ブラインドネス-★★★★- | not simple.

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あるときはさすらいの本読み、あるときはジャンル無用の映画好き、またあるときは、B級グルメの備忘録

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題: BLINDNESS
製作年: 2008年
製作国: 日本/ブラジル/カナダ
日本公開: 2008年11月22日
(丸の内プラゼール ほか)
配給: ギャガ・コミュニケーション

公式サイト

スタッフ
監督: フェルナンド・メイレレス
原作: ジョゼ・サラマーゴ

キャスト
ジュリアン・ムーア、マーク・ラファロ、アリシー・ブラガ、ガエル・ガルシア・ベルナル、ダニー・グローヴァー、サンドラ・オー、木村佳乃、伊勢谷友介

【シネマトゥデイより】
街の交差点に止まった車の中で、何の前ぶれもなく突然目が見えなくなった男(伊勢谷友介)がパニックに陥る。
その後、男は検査を受けるが原因は一向にわからない。
しかも彼に接触した者も次々と視界が白くなり、目が見えなくなっていった。
そんな中、療養所と呼ばれる隔離病棟が設けられ、発症者は強制的に収容されるが……。


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観終わって、むーーーん。って感じになりました。
いろんなことが頭に残るというか、交差するというか。

人が見てない、見えてないということは一種の開放感があるというか、何やってもかまわない・・・そう思ってしまうところがあるというか。
そういう部分がこの映画の胆になる部分のような気がします。

見えてないからこそ、卑劣になるし、ちょっと好きなようにやってもいいじゃない。

だからこそ、冒頭の日本人男性が失明して、それを送っていった人が彼の車を強奪する。
銃を強制収用所に持ち込んで食料を全て管理する。
それをいいように使い、とんでもない横暴なことを行う。
強制収容所で妻が見てると思わずに浮気をする。
見えてないから、食料と引き換えに女性を組敷き、果ては殺してしまう。

そういう弱さやきたなさをたった一人、目がなぜか見えてる女性はつぶさに見てしまうわけです。
しかし、彼女がなんともすごいです。
伝染病で目の見えなくなった夫にくっついて収容所に入る。
そして回りの世話をする。
横暴にも耐える・・・・・それは食品を確保している男たちに食料と引き換えに他の女性とともに彼らの要求を飲んでしまうところからしてすごいです。

ただ、ある瞬間彼女の中に何かがあふれ出してしまい、ある行為をするのですが、怒りや戦いの神がいるという文化に育った私であればすんなりわかるのですが、キリスト教圏の人からするとすごい行為を行うわけです。

そして観終わったあと、考えたのは彼らの目が見えるようになった後ことです。
自分たちの行為をどこか後ろめたく、恥じるという感情を持ったまま生きていくんだろうなーと思います。

非常に考えることが多く提示されている作品です。

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