欧米と日本で異なる「コミュ力」の意味 | MATTのブログ ~ 政治・経済・国際ニュース評論、古代史、言語史など ~

MATTのブログ ~ 政治・経済・国際ニュース評論、古代史、言語史など ~

元新聞記者。 アメリカと日本を中心にニュース分析などを執筆します。

 日本で「コミュ力」(コミュニケーション力)という言葉が注目されており、それ自体は悪くないことですが、「コミュニケーション」という言葉の意味が欧米と日本ではやや異なることを日本人は知っておくべきと思います。

面接




 「コミュニケーション」は、欧米では「情報や意味を伝達する行為」を指しますが、日本では「言われなくても相手が思っていることを察する力」や「角が立たない滑らかなものの言い方」「組織やチームへの協調性」といったニュアンスで使われることが多いのではないでしょうか。


 欧米で「コミュニケ―ション力」(communication skills) と言う場合、「明確に説得力と信頼性を持って相手に伝えられる力」のことであり、これは通常日本で使われる意味とは異なります。欧米の「コミュニケーション」という言葉には「表現しなくても分かってくれる」などという概念は含まれません。


 したがって、欧米の企業も日本の企業も「コミュニケーション力の高い社員がほしい」と言うことがありますが、その意味するところは同じではないのです。