気で腰痛は治るか?
呼吸法を行った場合の副作用として胸が塞がったように
硬くなってしまう現象があります。
その原因の1つとして、
腹式呼吸によって胸の筋肉に無理な力がかかったため
筋肉が疲労を起こし乳酸が溜まり硬くなったこと。
が関係しています。
しかし、筋肉の疲労のみが原因ではありません。
気功の修行で起きるわけですから、当然、気が原因となって
胸が塞がるケースもあります。
以前、紹介した65年前の気功修行者・陳寛金さんの気功体験記・
「小周天の気功練習法」では、陳さん以外のケースも書かれています。
〈病気治療の実例〉
(症例の1)
胡北省人民公社の陳某は日本の藤田静座法に倣って気功を練習したが、
コツ、秘訣にしたがわなかったどころか、肝臓の範囲に意念を集中した
ため、日が経つにつれて、気血が滞り、気がふさがって、座骨神経痛、
不眠、夢精などの症状が現われた。
これについて陳さんは以下のように解説しています。
この病例をよく考えてみると、実は肝硬変ではなく、肝臓の部位に気の
かたまりが生成して肝硬変と誤診され、肝硬変治療用の薬を投与されたの
で、むろん効果をあげるはずがない、ということがわかる。
この病気は気功練習の要領を得ず、気が滞り、ふさがってかたまりが
生成したことに起因している。
このように「気のかたまりが肉体の不調の原因になる」ことは、
わたしが気功指導をしている時にもよく起きる現象です。
今から5年ほど前ですが、わたしが電話での遠隔指導を行って
いた時に50代の女性受講者が、
「最近、腰が痛くてしょうがないんです。」
と言ってきたことがありました。
詳しく聞いてみると、腰を痛めた憶えが無いのに、ある朝
目が覚めてからずっと痛みが続いているそうです。
病院に行ってレントゲンやMRIを撮っても原因がわかりません。
そこでわたしが彼女の波動を読んでみると、小周天ルート
(体の正中線状を通る経絡)で気が妙な動きをしています。
この小周天ルートの気の流れ方には2種類あります。
第一のタイプは、
気海(下腹部)⇒会陰(性器付近)⇒背骨(皮膚の下)⇒百会(頭頂)
というように背骨を上昇してから
⇒壇中(胸の真ん中)⇒気海(下腹部)に降りて一周するタイプです。
これは男性に多い気の流れ方で、わたしは「順周りタイプ」と
呼んでいます。
第二のタイプは逆に、
気海(下腹部)⇒壇中(胸の真ん中)⇒百会(頭頂)
というように胸を上昇して頭頂に達してから背骨を下降して
⇒会陰(性器付近)⇒気海(下腹部)
と一周します。
これは女性に多い気の流れ方で、わたしは「逆回りタイプ」と
呼んでいます。
簡単に言うと、
「順周り」⇒男性・背骨を気が上昇。
「逆回り」⇒女性・背骨を気が下降。
となります。
もちろん、男性でも「逆周り」の人もいますし、
女性で「順周り」の人もいます。
ただ、確率的には数パーセント程度です。
そして、普通一般の気功・仙道の流派では、気が背骨を上昇する
「順周りタイプ」で小周天が行われます。
ですから、女性が普通一般の小周天を行おうとしてもなかなか
うまく行かないケースが多くなります。
仙人に比べて、仙女が圧倒的に少ない原因の1つが、この点に
あるのではないかとわたしは考えています。
ただし、小周天レベルなら「逆回りタイプ」でも可能です。
以前、わたしに受講の問い合わせをしてきた人は、某流派で
「逆回りタイプ」で小周天を習ったと話していました。
ただ、「逆回りタイプ」では丹道周天の完成がほとんど不可能に
なるという問題点があります。
そのためわたしの遠隔指導では男女問わず受講者全員に対して、
気が背骨を上昇する「順周りタイプ」で小周天を教えています。
当然、
「じゃあ女性はどうするの?」
という疑問が出ると思います。
実はわたしは「波動プログラミング」を利用して強制的に気の流れを
「順周りタイプ」に変更しています。
女性は一般的に男性よりも波動感覚が鋭い方が多いので、
わたしが気の流れを変えると、
「今まで額に来ていた圧力感が消えた。」
とか
「背中が暖かくなってきた。」
と気の流れの変化を感じ取る人もいます。
すると今度は、
「気の流れを逆にして問題が起きないのか?」
と疑問に思う方がいるかもしれません。
これについては、わたしが今まで指導してきた経験では「逆回りタイプ」
から「順周りタイプ」に気の流れを変えて問題が起きたことはありません。
しかし、これには但し書きがつきます。
但し、
〈気の流れが完全に「順周りタイプ」に変化した場合 〉
に限られるわけです。
こう書いてもよく意味がわからないと思いますので詳しく説明します。
先の話に出た50代の女性は、元々は気が背骨を下降する
「逆回りタイプ」でした。
それをわたしが、
「いずれ上の行(丹道周天)に進むために必要なので、現在の気の流れを
逆方向に変えますね。」
と本人に了解を取ったうえで「順周り」変更しました。
その後、しばらくは小周天を続けていて特に問題は起きませんでした。
しかし、ある時点から彼女のハートのチャクラ(壇中付近)が開いて
