静岡エコパアリーナの音質傾向を分析(?!・苦笑) 『JPN』・静岡公演のマニアックな話題はいかが | 音楽三昧 ・・・ Perfumeとcapsuleの世界

静岡エコパアリーナの音質傾向を分析(?!・苦笑) 『JPN』・静岡公演のマニアックな話題はいかが

花粉症の症状が治まっていないのに(笑)、今日は仕事関連でかなり神経を使う仕事があった。





その仕事自体は基本的には他の者に任せているのだが、先方はその担当者を完全に舐めているようで、説明が二転三転するため、その先方を信頼して仕事が出来ないという報告を受ける。






そこで今日の打ち合わせで、オレはオブザーバー的役割で、その担当者に同行した。







当然、具体的に内容に関しては書けないが、最初は先方と我々側の担当者だけで話をさせ、オレはその話の展開を分析していた。


要するに先方は口先では都合の良いロジックを並べ立て、我々側をうまく丸め込み、話の主導権を握りたいというタイプなのだろうなぁ・・・  と、オレには感じられた。


それで後で確認を取ると「そんなことは言っていない」という話になるのだろう。だから話が二転三転する(苦笑)。



そこでオレはおもむろにボイス・レコーダーを取り出して、







「この会話を録音してもよろしいか・・・」







と初めて発言すると、事態の流れが急変した(苦笑)・・・・  上手くいった。

今日のこの話はオレにとっては考えさせられるものがあった。







狡猾に、上手に世間を渡り歩いていくほうが、もしかすると "お得で、有利で・・・楽しい人生" を歩めるかもしれない。 




しかしそのやり方とその生き方は・・・・ そういう人を見ても、オレは全く尊敬できない。


そして、そのやり方とその生き方は全然オレらしくない。







オレは堅苦しく、融通の利かない不器用な男だ。 それでいろいろ失敗もしたが・・・・ それでも、その不器用さを貫くほうが、オレらしいか・・・ (苦笑)。







そして・・・ 今日も、長文で不器用なエントリーを書くとする(笑)。
















オレが参戦した"Perfume 3rd Tour 「JPN」"の静岡公演。アリーナ席ではなかったものの一応、退場の際にスタンドからPAブース付近に近づいて音響関連の機材観察は実施してきた(苦笑)。






まぁ、音響関連の機材に関しては、PerfumeのLiveのPA全般を担当している村田孝氏や佐々ふみ氏が所属する "MSI JAPAN" から、既にこのTourで用いられているメインのPAシステムは公式に明らかにされている。




要するにこの『JPN』Tourで用いられているメインのシステムはどの会場でもほぼ同じものを用いているということだ。

ということは当然、オレが参加した埼玉公演と名古屋公演、そして今回の静岡公演は同一の機材である。したがって埼玉公演を取り上げたこのBLOGのエントリーにおいて音響関連の機材の話は既に実施しているため、このエントリーのニーズは少ないかもしれないが・・・・・(苦笑)。





まぁ、このBLOGは備忘録でもあるし、静岡エコパアリーナの会場の音質的傾向も書きたいというのもあって、機材に関しても念のために書いておくこととする。








それで静岡エコパアリーナの会場の形状や構造と、その音質的傾向はこのエントリーの後半になるので、その部分に興味をお持ちの方々はスクロールしていただいてお読み頂きたいと思う。







ただし今公演の音質的感想は、あくまでもオレが参戦したスタンドの西13列目であり、会場全体がそのように聴こえたわけではないと思うので、その辺はご理解いただきたい。












○スピーカー関連


メインがステージ正面の両サイドに2本リギングされていた。またメインの隣に両翼のオーディエンスのカバレッジ(対象範囲)を確保するためのサブ・スピーカーがリギングされているのも視認している。そしてSub-Wがステージ脇の両サイドにグランドスタックされているのも確認している。 


