ストリートキッズ | not simple.

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あるときはさすらいの本読み、あるときはジャンル無用の映画好き、またあるときは、B級グルメの備忘録

ストリート・キッズ (創元推理文庫)/ドン ウィンズロウ
¥1,008
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一九七六年五月。八月の民主党全国大会で副大統領候補に推されるはずの上院議員が、行方不明のわが娘を捜し出してほしいと言ってきた。
期限は大会まで。
ニールにとっての、長く切ない夏が始まった…。プロの探偵に稼業のイロハをたたき込まれた元ストリート・キッドが、ナイーブな心を減らず口の陰に隠して、 胸のすく活躍を展開する。
個性きらめく新鮮な探偵物語、ここに開幕。
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ちょっと古めの作品ですが、同僚におすすめされたので読んでみました。
元ストリートキッズで英文学を愛する主人公のはすに構えた、口調がいい感じです。
事件を追いかけることと、彼のストリートキッズ時代の話が交差していきます。
この内容が主人公の女を信じない感じにどうしてなったのかということがわかってよかったです。

追いかける政治家の娘の話も切ないです。
ティーンエイジャーなのにある日を境に、ありとあらゆる薬におぼれて、男に復讐するように堕ちていくさまが描かれてます。それを何とか救い出して麻薬を抜く主人公。
この薬を抜く作業が結構ページを割いているのに、あることで彼女がヘロインを腕に打つことになるんですが、ここがもう、ニールといっしょに「やめろー」って感じでドキドキしちゃいます。
たぶん読者に感情移入させる作業が非常にうまい作家さんなんだなーってかんじますね。

また、彼の育ての親のような探偵との関係もすごく魅力的!
決して、明るい話じゃないんですけどもすごく好きなタイプですね。
ただあとがきが若干だるいです。(訳者の・・・)