★1955年1月にデビューした初代クラウンは8年近くに亘り生産されたのち、1962年(昭和37年)10月(発表は9月21日)に初のフルモデルチェンジを受けて2代目クラウン(40系)となった。
エクステリア・デザインは時流に沿って低く長くなりクラウン初の4灯ヘッドライト採用と併せて大幅にモダナイズされた。ホイールベースを160mm、全長は200mm延長され、全高は一気に70mmも低められた。フレームは初代の梯子型ラダーを重心の低いX型に変えモノコック・ボディをゴムマウント結合として静粛性も高められた。デザインは当時のフォード系に近いシンプルかつ時流に沿ったもので、フロントグリルはトヨタのイニシャル「T」を図案化したものとなっていた。デラックス(RS41型)では前後コイルスプリング、タクシー用途を考慮したスタンダード(RS40型)はリアスプリング5枚リーフとされ、エンジンは初代末期のデラックス(RS31型)用3R型90馬力とスタンダード(RS30型)用80馬力が同グレードにそのまま継承された。
★1963年9月、初めてのマイナーチェンジでフロントグリルのT字の下辺が広がり、最初期型では所謂涙目と言われるテールライト下に一体化していたバックライトがリアパネル内に移された。また3速マニュアルがフルシンクロ化されオートマチック「トヨグライド」が完全自動となった上で全車種にオプションとなった。
★1965年7月、2度目のマイナーチェンジでフロントグリルパターンが少々豪華な印象のデザインとなり、テールライトはそれまでのアイデンティティであった丸型を横型に変更した。同時にデラックスとスタンダードの中間グレードとしてオーナースペシャルが設定された。同年10月にはOHC6気筒M型105馬力搭載のデラックス車と125馬力・フロアシフト・セパレートシートのスポーティーグレード「S」をラインナップに加えた。この時点でクラウンは1900ccOHVと2000ccOHCの2種のエンジン、マニュアルとオートマ「トヨグライド」、ベンチとセパレートのシート、ボディ塗装色を掛け合わせたバリエーションは実に322種類となり日本車初のワイドバリエーション化が為された。トヨタは顧客のどのような注文でも短期間で納車するため、受注から生産までのシステムを大きく見直し、「如何なる仕様であっても受注後1ヶ月以内に納車する」と発表して話題となった。
★1966年(昭和41年)10月、3度目のマイナーチェンジでフロントグリルパターンが特に上位車種で複雑豪華、悪く言えばゴテゴテとオーバーデコレートされたものとなり、最上級グレード「スーパー・デラックス」を追加。翌1967年(昭和42年)5月、スポーティーグレード「S」にトヨグライド仕様を追加したのち、同年9月に3代目50系クラウンにバトンを渡して約5年のモデルライフを終えた。
★私にとって2代目クラウンは 3才~8歳という年齢の子供だった頃に生産され街でよく見かけた一番懐かしいクラウン。特に丸型テールライトの前期(1963年~1964年式)の造型には懐かしさで胸がキュンとしてしまう。2代目クラウンには同時期の横目のセドリック、S4グロリア以上にタクシーとして乗った機会も多かった気がする。ライバル達よりプレーンで飽きのこないデザインはデビューから半世紀を経た現在でも新鮮に見える。
※2代目クラウンの営業車(タクシー)については、本シリーズ第1回目の記事をご参照ください。
【主要スペック】 1963年トヨペット クラウン デラックス(RS41型)
全長4610mm・全幅1695mm・全高1460mm ・ホイールベース2690mm・車重1265㎏・3R型 水冷 直列4気筒OHV1897ccエンジン・最高出力90ps/5000rpm・最大トルク14.5kgm/3400rpm・乗車定員6名・最高速140km/h・販売価格105万円
●1962年10月発行 第9回東京モーターショー配布 トヨタ自動車パンフレット(26×31cm・6つ折)
●1962年9月発行 トヨペット クラウン デラックス/マスターライン 発表会案内状 (18×13cm・4つ折)