活性化し始めました。
具体的には胸が熱くなったり、胸の奥が振動するような感覚が徐々に
強くなってきたわけです。
このように任脈(体の全面の気脈)にあるチャクラが突出して
活性化するとエネルギーが頭頂に上昇する傾向があります。
なぜなら、空気が熱せられると上昇するように(これが気球の原理となります)、
熱感を伴った気は上に昇っていく性質があるためです。
この場合、小周天ルートのチャクラが均等に活性化していれば気脈全体の
バランスが取れますので、ハートのチャクラで発生したエネルギーは
「順周り」で下腹部に降りて行きます。
しかし、彼女の場合はハートのチャクラのみが突出して開いたため、
エネルギーが胸から頭頂に上がり、自然と「逆回り」になってしまい
ました。
本人に聞いてみたところ、それでも最初の内は小周天を「順周り」で回していた
のですが、ハートのチャクラが更に活性化してくるにつれて、「逆回り」にした方が
気持ちが良く感じるようになったと言います。
さらに、かねがねわたしが、
「自分の身体の気持ちがいいように気を回すのが一番です。」
と彼女に話していたので、
「それなら逆回りにしていいのね。」
と自分なりに解釈して、ずっと逆回りに小周天を回していたという事でした。
確かに「逆回り」で気を流しても特に問題は起きません。
(丹道周天は出来なくなりますが)
ただ、彼女の場合はクンダリ二ーが活性化して、丹田・尾骨から背骨を
上昇する「順周り」のパワーもかなり強くなっていました。
その上わたしが波動プログラミングで、エネルギーが背骨を上がる
ように設定しています。
要するに、
〈逆回りに働くパワー〉
①ハートのチャクラが活性化して出ているエネルギー
②彼女が気持ちがいいので意図的に「逆回り」にしている
エネルギーの流れ
③背骨を気が下降
と、
〈順周りに働くパワー〉
①丹田・尾骨が活性化して出ているクンダリ二ーのエネルギー
②わたしが波動プログラミングで「順周り」になるように設定した
エネルギーの流れ
③背骨を気が上昇
が小周天上のルート上でぶつかっていたわけです。
その2つのエネルギーがぶつかった場所が腰の部位でした。
(正確には「命門」というヘソの真裏にある経穴の部位)
当然、2つの強力なエネルギーがぶつかった場所では
気がつまって強い圧力が生じ、それが痛みを引き起こ
します。
わたしは上記の内容を彼女に説明した上で、ハートチャクラの
エネルギーが下に流れるように波動プログラミングで再設定
しました。
その上で腰の部位の気の詰りを除去して気脈を通すと、瞬時に
痛みが消えて彼女は驚いていました。
病院に行っても治らない痛みが、電話越しに気を操作することに
よって一瞬で無くなったのですから驚くのも当然でしょう。
よく、ヒーラーや気功治療家が医者や薬でも治らなかった症状を
一回の治療で治したという話がありますが、それはこういう原理な
わけです。
エネルギーの異常が原因で生じた症状は病院ではなかなか治りません。
この場合のエネルギーの異常は単なる気の流れ以外に、霊的な問題も
含まれます。
ですから、ヒーラーや気功治療家でもなかなか治らない症状を
霊能者が一発で治すというケースもあります。
もちろん、腰痛でも本当に重度の椎間板ヘルニアや坐骨神経痛は
外科的手術を受けないといけませんし、軽症で鍼や整体が有効な
ケースもあります。
結局、
気で腰痛が治るのは、気の異常で腰痛が起きた場合のみだ。
というのがわたしの基本的な考えです。
(これにも例外があるのですが、それについては次回の記事で
説明します。)
ただ、わたしがこう書くと、
「それじゃあ、病院や民間療法で病気が治らなかったらヒーラー・気功家・
霊能者のところに行けばいいのか!」
と思う人がいるかもしれませんが、わたしの経験では本当に実力の
ある人は全体の数パーセント程度です。
これは医者の世界も同じでしょうが、名医もいれば、かえって病気を
悪化させて患者を死なせてしまう人もいます。
わたしもエネルギー治療を受けて病気が治った人も見てきましたし、
かえって回復不能なダメージを負わされた人も目にしました。
そこは結局、巡り合わせというか本人が持つ「縁」なんでしょうね。
わたしの元にもよく、
「いいヒーラー(気功治療家)・霊能者がいたら教えてください。」
という質問が来ますが、わたしも責任持てませんので
「自己責任でお探しください。」
と答えることにしています。
話は気功に戻りますが、50代の女性受講者のケースのように
行が進んでいくと 一般の気功書には書かれていないような
予測不可能な問題が発生します。
わたしは受講者と会話しながら、気を動かし反応を読むことで
その問題の原因を解き明かしていきます。
すると新しい気功の法則が分かります。
それがわたしが気功指導を行う楽しみなんですね。
つづく
※次回の記事更新日は2月20日になります。

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