磁器の一般的な焼成方法はというと、
①素焼き…900℃程度
②本焼き…1200〜1300℃
そもそも、本焼き(釉薬を塗布してから)
と呼ぶことから、これで一人前の磁器に
なるとも言えましょう。
ガラスのように艶めく磁器の表面は
釉薬なくしては成り立ちません。
さて、では、
レースドールの焼成の方法は??
レースドールでは
「焼き締め」と言う素焼きを行い、
それから低温釉薬を塗布します。
もちろん透明釉。
①素焼き…1200〜50℃(土の指定温度)
②本焼き…1000℃
前述の『一般的』方法では
レースに染み込ませた磁器土は
900℃程度の素焼き状態では
物理的に持ちこたえられません。
そこで、まず素焼きの段階で
磁器土を焼き固めます。
そして、本来なら高温でなければ
融解しない釉薬をこの様式に合うよう
特殊な釉薬で施釉。
実のところ、
1000℃という温度は磁器の釉薬に含む
成分を融解するには低すぎるのです。
特殊加工することで、レースドールの
特殊磁器に合う釉薬になります。
結果、非常に非常に高価な釉薬を
用いることになります。
磁器陶芸の『一般的』方法とはコストの
面でも大きく違います。
されど、侮れない釉薬。
やはり磁器の命ですからね。
本日のレッスンでも釉薬塗りをして
いた生徒がいました。
しかも、特別な役割を担って。
ただ塗れば良いと思われがちな釉薬
実はそれなりに技術は必要です。
侮られやすい釉薬塗りですが、
私は私なりの知識と技術で大切なことを
生徒に伝えたいと思っています。
釉薬をうまく利用することで、
新たな表現も可能になります。
釉薬は大切です。