新しい人生のはじめかた-★★★- | not simple.

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あるときはさすらいの本読み、あるときはジャンル無用の映画好き、またあるときは、B級グルメの備忘録

not simple.-新しい人生のはじめかた
(C) 2008 OVERTURE FILMS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
英題: LAST CHANCE HARVEY
製作年: 2008年
製作国: イギリス
日本公開: 2010年2月6日
上映時間: 1時間33分
配給: クロックワークス
カラー/シネマスコープサイズ/ドルビーデジタル/DTS/SDDS
公式サイト

監督・脚本: ジョエル・ホプキンス
製作: ティム・ペレル / ニコラ・アズボーン
キャスト:ダスティン・ホフマン、エマ・トンプソン、アイリーン・アトキンス、キャシー・ベイカー



ニューヨークのCM作曲家ハーヴェイ(ダスティン・ホフマン)は、離婚後別居していた娘(リアン・バラバン)の結婚式に出席するためロンドンに飛ぶ。だが、仕事で頭がいっぱいの彼は披露宴を辞退して帰国しようとするが、飛行機に乗り遅れてしまう。やけ酒を飲みに入った空港のバーで、ハーヴェイは偶然ケイト(エマ・トンプソン)と出会い……。
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今年の46本目です。

寂しいって気持ちは誰でもありますよね。
寂しくて寂しくて、でも少し哀しくて、そんな気持ちを抱えながら年を取ってしまった。
そんな男女が出会うお話ですね。

リストラされそうな新鮮味のないCM作曲家ハーヴェイが離婚した後、疎遠になってしまった娘の結婚式に出るためにアメリカからイギリスへやってきます。
離婚して久しいというのもあり、居場所がない。

しかも、娘にはバージンロードを母の再婚相手と歩きたいといわれてしまう。
もう完全にいじけちゃうわけですよ。
翌日の結婚式は出るけど、披露宴は出ないで大急ぎで帰ることにするのですが、飛行機にうまく乗れず、しかも会社に電話したら、ついにリストラを言い渡されてしまい、「俺どうやって生きてけばいいのよ?」状態。

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そんなときに、ロンドンに到着したときにちょっと冷たくしてしまった職員ケイトに気がつきはなしかける。
ケイトはケイトで、病気でちょっと強迫観念の強い母親を抱えた独身の女性。
同僚に男を紹介されても、すごく年下だったりして、自分の女としての賞味期限を感じさせられたり、そういうエピソードがハーヴェイとの再会のシーンまでの間に描かれるわけです。

この寂しい二人組がなんとなく話をするということで、だんだん近寄っていくわけです。

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で。ケイトと話しているうちに今日が娘の披露宴だということを話してしまう。
ケイトは娘をちゃんと祝福するべきだということを伝えて、ハーヴェイを披露宴会場に行くべきだと説得すると、ハーヴェイは勇気を出すわけですよ。
この川べりのデートシーンはほのぼのしていて自然な演技ですごく素敵です。

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一人で行くのはいやだというハーヴェイの説得に負ける形で、いっしょに披露宴会場へ。
父親のスピーチ部分を義父から奪い取り、自分が如何に愚かで、家族を大事にしなかったか。
それでも娘が自分の幸せを掴み取ったこと。
それが誇らしい。そして彼女を支えている母親や義父、そして彼女の夫になる男に対しての感謝を伝えるハーヴェイ。

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その後、娘とのダンスと、本当にこのあたりの離れてしまった家族たちが気持ちを通わすシークエンスは自然でよかったですね。
ただ、その中で一人ぽつんとしてしまうケイト。
ココにもやはり寂しい大人がw
彼女は幸せそうに踊るハーヴェイに視線を残して帰ろうと立ち上がります。

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もちろん、ハーヴェイは気がついて彼女を引き止めるために、会場の人気のない部屋にあったピアノを弾き始めます。ピアノの音に吸い寄せられるように戻ってくるケイト。
ハーヴェイはケイトと出会ったことや、娘の結婚式で気がついた誰かといっしょにいる幸せについて気がついたか、重要だということをかみ締めたんじゃないかなーと思います。

この後の彼の行動がもう、がむしゃらな感じがします。
臆病なケイトに有無を言わさないように畳み掛けていこうとしますが、もちろんこの後も問題が発生というか行き違いが発生というか。

ただ非常に良質な映画だなーと思いますね。
ケイトの強迫観念のすごい母親のエピソードもなかなかほっこりしたエピソードが用意されていて丁寧な映画を久々に観た感じがします。

ダスティン・ホフマンって「アガサ 愛の失踪事件」が妙に印象的なのですが、今回もそれに近い印象を受けましたね。

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