ポスト小泉を巡るバトルロワイヤルで、まずは財務大臣が潰されようとしている。
再任された直後の記者会見で、消費税率引き上げ法案をを平成19年の通常国会に出すと発言したところをつっこまれてしまった。
急先鋒の政調会長に「拙速」などという屈辱的な言葉で反発されたのを皮切りに、「まず徹底的な歳出の見直し」=官房長官、「安易な増税論」=幹事長、「国民が納得しない」=参院幹事長と、集中砲火を浴びている。
「形を変えた抵抗勢力」=総務相とかいう意味不明なレッテル貼りまで出てきて、まさに四面楚歌だ。
官房長官などはあらためて、「増税を掲げて総裁選で争えば?」とまで煽っているようし。
総裁選に出る意思も人望もない香具師にまでここまで言われる筋合いもないと想うが、ちょっと飛んで火に入るの感は否めないのかなあ。
それにしてもである。
歳出削減だけでこの財政破綻から抜け出せるなんて、本気で考えているんだろうか。
もちろん歳出をガンガン切り詰めることは大前提になるんだけど、それに加えて大幅な増税をしないことには、プライマリーバランスなんか覚束ないのは素人の目にも明らかだ。
ってか、それでも多分ムリ。
政治を預かる立場の人たちは「ムリ」と言って投げ出すわけにもいかないから、一縷の望みをかけて最後の抵抗をしようとしている。
財政赤字は1分1秒ごとに急膨張を続けているわけで、一瞬でも早く対策を打たないと手遅れが確定してしまう。
歳出削減は結構だが、増税の手をこまねいているような余裕はどこにもないのだよ。
財務大臣でなくても、それぐらいのことは解るだろう。
お、中には解ってる人もいるようだね。
「消費税の議論をすると歳出削減の努力が緩むと考える人は、財政の深刻さを十分認識していない」=経済財政相だってさ。
ま、この人も、正論吐きすぎて出世できないんだけどね。