(前回の関連記事は「気の流れを止める意外な原因 」です)
他力本願と自力救済
前回の記事では、受講者Eさんに宗教霊がとりついてしまったために
小周天が出来なくなった話を紹介しました。
「霊がとりつく」などと書くと、ホラー映画で悪霊が人にとりついて
病気や死をもたらすようなイメージがありますが、Eさんにとりついて
いた宗教霊はそういう悪いタイプではありませんでした。
(もちろん、病気や死をもたらすタイプの霊もいます。)
ただ、「小周天を完成させる」という観点から見るとマイナスな
タイプな霊だったわけです。
それでは、なぜマイナスだったのかというと、まず小周天について
知る必要があります。
小周天とは、体の正中線のラインにある「督脈」「任脈」という
経絡に気を流す行法です。
一般的な気功法では
丹田(ヘソ下3寸の位置)で熱感として発生させた気を、
〈丹田→性器のあたり→背骨の上→頭頂→眉間→胸の真ん中→丹田〉
という感じでグルグル回していくのですが、途中で気の流れが
詰まってしまう事がよくあります。
気が詰まる原因としては、
・気が移動する部位の筋肉が凝っているために気の流れが止まる
・邪気(マイナスのエネルギー)が固まってブロックを形成している
などがあります。
わたしが小周天を指導する場合は、遠隔ヒーリングにより詰まりの原因を
除去しながら、受講者にエネルギーを送って強制的に小周天ルートを
開いて行きます。
そのため、よほどの重病人や、重度の精神的疾患を抱えている人で
ない限りは小周天ルートが開通し気が流れるようになります。
ようするに、
「受講者が何もしなくても、わたし(COSMIC SHAMAN)が
強制的に気脈を開く」
という、ある意味、他力本願的な方法なわけです。
(もちろん、その後にどれだけレベルアップするかには、本人の地道な努力が
必要不可欠です。)
これに対して、伝統的な小周天の修行法では、師匠は呼吸法や意識の集中法
といった基本的な方法しか弟子には教えません。
仙道研究家 高藤聡一郎氏も、基本的な修行法のみを台湾の仙人に教えて
もらっただけで、後は自力で小周天を完成させたそうです。
言い変えれば、自力救済的な方法なわけです。
これは筋肉の凝り・邪気といった気の詰まりの原因にたいしても同様で
自分で対処するしかありません。
そのため、伝統的な小周天の修行法では長期の禁欲と長時間の呼吸法を
続ける事によって、強力な熱エネルギーの塊(陽気)を下腹部に発生させます。
そして、さらにその熱感を強めて行きます。
すると、熱の塊(陽気)に勢いがついて小周天ルートを物凄い勢いで
上昇していきます。
この時発生する強力な熱エネルギーで邪気を焼き払い、上昇する勢いによって
筋肉の凝りを突き破ることにより小周天ルートを開くわけです。
この伝統的修行法では、一気に気脈も開きますし、強力な熱感で気の感覚も
得られるわけですが、やはり短所も存在します。
それは、途中で陽気が詰まってしまうと問題が発生することです。
例えば、頭のルート上で強力な熱が立ち往生してしまって、常に脳に
強力な熱が放射され続けるようになったらどうなるでしょうか?
脳はダメージを受けるでしょうが、病院に行っても原因はわかりませんし、
何の対処もできません。
このように、私から見ると伝統的小周天法は効果は大きいけれど、
同時に大きなリスクが付きまとう「自爆技」というイメージがあります。
ただ、高藤氏やわたしの師匠もそうでしたが、そうして独力で小周天を
完成させた人は根性というか精神力が強かったですね。
見方を変えれば、彼らは小周天修行を通じて自制心や忍耐力を
獲得したわけです。
わたしの気功指導では小周天を「他力本願的」に開くわけで効率を
考えればいいのかもしれません。
しかし、逆に言えば本人が長期の地道な修行に耐えながら精神力を
鍛える機会を奪っているとも言えるわけです。
「やはり、物事には必ず長所と短所があるものだな。」
と考えたりします。

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