報を持っていた
ということになります。
ストレートで合格するために最も重要なことは、不必要な情報を
カットすることです。
仮に、
「合格に必要な情報量=100」
であった場合、100の情報に絞って学習すればする程、
短期間の学習で効率的に合格することが出来ます。
逆に、何年かかっても合格できない人は情報の絞り込みが
出来ていません。
例えば、ある教科で問題集Aの解法パターンを完全に覚えれば
合格に必要な点数が取れるとします。
ストレートで合格する人は問題集Aのみを繰り返し学習することに
より解法パターンを完全に体に沁みこませます。
「学習する情報量=100」に絞ったわけです。
そして、同じ問題を繰り返せば繰り返すほど、復習に要する時間は
少なくなりますし、問題に対する理解度も深まってきます。
その結果、多少は内容が違った応用問題が出てきても柔軟に
対処する力が身に付きます。
結果として、合格に必要な情報は100%得られます。
また、効率的に学習して余った時間を他の教科に充てることも
出来ます。
そうすると受験勉強全体がいい方向に回りだします。
一方、情報の絞り込みが出来ない人は、問題集Aを1回やり終えると、
次はもっと難しい問題集Bを行う。
それでも不安で次はさらに違う傾向の問題集Cを解いてみる。
更に不安で次は違う傾向の問題集Dを行う。
こうして4冊の問題集を解くのに入試までの時間を費やしてしまいました。
しかも、それぞれの問題集を1回ずつしか解いていないので、何となく
内容は理解したつもりでも実際に応用問題が出てくると手が出ません。
結果、
「学習した情報量=400」
ですが、試験の合格に必要な問題集Aの情報は4冊に分散したせいで、
4分の1(=25%)しか身に付いていません。
あれこれ手を広げたために全て中途半端になったわけです。
おまけに新しい問題集を4冊解くのに時間がかなりかかってしまい、
他の教科の勉強を十分にできなかった。
すべてが悪い方向に向かってドツボにはまり、また浪人してしまいます。
この場合、何年も浪人している人の方が
「解いた問題の数(=情報の量)」⇒400
で、合格した人より多かったりします。
ただ、
「本当に合格に必要な問題を解く情報量」⇒25
と、ストレートで合格した人にはるかに劣ってしまうわけです。
ですから受験で成功するために必要なのは、その人が志望校に合格する
ために必要な情報の質と量をはっきり見極める事です。
そう考えると合格するための一番、手っ取り早い方法は、学習の内容を
的確に指定できる人物を探す事です。
例えば、インテリジェンスの専門家・佐藤優氏は、ある時20代半ばの
フリーターの青年の大学受験(世界史)を手伝うことになったそうです。
その青年は高校時代の知識はほとんど忘れていて、7月に大手予備校の
模試を受けた時の偏差値は40でした。
学力的にはほとんど0の状態です。
それが佐藤氏が指定した勉強法を行ったところ、11月の模試ではなんと
偏差値70を超えたそうです。
それも佐藤氏が実際に世界史を教えたわけではありません。
佐藤氏が選んだ本と問題集を使って指定された学習法を行い、
経過をメールで報告していただけです。
これで世界史が4ヶ月で偏差値70を超えたわけですから、他の科目も
同じように効率的に学習すれば、半年間程度で偏差値40の
フリーターが、偏差値70の有名私大に合格することは十分可能です。
実際にその青年は、国語・英語についても専門の人物(予備校の英語講師、
出版社の副編集長)がついて指導したことにより、英語・国語も短期間で
飛躍的に成績が伸びて、優秀な成績で志望校に合格したそうです。
各教科で佐藤優氏のような人間を探すのが大変でしたら、現在の自分と
同じような学力レベルから短期間で同じ志望校に合格した人物を探して
(出来れば現役大学生)、その人に学習方法を細かく教わるのもいいかも
しれません。
このような条件を満たす人物を探すことは一見すると大変に思えます。
しかし、現在はフェイスブック等のSNSを利用すれば、さまざまなな人物と
短期間でコンタクトを取ることが可能です。
仮に探すのに3ヶ月かかったとしても、何年も浪人するより時間の
ロスは、はるかに少なくなります。
また、そういった人たちを探して依頼するのに仮に300万円の費用が
かかったとしても、有名大学に入学して電通にでも就職すればすぐに
元は取れます。
要するに「優れた戦略」を先に立てて、情報の量と質を絞り込むことが
重要なんです。
しかし、大部分の人はこういう事は行いません。
ほとんどの受験生は、何となくクラスメートと同じ大手予備校に通ったり、
みんなが使っている問題集を何となく選んで受験勉強をするわけです。
そして、受験が近くなると1日10時間とか必死に勉強します。
しかし、最初の戦略が間違っているわけですから、何時間勉強しようが
合格できません。
