身体のため、フィットネスとしてのポーズから

ヨガの世界に入った私たちにとって

一番とっつきやすいのが

実践的な内容中心の第2章です。


「ヨーガ・スートラ」が 時代を経て

今の形に整ってきた歴史に照らしあわせて、

おそらく一番古い部分であると考えられるが、

今回取り上げる

「アシュタンガ・ヨガ」の記述です。


どんなスタイルのヨガをしていても、

基本中の基本といえる実践方法を、

今日は自分なりに解説してみます。


ちなみに、日本で大人気という、

パタビ・ジョイス氏の始めたアシュタンガ・ヨーガと混乱なさらぬように。


サンスクリット語では


「アシュタ」 =”数字の8” 

「アンガ」 =”手足、肢” 


8本の手足 (まるでクモのよう?!)のように、

8つの部門がお互い助け合って、

ヨーガのゴールへと導いてくれるという教えです。

  

「ヨーガ・スートラ」の2章28節と29節が、

実際の アシュタンガ の記述にあたり、

その後2章の残り全部と3章3節までが、

8部門を詳しく説明する内容となります。



ヨーガの諸部門を修行していくにつれて、

しだいに心のけがれが消えてゆき、

それに応じて英智の光が輝きを増し、

終には弁別智が現われる。

 【YS 2:28】


ヨーガは次の8部門から成る。

――禁戒、勘戒、坐法、調気、制感、凝念、静慮、三昧。

 【YS 2:29】



この8部門は、

一般的に「八支則」と書かれることが多いのですが、

個人的には語源を尊重して「八肢則」と表記しています。



そして内容的には、

外側から内側へと深くなっていきます。


しかし、実際には

1番目ができたら次へというような

階段状のステップではないという点を、

指摘したいと思います。


たとえていえば、

ちょうど手足がすべて大切であるように、

8つの実践方法を日常生活のなか、

できる範囲内で同時進行で行うことができればベストです。



それぞれヤマ・ニヤマとセットにされる禁戒&勘戒が

日常生活で ”しないほうが良いこと”&”したほうが良いこと” 


つまり、行為に関することが、第1&2部門。



3番目の坐法はご存知、

アーサナといわれるポーズです。


4番目の調気とは、

呼吸法でもあるプラーナーヤマ


5番目の制感は、

サンスクリット語ではプラティハーラといい、

感覚をコントロールし、心の動きを鎮める方法。


ここから8番目までが、

いわゆる瞑想の領域に入っていきます。


6番目の凝念または集中はダーラナ

一つのことに意識を集中させて

ほかの想念に心が揺れないようにする方法。


そのうちの一つのテクニックを、

先日のワークショップの報告として、アップしました。

 ↓

アジャパ・ダーラナ のワークショップについて は こちら



7番目の静慮(じょうりょ)は

ディアナ、つまり瞑想のこと。


「禅」という言葉の元になったのが、

この言葉の中国訳の「禅那 ぜんな」だそう。


そして8番目の三昧はサマディで、

ヨーガの究極の目的、ゴールであるともいわれています。



今日はまず、概要を。


今後、ぼちぼちと、

それぞれの実践方法について書いていきます。



【ヨーガ・スートラ】 INDEX 



文中の翻訳は、

佐保田鶴治 著 

解説ヨーガ・スートラ 」による