●1962年10月発行 トヨペット クラウン デラックス RS41型 本カタログ (26×30cm・20頁)
裏面印字ナンバー: C-41
※中頁から
ガソリン給油口はリアナンバーの内側
※スペック掲載頁
●1962年10月発行 トヨペット クラウン RS40型 本カタログ (A4判・12頁)
裏面印字ナンバー: C-40
※中頁から
●1963年6月発行? トヨペット クラウン デラックス&スタンダード 本カタログ (26×30cm・20頁)
裏面印字ナンバー: T-54
※中頁から
ボディカラーはデラックスが黒・濃青・ベージュ・グレイ・マルーン・オリーブの6色、スタンダードが黒・暗青・淡青・海老茶・グレイの5色
●1963年9月発行 トヨペット クラウン デラックス&スタンダード 本カタログ (26×30cm・20頁)
裏面印字ナンバー: T-75
初めてのマイナーチェンジ
※中頁から
●1964年4月発行? トヨペット クラウン デラックス&スタンダード 本カタログ (26×30cm・20頁)
裏面印字ナンバー: TAC43-15
※中頁から
●1964年9月発行? トヨペット クラウン デラックス&スタンダード 本カタログ (26×34cm・24頁)
裏面印字ナンバー: 10001
このカタログから大判に変更
※中頁から
●1964年12月発行? トヨペット クラウン デラックス&スタンダード トヨグライド専用 本カタログ (26×34cm・16頁)
裏面印字ナンバー: 10023
※中頁から
●1965年7月発行 トヨペット クラウン セダン総合 本カタログ (26×34cm・24頁)
裏面印字ナンバー: 10031
2回目のマイナーチェンジ
※中頁から
オーナースペシャルを追加
●1965年11月発行 トヨペット クラウン デラックス 6気筒 専用カタログ (25×32cm・2つ折)
裏面印字ナンバー: 10036
2000ccOHC・6気筒を追加
※中頁から
●1965年11月発行 トヨペット クラウン デラックス S 専用カタログ (25×32cm・4つ折)
裏面印字ナンバー: 10037
2000ccOHC・6気筒125馬力のスポーティーグレード「S」を追加
※中頁から
●1966年3月発行 トヨペット クラウン セダン総合 本カタログ (26×34cm・24頁+α)
裏面印字ナンバー: 10044
※中頁から
ワイドバリエーション
●1966年11月発行 トヨペット クラウン セダン総合 本カタログ (26×34cm・28頁)
裏面印字ナンバー: 10051
3回目のマイナーチェンジ・スーパーデラックスを追加
※中頁から
●1967年5月発行 トヨペット クラウン 総合 本カタログ (26×34cm・28頁)
裏面印字ナンバー: 印字なし
Sグレードにトヨグライド追加。カタログにカスタム(ワゴン)を収載。
※中頁から
★オマケ(その1): バンダイ 1/17スケール 1963年トヨペット クラウン デラックス RS41型
当時定価: 都内350円・全国380円
★オマケ(その2): アサヒ玩具 1/17スケール 1963年トヨペット クラウン デラックス RS41型
品番3618・当時定価: 全国300円
★オマケ(その3): モデルペット20番 1/42スケール 1963年+1964年トヨペット クラウン デラックス R41型
右の黒1963年式、左のベージュ1964年式
★オマケ(その4): 大盛屋 チェリカフェニックス26番 1/40スケール 1963年+1964年トヨペット クラウン デラックス RS41型
右の黒1963年式、左の緑青メタ1964年式(大盛屋の金型を引き継いだダイヤペット121番)
★オマケ(その5): 三共ポリマー 1/25スケール 1964年 トヨペット クラウン デラックス RS41型 プラモデル
初版は1963年式
★オマケ(その6): 2代目クラウン テレビCM集
3分5秒位から大平元首相、7分前後に富士山頂のクラウン