相手に嫌われても仕方がない時
前回の記事で、
願望実現法を行っても効果が出ないからといって、次から次へと
いろいろなものに手を出していると、
〈自分はどんな願望実現法を行っても効果が出ない人間だ〉
というメッセージが潜在意識に刻み込まれてしまう。
という話を紹介しました。
このように本人は必死に願望実現法を行っているのに、かえって
人生が悪化していくケースをわたしはたくさん見てきました。
本来は人を成功に導くための願望実現法がかえって人を不幸に
するわけです。
それでは成功法則自体が間違っているのか？
というと、それは違います。
成功法則に書かれていること自体は正しいのです。
先に挙げた例では、
「潜在意識にメッセージを植え付ければ実現する。」
という基本原理は正しい。
ただ、メッセージを潜在意識に植え付ける方法に関して
誤解があります。
一般的な成功法則では、
「毎日、自分の潜在意識に語りかけていれば願望が
かないます。」
と言われています。
しかし、最も強力に潜在意識に入るのは
「現実のその人自身の行動」
です。
例えば、わたしのもとに寄せられる相談として、
「現在、フリーターをしているけれど年収○千万円になりたい。」
という内容があります。
この願望自体は特に問題はありません。
現時点での収入がいくら低かろうが、年収○千万円でも
数十億円でも可能だとわたしは考えています。
問題になるのは以下のようなケースです。、
わたしが年収を上げたいという方に
「○○さんは、願望実現に向けて何かしているんですか？」
と聞いて
「○○の願望実現法を実行しています。」
という答えが返ってきて
更にわたしが
「それでは○○さんは、目的に向けてどんな計画を立てて、
その計画に必要などんな知識を学習しているんですか？」
と聞いて、
「いえ、特に何もしてません。」
という答えが返って来る。
こういう状態で願望実現法を行っても現実は何も変わりません。
「わたしは年収○千万円になる。」
と毎日１万回、自分の潜在意識に語りかけても具体的な
計画や行動がなければ、
潜在意識は、
（あぁ、この人は口ではいろいろ言っているけど、実際には何も
行動を起こさないわけだから、本当は現実を変えたくないんだな。）
と判断します。
結果、何も変わりません。
言い換えれば、
「毎日、自分の潜在意識に語りかけていれば願望は
かないます。」
という言葉は、現実的な計画に基づいて行動している人にのみ
有効な法則なわけです。
これは以前、わたしが数回メールのやりとりをした
仙道研究家 高藤聡一郎氏の弟子の方が
書いていた話ですが、
ある時、田舎から高藤氏の主宰していた道場で仙道を学びたい
という弟子志願の少年が訪ねてきました。
その少年がどう見ても、着の身着のままで上京してきた様子なので、
「君、これから部屋を借りたり、道場代を払うお金は大丈夫なの？」
と聞いたところ、
「いえ、お金はありません。」
「でも仙道を修行すれば、お金が入るようになると本に書いて
あったから大丈夫です。」
と真顔で答えて高藤氏達を驚かせたそうです。
その子は高校を卒業した位の年齢で、世の中の常識を全く知らなかった
ので仕方のない部分もあるのでしょうが、問題なのは３０～４０代に
なっても同じような考え方で生きているケースです。
わたしの受講希望者の中にも、弟子志願の少年くらいの年齢で
同じような考え方をしている人がいたりします。
そういう場合は、現実的なものの見方や考え方をするように
わたしなりにアドバイスします。
その上で、願望内容に応じた波動へと変化していくように気功指導を
行います。
ただ、３０代、４０代で弟子志願の少年のような考え方をしている人は、
思考パターンが体にしみついていますから、いくら説明しても分かって
もらえなかったりします。
別に人の生き方はその人の自由ですから、わたしがとやかく言う
ことではないのかもしれません。
ただ、扶養家族（特に小さい子供）がいたりすると、本人だけ
では済まない話になります。
成功法則を実践しているわけですから金銭的に苦しい状態なのに、
その少ない収入をさらにいろいろな願望実現セミナーやら教材につぎ
込んで、中にはサラ金から借金をしたりする人もいます。
ろくに家にお金も入れないわけですから奥さんとの仲も険悪になり、
いずれ家庭は崩壊します。
このような状態になっている人は潜在意識にマイナスのメッセージが
完全に埋め込まれていますから、願望実現法を続ければ続けるほど
状況が悪化します。
わたしはそういう人から相談を受けた場合は、
「もう願望実現法はやめた方がいいですよ。」
とアドバイスします。
ここまで悪化したら、とにかくいったんリセットしてゼロからやり直す
しかありません。
すると、
「いえ、○○さえ行っていれば願望は必ずかないます。」
「そう本に書いています。」
と答えたりします。
こうなるとわたしが何を言っても時間の無駄です。
逆に、
「ＣＯＳＭＩＣ ＳＨＡＭＡＮはマイナス思考の塊だ。」
とか
「あいつは邪気を発している。」
などと言い出して、かえって恨まれたりします。
