日米開戦はルーズベルトとスターリン、蒋介石の謀略だった | MATTのブログ ~ 政治・経済・国際ニュース評論、古代史、言語史など ~

MATTのブログ ~ 政治・経済・国際ニュース評論、古代史、言語史など ~

元新聞記者。 アメリカと日本を中心にニュース分析などを執筆します。

ハーバート・フーバー第31代米国大統領の自伝『裏切られた自由(Freedom Betrayed)』によると、フーバーは1946年に来日し、ダグラス・マッカーサー大将に「日本との戦争のすべては戦争に入りたいという狂人(フランクリン・ルーズベルト第32代大統領)の欲望であった」と語り、これに対してマッカーサーは同意したという。

               

             ハーバート・フーバー第31代大統領

 

「自殺行為になると分かっていても日本が戦争せざるを得ない状況に(金融制裁で)追い込んだのだ。品格を重んじる国であれば我慢できることではなかった」と続けると、これにもマッカーサーは同意した(藤井厳喜『太平洋戦争の大嘘』)。

 

フーバーは、左傾化したルーズベルトとスターリンが秘密裡に共謀して日本を戦争に追い込んだと指摘し、ルーズベルトを厳しく批判している。また、ソ連(コミンテルン)のスパイがホワイトハウスに執務するルーズベルトの傍らに数多くいたこと、ソ連に親近感を持つルーズベルトが実は満州をソ連に差し出したかったこと、中国国民党・蒋介石の妻が日本の悪行の数々を捏造し、ルーズベルトら米国政治家に対して金をじゃぶじゃぶにばらまくロビー活動を行ってこれが功を奏したこと、日本による和平提案は欧米列強の望みをほとんどのんだ、かなり下手に出たものであったが、ルーズベルトがこれをことごとく却下したことを暴露している。

 

つまり太平洋戦争は十二分に避け得たのであり、ルーズベルトは、多くの米国兵の無用の血を流させないために開戦すべきではなかったのである。フーバーは、ルーズベルトの中国における権益欲、日本の中国大陸における権益への嫉妬が開戦の動機であったこと、権益の分配は交渉を通じて十分可能だったことも示唆している。さらに、ソ連(コミンテルン)と中国が日米開戦を目指してルーズベルトの裏で糸を引いていたことが、如実に語られている。

 

この自伝は2011年まで50年以上も公開が見送られていた。それはなぜか。米国にとって、非常に都合の悪い真実が書かれていたためであろう。 また、〝悪辣な″日本に対する正義の戦争を戦ったルーズベルト礼賛の米国世論の中、とても出版する空気ではなかったことが考えられる。

 

さらに、ルーズベルトが日本との開戦に誘導した背景には、彼の人種偏見があったことについても触れなければならない。駐米イギリス公使ロナルド・キャンベルとの私的な会話で、ルーズベルトは、スミソニアン博物館の研究者による「日本人の頭蓋骨は、米国人のものより約2000年、発達が遅れている」という見解を紹介したうえで、「人種間の差異を重視し、人種交配によって文明が進歩する」などと語り、「インド系やユーラシア系とアジア人種、欧州人とアジア人種を交配させるべきだ。だが日本人は除外する」、「日本人が戦争で敗北した後は、ほかの人種との結婚をあらゆる手段を用いて奨励すべきである」などとキャンベルに語ったという。ルーズベルトは日本人を、中国人や朝鮮人と区別し、とりわけ劣った民族であるとみなしていたようだ。さらに、人間を大量殺傷できる原子爆弾開発の話を聞いたとき、日本に対して使用することを想定し、大喜びしたという。

 

このような自らの人種的偏見を背景に、対日開戦から間もなく、妻エレノアの反対を押し切って、ナチスによるユダヤ人強制収容にも似た、日系米国人に対する強制収容所収容政策を開始し、日系人の自由を束縛するとともに、全財産を没収してしまった。一方で、同様に敵国であったドイツ系やイタリア系の米国人に対してはこのような収容政策をまったく採用しなかった。

 

ついでに言えば、日本が真珠湾を攻撃したとのニュースを聞き、スターリンや蒋介石が大喜びしたのは当たり前であるが、チャーチルも「これで米国を欧州における対独戦に引き込める」と狂喜したと伝えられている。

 

戦後70年以上が経過し、歴史ががらがらと塗り替わりつつある。事実は事実だ。イデオロギーの問題ではない。少なくとも、日本の歴史教科書が一刻も早く、正しく修正されることを願うばかりだ。

 

                   

Hervart Hoover, Freedom Betrayed
https://www.amazon.com/Freedom-Betrayed-Herbe…/…/ref=sr_1_1…