第2外国語への手引き5(『怪し』さん?『頭突き』さん?) | Prof_Hiroyukiの語学・検定・歴史談義

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<本記事を引用された場合、その旨を御連絡頂けると有り難いです。>

第2外国語以降としてローマ文字使用言語を学ぼうとする際に、


「どれだけ『ローマ字読み』と離れているのか?」


を調べる事も大事です。いずれの言語も英語よりは綴りと発音との差は激しくないはずですが、独自のルールのために固有名詞で不都合が生じます。(※スペイン語話者による『ジョ・ジョ・ヒ!』の件 もその一例です。)



(1)怪し?


私が中学生の頃だったと思います(注:本当は大学での第2外国語をフランス語にする積もりでした)が、ラジオのフランス語講座を通じてお世話になった方に「林田遼右(りょうすけ)」先生がいらっしゃいます。


よく「フランス語では私は『あやしだ』です」と。


この様に、"Hayashida"と書いてもフランス人にはh音は発音してもらえません。イタリア人・スペイン人など、ルーマニア語以外の「ロマンス語話者」についても同様です。



(2)頭突きさん?

ドイツ語では「s+母音」のsは濁ります。また、zは[ts]音です。

従って、Suzukiは「ズツキ」となります。鈴木先生ではなく、大学時代の近藤先生からの言でしたが。



さて、(1)はhの発音が出来ないフランス人に「ハヤシダ」と言わせる事が無理、(2)については語頭にサシスセソを発音させる表記は見当たりません。すなわち、「別の表記を使ってでも正確に発音させる」という事はあきらめるしかないと思っていたのですが・・・



(3)全国の林○様、鈴木様、悲観的な話ばかりではありませんよ!


'10/4/19深夜(4/20未明)放送分のNHK「テレビでイタリア語」の事でした。



林基就(はやし もとつぐ)さん(当該講座専任のワインセレクト)が2009年のイタリアでの「年間優秀ソムリエ」(東洋人初)を受賞されたシーンが有り、司会進行役が



「ハヤシ モトツグ!」



ほぼ正確かつ明瞭に発音されてされていた事に驚きました!決してアヤシくはありませんでした!

それから、直後の解説においても、イタリア人講座パートナー2人のh音が一応は出ていました。



イタリア人にとっては笑い声以外では出しにくい音のはず。でも、少なくとも「公式の場」では外国人への配慮・努力が成されて来ている様ですね。



イタリア語講座が林さんを選んだのって…わざと?という事も頭を過ぎりましたが、とにかく、

「『日本語のローマ字綴り』が学習している言語(但し、ローマ文字を使う言語)ではどう読めるのか?」


という事を積極的に考えてみるのは決して無駄ではありません。むしろ、初期学習においては予想以上に効果的なのではないかと思っています。