ただし埼玉公演のようにセンターステージから張出した左右のサブステージの直上にリギングされていたディレイスピーカーは、静岡公演では設置されていなかった。






PAスピーカーシステムは、もういうまでもないかもしれないが、このBLOGを訪れる方々にはおなじみのL-ACOUSTICS社の「V-DOSC」で、線音源方式のいわゆる『ラインアレイスピーカー』であり、埼玉公演や名古屋公演と同じものだ。






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この「V-DOSC」というPAスピーカー・システムは『Perfume LIVE @東京ドーム(2010年)』や『直角二等辺三角形TOUR(2009年)』でも用いられた、いわば"Perfume御用達のPAスピーカー・システム" と言っても過言ではないだろう(笑)。














○コンソール関連


F.O.H用ミキシング・コンソールはイギリスの老舗の最高級ミキシング・コンソールのメーカーである "MIDAS社" 『XL4』を用いていた。これも埼玉公演や名古屋公演と同じものだ。





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 *MIDAS社の『XL4』





このコンソールは『代々木Live(2009年)』、『⊿TOUR(2009年)』に採用されていたものと同じであり、おそらく東京ドームLive(2010年)にも用いられたと思われる。




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*代々木Live時のミキシング・コンソール

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*⊿TOURの横浜アリーナ追加公演最終日のミキシング・コンソール




ちなみに "MIDAS" のロゴを見るだけで、音響マニアは涎が出るだろうなぁー(笑)。"MIDAS"のミキシング・コンソールはアナログ・コンソールとしては最高峰と言われている。







また、これも埼玉公演や名古屋公演でも視認している
"青白く光るインタフェイス" でおなじみの、DOLBY社の「Lake Processor」も確認した。



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 *DOLBY社の「Lake Processor」


スタンドの角度から見ると、そのラックの中には「Lake Processor」が6~8台前後格納されており、すべてが起動状態だった。



これを用いて、タイムアライメントなどの音響管理を担当していたと考えられる。





また長々と書いてしまったが・・・・ 今公演も埼玉公演や名古屋公演とその機材構成においては、大きな変更はない















○今公演の会場の構造とその音響傾向



静岡エコパアリーナは元々はスポーツイベントを想定した体育館であり、正直オレは音質の期待はできないかなぁーと思い込んでいた。それで当日、静岡エコパアリーナの外観を確認してみる。




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 * 静岡エコパアリーナの外観



このように天井はアーチ形状。したがって天井が高いのかと思いきや、入場して天井を見ると意外と低い。これはリバーブ(残響音)が少なくなることが期待できる。



それで天井材を確認すると、一区画が梯子状になっており、吸音効果を備えているシステム天井材が施工されていた。このタイプの吸音システム天井材は横浜アリーナにおいても施工されていることを確認している。




また側壁にも同じような吸音効果を持つ、壁面材が使われていた。しかし梯子状のものなのか、格子状、あるいは丸孔のタイプかは視認できなかった(HPの画像で確認すると、丸孔のタイプではなさそうだ)。



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 * 静岡エコパアリーナ内部(公式HPより)




したがって、開演前から音質への期待が高まっていった。





それで帰宅して静岡エコパアリーナについて調べてみると、音響に最新技術を投入した、かなり音響重視の会場であることが分かった。その音響特性は "リバーブが1.5秒" という極めて短い値を達成しており、音響的に優れたものとなっている。これは日本ガイシホールの "2秒" を上回る結果でもある。


ちなみにこのリバーブの0.5秒の差だが、一般的に考えれば僅かな差に感じられるかもしれない。しかし音響的にリバーブの影響は "ミリ秒(ms)" 単位で左右されるので "0.5秒 = 500ミリ秒" となり、この差が響きに大きな影響を与えることは想像に難くないだろう。






今回の静岡公演のオレの座席はスタンドの西13列目で、これは名古屋公演のスタンドのJブロック2列目とほぼ同じような位置関係となったため、今回のルーム・アコースティックの比較対象を日本ガイシホールと考えて検討してみた。





それで、まずその一つ目は日本ガイシホールよりも静岡エコパアリーナのほうが、リバーブがかなり少なく感じたということだ。これはオーディエンスの拍手や手拍子などで顕著に感じられ、特筆すべきことだと思う。






