さて。
前回、「下手だし」と親に言われてピアノをやめた話を書きましたが・・・(笑)
いま思うと、わたしがあのときピアノを習っていたのは、親への営業だったんだなーってことがわかります。
別にやりたいわけではないけど。
親が喜んでるし。
ていうか、やらせたがってるのがわかるし。
やりたくないわけでもないから、まっ、いいかー・・・くらいの気分で通っていたのでした。
でも。
お稽古ごとを親が決めるのが全部間違い!と言うつもりはありません。
わたしの場合は、練習するのが嫌で面倒で、結局ぜんぜん上達しなくてやめちゃったわけですが、
中には、同じようなスタートだったにも関わらず、ピアノが大好きになり、大人になってから音楽の道を選んだり、プロにはならないまでも音楽を一生の友達にすることができたりする人もいます。
別に、ピアノに限りません。
バイオリンでも、スポーツでも同じだと思います。
ここの違いはどこから来るのでしょうね?
わたしの場合は。
実はいろいろちょっと恵まれなかったんです。
まず、校区の違う町内にお教室がありました。
だから、レッスンに行くと、同じくらいの年の子はみんな知らない子たちで、知らない学校の話をしていました。
他の子たちは楽しそうにしてたけど、当時のわたしはひどく臆病で知らない子に話しかけることができなかったので、ずーっとひとりぼっち。
しかも、先生は、その、知らない子たちの誰か一人のママさんだったので、隣の校区から来てるわたしと何を話したらいいか、きっと困っていたんじゃないかと思います。
結果として、課題曲に「○」か「△(もう一度)」をつけて、その理由を説明するほかは、ほとんど口をきくこともなく。
結局、お教室へ行くと、「注意される」という事態以外では、ほとんど誰ともコミュニケーションが発生しないのです。
子ども同士でも、待合室で「ちょっとそこどいて」「席、代わってもらっていい?」とか言われるくらいのもので。
正直、すっごいつまんなかったですね。
・・・という状況では、どう考えたって、練習する気なんか起きるわけないのですわ。
さて。
いろんな先生方や指導者の方に伺うと、お稽古ごとは、子どもの成長段階に合わせて先生やお教室を選ぶことが大事なのだそうです。
幼児の頃は、
・子どもが好きな先生
・楽しさを教えてくれる先生
大きくなったら
・上達の喜びを教えてくれる先生。
・「できる」ことをしなかったとき、それでよしとしない先生。
つまり、素晴らしい指導者の方でも、小さい子の方が向いている先生、大きくなってからの方が向いている先生の2種類がいらっしゃるんだ、と思っておくといいかもです。
大人の目からは頼もしそうに見えたり、ちょっとイイ気分になるようなお教室でも
小さい子にことさらに厳しく当たって怯えさせる先生や、やたら難しいこと、できないことをしつこく何度も練習させる先生は、避けた方がいいってことですね。
特に、バレエやスポーツなど運動系のお稽古では、体の成長よりずっと先のものをやらせようとするお教室は危険かもしれません。
たとえば、トゥシューズはバレエっ子なら誰でも憧れではありますが、履いて良いのは足の骨が完成し、足と足首の筋肉や柔軟性が仕上がってからというのが理想です。
(国際ダンス医科学協会のレポートでは、目安の年齢は「12歳」とされています。)
5歳や6歳の頃からポアントを履かせてしまうと、骨の成長が阻害されるほか、体を支える筋肉が適切に成長することができず、大人になる前にバレエをあきらめなくてはならない事態に陥ってしまうかもしれません・・
子どもというのは大人と違います。
外見は立派に出来上がってるように見えても、内側にある骨や神経は、まだ未完成な状態なんです。
今はポアントのことを例に出しましたが、「じっと座っている」みたいなことひとつとっても、神経系がしっかり繋がっていなければできないことなわけですから、子どもに無理のない環境を用意してあげたいですよね
「這えば立て、立てば歩めの親心」と言います。
でも、子どもは、「いま」しかいないわけではなく、その先に何十年もの時間をもっている存在です。
ですから、その場の焦りや、周囲との比較や、親の(おじいちゃん・おばあちゃんのも)エゴに惑わされないように、子どものことは、その子のペースで進めていくようにするといいのじゃないでしょうか
・・・と、ハナシがずれちゃいました。
お稽古ごとの先生のことに、話を戻しますね。
上に書いた「成長段階に応じて」ということのほかに、お互い人間である以上、どうしたって「相性」というものがありますから、相性のいい先生を選ぶのが、続く秘訣だと思います。
大きな声でハキハキ元気な先生の方がテンション上がって楽しい子。
静かに優しく話しかけられた方が落ち着く子。
面白いことを言ってふざけてくれる先生が嬉しい子。
どの子も、間違っていません。
よそのお子さんは喜んで通ってるのに、なんでウチの子は・・・と思わないでくださいね
小さい頃のお稽古ごとで大事なのは、何よりもまず「楽しいな!」と子どもが感じることなのだそうです。
子どもっていうのは、好きなことならずーっとやっています。
楽しければ、やめなさいと言われてもやってます。
好きで、楽しくて、それをするのが嬉しいから何度も何度も繰り返してしまう。
お稽古ごとが、そういう「大好きなこと」が、子どもにとってひとつ増えるようなキッカケになるとステキなんじゃないでしょうか。
お稽古に行くのが、お子さんにもママにも楽しみな時間になるといいなあと願っています。