オリーブオイル工場見学 | きまぐれなオリーブとワイン

きまぐれなオリーブとワイン

オリーブオイルとイタリアワインの店
piubuono.comのきまぐれブログです。

きまぐれなオリーブとワイン-サビーナオイル

サン ロレンツォさんというオリーブオイル会社です。
サビーナDOPのオリーブオイルを生産されています。
この会社はサビーナではかなり大きい会社で、設備投資も徹底されています。
何度かオリーブオイル工場を見学しましたが、ここまで設備が整っているのは初めてです。
きまぐれなオリーブとワイン-サビーナオイル
というのは、オリーブオイルは年に一度ほんの2週間ほどでいっきに採油します。
オリーブオイル専門会社はワイン会社のようにリッチでもないので、
地域で工場をシェアリングすることも多々あるのですが、
この会社は完全屋内でオリーブをペーストした瞬間からボトリングまで光に触れることがありません。
オリーブオイルは酸化が命取りなので、余計な空気や光に触れると劣化してしまうのです。

これはペーストにする機械。
ペーストにするとき、果実が擦れたり機械によってオリーブに熱を持ち劣化してしまいますが、外側で冷水を流すことで温度の上昇を抑えます。
フルーツを切るタイプと潰すタイプがありますが、
こちらは切るタイプで、採油量は少ないですが香りを重視したタイプです。

この機械は最新型で、ネット上以外、自分の目で見るのは初めてです。
きまぐれなオリーブとワイン-サビーナオイル
かなり大きなオリーブ畑を持っていらっしゃるので、手摘みという訳にはいきません。
イタリアにはかなり頑固なマシン化反対の考えが根付いていますが、
オリーブの場合、収穫できる期間が1週間~2週間。収穫期が暑かったりすると、どんどん熟成してしまい油っぽいオリーブオイルになってしまうので、果実が時期を迎えたらどんどん収穫し、その横でどんどん採油していきます。

ジョルジョさんのところは畑が小さいので、6時間おきでしたが、
こちらも採油は12時間ごと。畑が大きいので当然ですね。
シチリアは気温の問題もあるので、テッラディグラツィアさんは3~4時間。
今となっては24時間以内は常識になりつつありますね。

このような工程を経て酸度0.1%という驚異的な低酸度のオリーブオイルが出来上がります。
きまぐれなオリーブとワイン-サビーナオイル
このオリーブオイル会社の凄いところが、瓶にも相当お金を掛けています。
真っ黒です。
完全に光をシャットダウン。
オリーブオイルの緑色は葉緑素なので、光が入ると『光合成』して油が酸化してしまうのです。
そして、ボトリングする際に空気を抜き、内蓋に仕掛けがあって空気の進入を防ぎます。
なので長期保存も可能。

ボトルからもオリーブオイルにどれだけ真剣なのか伺えます。
こういうことでEat-aliaさんのお友達価格を主張してもジョルジョさんのよりちょっと高くなります。
もちろん常識の範囲内ですが。

DOPの書類にお金を掛けるのはもったいないですが、こういうことにお金を掛ける姿勢は尊敬に値しますし、自分の考えとしては『アリ』なのですが、世間の評価はどう出るでしょうか・・