それで、日本ガイシホールの問題点としてはスタンドのJブロックにおいては、メインのラインアレイスピーカーから放出された音波が対面の壁に反射して、かなり遅れて聴こえるというのを以前のエントリーで書いた。



要するに日本ガイシホールのスタンド・Jブロックにおいては、サブののラインアレイスピーカーの直接音が左耳に飛び込んできて、一方、壁に反射して、かなり遅れて帰ってきた音波(一拍前後の遅れに感じた)を右耳で聴くという・・・・ 音質・音響的にはかなり気持ち悪い状況だった。





しかし、静岡エコパアリーナでは反射音がかなり抑えられており、その辺においてもオレはかなり好印象に感じた。その理由としてはメインのラインアレイスピーカーの対面の壁には、ほぼ全然に黒幕が張られており、反射音対策が徹底されていたということが効いているのかも知れない(名古屋公演・二日目においては黒幕はある限定された部分にしか張られていなかった)。





低音域は日本ガイシホールはその質感がboomy傾向でオレの好みではなく、少し残念に感じた。




静岡エコパアリーナではダンピングの効いた締まった歯切れの良い低音域が展開された。ダンピングを効かせると "量感が物足りなくなる" ところだが、その量感は圧倒的で非常にバランスの取れた低音域だと感じた。





そして「V-DOSC」が本来持っている緻密かつ密度の濃い、質感の高い低音域が十分楽しめた。







しかし、良い点ばかりかと言えば問題点もあった。まず500Hz~800Hz前後である中音域の歪み感(音割れ)だ。参戦された方ならお分かりかもしれないが、静岡公演の生ボーカルの音圧はいつもよりも大きく感じたと思う。


それから推測すると、マイクのゲインとフェーダーなどの入力が釣合ってなかったことが考えられる。この音域は女性ボーカルの骨格を形成する非常に重要な音域なので、この歪み感はかなり気になってしまった。




しかし、この歪み感は会場の問題というよりかはセッティングの問題だろう。1日しかない公演は一発勝負的な側面があるので、致し方ないところか。




オレの座席が名古屋公演と静岡公演がほぼ同じ位置というのもあるので、座席の位置による影響は排除される。またこのTourでは同一の機材を使用しているため、機材の音質の差も排除される。あとは会場の音質的傾向の差だろう。





"メインステージ近いスタンド席での音質" と限定して考えれば、オレの主観だと日本ガイシホールよりも、静岡エコパアリーナのほうが音質的に優秀だと思った。





リバーブも日本ガイシホールよりも、静岡エコパアリーナのほうが短いというデータからすると音質のコントロールしやすいと思う。







これ包括的に考えると・・・・ もしかすると日本ガイシホールよりも静岡エコパアリーナのほうが音質的には良い箱かもなぁー・・・。









ちなみに、







日本ガイシホール ・・・ アリーナ面積3,646m²(49.4m×84.4m)・最大収容人数1万人(固定席5,000席)

静岡エコパアリーナ ・・・ アリーナ面積4,165m²(85m×49m)・最大収容人数1万人(固定席4,832席)







と、ほぼ同様の仕様。音質的に考えれば、今後、中京・東海地区Liveを展開するなら "静岡エコパアリーナ・2days"、"日本ガイシホール・1day" という選択肢もアリなんじゃないかと思った。





ただなぁー・・・ 名古屋はPerfumeにとってのある意味故郷でもあるし、静岡は会場を埋めるのが大変ってことか・・・(苦笑)





ただ、今回の静岡公演では関東・東海・中京とさまざまな地域から集客されたと思う。特に関東から近いという意味では、意外と関東から遠征しやすいし・・・ Tourのスケジュールの組み方で十分埋まるのではないかと感じたが・・・・。







どちらにせよ "静岡エコパアリーナ" ・・・・ いい箱だと思った。






今度またここでLiveがあるなら、遠征してもでも行きたいと思った会場だった。










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