こんな体験を何度もしているので、わたしもあまり願望実現法には
触らないでグルジェフやユングの記事を書いていた方がいいような
気がします。
しかし、こういう願望実現のマイナス面について波動的な観点から
説明している記事はほとんどありませんから、書いた方がいいように
考えたりもするわけです。
と言いますのは、わたしの元には借金、病気、恋愛問題といった
様々な相談が寄せられるのですが、その中に願望実現にこだわる
あまり深刻な状況に陥る人がいます。
ある相談者は金銭上のトラブルで多大な借金を背負った状態で
某願望実現系のサイト運営者に相談したところ、
「先祖供養を行って祈っていれば問題は解決しますよ。」
と言われたそうです。
そこで、その言葉を信じてひたすら実行していたが、一向に現実が
好転しないとわたしに相談してきたわけです。
その話を聞いた時はさすがにわたしもあきれました。
確かに願望実現の方法として先祖霊を利用するという
方法はありますし、それでいろいろな願望をかなえて
いる人をわたしは知っています。
ただ、その人は気功や瞑想で気のパワーと集中力を高め、
数年の時間をかけてその能力を高めたわけです。
それを借金で極度のストレス状態にある人間が、藁にも
すがる思いでいきなり実行して、すぐに結果が出るもの
ではありません。
要は使うタイミングなんですね。
わたし自身、受講者を先祖霊とつなげて運勢を好転させる
ことはあります。
ただ、この相談者のケースではその手法が逆効果となります。
現実は刻一刻変化していくものです。
借金は時間がたてばたつほど利息が膨らんでいきますし、法律の
改正等で今まで申請すれば受けられたはずの法的保護が受けられ
なくなったりします。
ですから、信頼できる専門家の意見を中心に様々な角度から情報を
集めて、知恵を絞って計画を立てた上で行動する必要があります。
しかし、そうして頭を使いながら問題に正面からぶつかっていくのは
誰でも億劫ですし、つらい現実から逃げ出したくもなります。
そうすると、
「先祖供養を行って祈っていれば問題は解決しますよ。」
という甘い言葉を信じて現実から逃避する選択をしてしまう
わけです。
現実逃避に走って状況が好転することはありません。
願望実現法はうまく利用すれば人生を成功に導きますし、
現実逃避に利用すれば人生を破滅に導きます。
先ほどの
「先祖供養を行って祈っていれば問題は解決しますよ。」
というアドバイスをした願望実現系サイトですが、わたしが記事内容と
波動を読んだ感覚では、運営者自身はあれこれ手を出し過ぎてかえって
うまくいかなくなっているという印象を受けました。
その結果として、
いろいろな願望実現法を行っているがうまくいかない。
↓
「自分はこのまま一生うまくいかないのでは？」
と心の底では不安を感じている。
↓
しかし、今までかけてきた時間とお金を考えると、それらが
無駄だったという現実を認めたくない。
↓
何とかこの不安感をぬぐい去りたい。
↓
ブログに
「○○を行っていれば必ず願望はかないますよ。」
という自分自身の希望を書きこんで信じこもうとする。
↓
他人が相談してきたら
「○○を行っていれば必ず問題は解決出来ますよ。」
と言うことで、自分自身と他人を信じ込ませようとする。
という現実から逃避する行動をとっているわけです。
このように、わたしから見ると願望実現法に関する書籍や
サイトは、
①本当にその方法で人生を一変させるような願望を実現して
成功した人が実際の体験を書いたもの
②実際は願望も実現できていなし、人生がうまくいっていない
人が、
「自分は○○をしているんだから、必ず願望が実現して、
成功できるんだ！」
という、自分自身に対する切実な願いを込めて書いたもの
の２種類に分けられます。
先ほど書いた
「先祖供養を行って祈っていれば問題は解決しますよ。」
とアドバイスをした人のサイトは②のタイプです。
ただ、ここで重要なのは、アドバイスした本人は実際にそうなると堅く
信じているわけですから、別に相手の相談者を騙して不幸に陥れよう
とする意図はありません。
逆に、何とか相談者を幸せにしたいと思ってアドバイスしている。
完全に善意なんです。
しかし、完全な善意に基づいたアドバイスが結果的に相手を地獄に
突き落とすことが世の中にはあるわけです。
地獄への道は善意で敷き詰められている
（The road to hell is paved with good intentions）
という言葉がありますが、まさにこの事だと思います。
そのため、わたしが受講に関する相談のメールを受け取った時は、
「先祖供養を行って祈っていれば問題は解決しますよ。」
などという甘い回答は一切しません。
逆に
（ここは相手に嫌われても仕方がないから、事実を
書くしかないなぁ。）
と思いながら、わたしの実際の経験をもとに回答します。
すると、それっきり受講の申し込みは来なかったり
するわけです。
まぁ、それはそれでしょうがないですね。
つづく
※次回の記事更新日は７月１０日です。
にほんブログ村