おそらく20代のフリーターの青年が、何となく大手予備校に通って、
そこで売っている問題集を買って受験勉強をしたとしても、4ヶ月で
偏差値が70までは上がらなかったと思います。
これって、前回の記事の話に似ていますね。
起業して収入を増やそうと思いビジネスセミナーに通ってその内容を
実行するが一向に結果が出ない。
そこで次々に違うセミナーに通い続けて負のスパイラルに陥るタイプの
人がいます。
他方、結果を出す人もいます。
その結果を出す人を見ていていると2パターンに分かれます。
1つは、優れた指導者がマンツーマンで起業をサポートしてくれた
場合です。
これは、20代のフリーター青年に佐藤優氏がマンツーマンで
学習内容を指導したのと同じパターンです。
しかし、これはかなり稀なケースとなります。
なぜなら、素人を起業させて本当に年収何千万円にもするくらいの
優れたスキルを持った人間ががいたら、その人自身が自分で
ビジネスを立ち上げた方がはるかに儲けられるからです。
例えば、ある講師が1年で素人10人をマンツーマンで指導して
起業させ、全員が年収1500万円になれたとします。
その場合、1人から100万円の指導料を取ったとしても、講師は年間で
1千万円の収入しか得られません。
それなら自分が人を雇って年収1500万円のビジネスを10個立ち上げれば、
年収1億5千万円を継続的に得られるわけです。
ですから、本当に優れたスキルを持った人は自分でビジネスを立ち上げるか、
経営者や資産家のメンターとなることで、最低でも数億円の年収を手にします。
ここまでの能力がない人は素人を相手に、大勢の人間を一か所に集めて
まとめてお金を得ようとします。
中には、月に1~2回に限定してスカイプで指導するというスタイルの人も
いるようです。
しかし、その場合もマンツーマンは効率が悪いので、ネット会議形式で
数人をまとめて1時間程度話をして終わらせるケースが多いようです。
これなら結構な人数がさばけると思います。
(広告では「年間○○人限定!」と書いていたりしますが。)
数年前ですが、当時わたしが行っていた波動プログラミングの
メニューを受けるために1度だけ受講した男性がいました。
彼は起業を目指して数ヶ月前に会社を辞めて準備中だったのですが、
その間に3日間で50万円の費用がかかる某ビジネスセミナーを
受けたと話していました。
起業で失敗したくないために、少ない貯金を切り崩して参加したそう
ですが、まだ子供も小さいみたいだし50万円と言えば無職の彼には
結構な金額ですから、わたしが
「50万円もかかったということは、セミナー後も継続的に個人指導を
受けられたりするサービスがあるんですか?」
と質問したところ、
「いえ、会場に数十人が集まって話を聞くことを3日繰り返して、
最終日に講師の弟子のインストラクターに1度だけ相談して
それで終わりです。」
と答えました。
(50万円よりも更に上級のコースを受けると、講師本人と
1度だけ直接話が出来るそうです。)
わたしは驚いて、
「なんでその人のセミナーに行ったの?」
と訊いてみたら、
「その講師は本を何冊も出している世界的なカリスマで、参加すると
特典として 〈ビジネスで成功するためのCDセット〉をもらえるんです。」
と話していました。
さらにセミナーの内容について聞いてみると、基本的に本やCDの
中身と大して変わらなかったそうです。
わたしは
(人それぞれ自己責任で好きにやったらいい。)
という考えですから、彼がセミナーに行ったことに関しては、
「へぇー、そうなんだ。実物に会えて良かったね。」
としか言いませんでした。
ただ、気になって後で調べてみたら、そのカリスマ講師の本は
アマゾンで100円で売られていました。
また、特典の〈ビジネスで成功するためのCDセット〉はヤフオクで
9800円で出品されていました。
そのカリスマ講師は素人に対してはセミナー開催・教材を販売する
一方で、富裕層のメンターとなり高額の報酬を得ていました。
その講師の実力は本物なのでしょうが、まともに相手しているのは
富裕層だけということです。
その時、
「もしわたしがセミナーに参加した受講者だったら、そのカリスマ
講師の最も評価の高い本をアマゾンで買って10回は繰り返し
読んで完全に理解する。」
「そしてCDセットを9800円で購入して、毎日Ipodで聴いて
ビジネス哲学を徹底的に潜在意識に沁みこませる。」
「結果、本とCDで出費は1万円で済むから、残り49万円は、
起業するための資金や妻子の生活費に充てる。」
「結局、彼が起業で成功する最も効率的な選択は、
セミナーに参加しないこと
だったんだろうな。」
と考えたことを憶えています。
※次回の記事更新日は7月20日になります。
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