釉薬 | レースドール @ アトリエ・プレシューズ

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レースドールは本体だけでなく衣装も飾りも全て磁器(ポーセリン)
レースドール教室を主宰する西尾貴未のブログ

 
 
磁器の一般的な焼成方法はというと、
 
①素焼き…900℃程度
②本焼き…1200〜1300℃
 
そもそも、本焼き(釉薬を塗布してから)
 
と呼ぶことから、これで一人前の磁器に
 
なるとも言えましょう。
 
ガラスのように艶めく磁器の表面は
 
釉薬なくしては成り立ちません。
 
 
 
さて、では、
 
レースドールの焼成の方法は??
 
 
 
レースドールでは
 
「焼き締め」と言う素焼きを行い、
 
それから低温釉薬を塗布します。
 
もちろん透明釉。
 
①素焼き…1200〜50℃(土の指定温度)
②本焼き…1000℃
 
前述の『一般的』方法では
 
レースに染み込ませた磁器土は
 
900℃程度の素焼き状態では
 
物理的に持ちこたえられません。
 
そこで、まず素焼きの段階で
 
磁器土を焼き固めます。
 
そして、本来なら高温でなければ
 
融解しない釉薬をこの様式に合うよう
 
特殊な釉薬で施釉。
 
実のところ、
 
1000℃という温度は磁器の釉薬に含む
 
成分を融解するには低すぎるのです。
 
特殊加工することで、レースドールの
 
特殊磁器に合う釉薬になります。
 
結果、非常に非常に高価な釉薬を
 
用いることになります。
 
磁器陶芸の『一般的』方法とはコストの
 
面でも大きく違います。
 
されど、侮れない釉薬。
 
やはり磁器の命ですからね。
 
 
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本日のレッスンでも釉薬塗りをして
 
いた生徒がいました。
 
しかも、特別な役割を担って。
 
ただ塗れば良いと思われがちな釉薬
 
実はそれなりに技術は必要です。
 
侮られやすい釉薬塗りですが、
 
私は私なりの知識と技術で大切なことを
 
生徒に伝えたいと思っています。
 
釉薬をうまく利用することで、
 
新たな表現も可能になります。
 
釉薬は大切です。