忙しいから解放される「時間の使い方」ステップ③ムダなタスクをやめる(決断する)後編 | 『7つの習慣®』認定コンサルタントが教える人生を輝かせる最高の時間術

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次に「決断」すべき「タスク」は、「第Ⅲ領域」です。
先程のプレイングマネージャーAさんの「第Ⅲ領域」は、次のようなものでした。

①    (不規則に)食事をとる                     7時間
②     (急な)部下からの相談に対応する                 5時間
③  部下から提出された日報をチェック・コメントする          3時間
④    スタッフからの電話やメールに対応する               2時間
⑤    会議の議事録を作成する                     2時間
⑥    意味のない会議に出席する                    2時間
⑦    内科で風邪の診察・処方をしてもらう                1時間

まず、「第Ⅲ領域」の「タスク」の特徴として、「ちょっといいですか」「とりあえずやっておいて」「念のためやっておいて」と、誰かに言われて発生する仕事が多いということを理解しておく必要があります。
Aさんの場合も、上司や部下に声を掛けられたことによって、発生してしまった「タスク」が多そうです。
このような事象に対して、ピーター・ドラッカー博士はこのように言っています。

「できる人は、『ノー』と言う。『これは自分の仕事ではない』と言えるのだ」

仕事のできる人は、「重要度」の高い「タスク」に集中しているものです。一見、「緊急度」が高そうな「タスク」でも、あなたにとって「重要度」の低い「タスク」は「決断する」必要があります。
ただ、上司から依頼された仕事について、いきなり「決断する」なんてことは提言できないという人もいるでしょう。
その場合は、「一旦やめて、様子を見ませんか」という提言の仕方をおススメします。そして、実際にやめてみてください。多くの場合、やめても仕事の結果には何ら影響がなかったことに気づくはずです。
「決断する」かどうか判断に迷ったときは、「このまま継続したときの悪影響」と「これを決断したときの悪影響」を比較してください。
しかし、「決断したときの悪影響」のほうが大きいということはまずありません。
ピーター・ドラッカー博士はこのようにも言っています。

「する必要のまったくない仕事、時間の浪費である仕事を見つけ、捨てなければ
ならない。すべての仕事について『まったくしなかったときに何が起こるか』を
考えればよい。『何も起こらない』が答えであるならば、その仕事は直ちにやめ
るべきである」

ただし、「決断する」ことだけを考える必要もありません。「タスク」の中には、その意味づけを変えれば、「第Ⅱ領域」にシフトさせることができるものも多いはずです。

一方、厄介なのが、「緊急」に見えているだけの「第Ⅲ領域」と「重要」に見えているだけの「第Ⅰ領域」の「タスク」です。
ピーター・ドラッカー博士は、

「もともとやるべきでなかったことを効率よくやることほど、非効率なことはない」

とも言っているのですが、「第Ⅰ領域」や「第Ⅲ領域」に分類した「タスク」の中に、「もともとやるべきではなかったこと」が含まれてしまうことはよくあります。
そこで、「第Ⅰ領域」と「第Ⅲ領域」に分類した「タスク」1つ1つに対して、「そもそもこのタスクをやることによって、どのようなことを解決(実現)したいのか」と自問自答することを「習慣」にしてみてください。
これによって、その「タスク」を遂行しなければならない真の「目的」に立ち返ることができます。

「目的」が再確認できたら、ゼロベースでその「目的」を達成するための手段を再検討していきます。結果として、その「タスク」が最適な解決策ではないことに気づくこともあるでしょう。そのときは、別の「タスク」に置き換えていくようにします。
また、行うことが目的化してしまった「タスク」についても、根本的に見直すべき対象となります。例えば、毎週行うことが目的化してしまっている面談や会議などがそれに該当します。

では、あなたが記入した「第Ⅰ領域」「第Ⅲ領域」の「タスク」について、

・根本的解決を図る最善の解決策と言えるか
・手段の目的化に陥っていないか

の観点で見直してみてください。
もし、その答えが「ノー」であれば、「決断する」か新たな「タスク」に置き換えていきましょう。

では、付箋紙に書き出した「第Ⅲ領域」と「第Ⅳ領域」の中で、あなたが「決断する」ことができた「タスク」を赤ペンで二重線を引いて消してしまいましょう。重要なことだけに囲まれて生きるために、あなた自身が「決断する」のです。
 

次回は探し物をする時間をなくすことについてお話します。

 

仕事ができる人の最高の時間術 (アスカビジネス)