2020年度の入試から変更される大学入試制度。
問題案が発表されましたので、一問ずつ簡単に解説していくシリーズです。
数学の第一問について、前回は概要をかきましたので、今日は問題の解説です。
新センター試験の数学解説。「あれ?同じじゃん」と思いきや・・・
ではいつも通り、問題の画像からどうぞ。
(1)の解説
小問が2問あり、(ⅰ)は特定のxの場合の面積計算、(ⅱ)はSの取り得る値不等式で記述させる問題です。
(ⅰ)のように、特定の値で計算させる問題は、一般的に「誘導」の問題とされていますね。
状況が掴めない生徒は、x=5/3の値で計算してみて、状況を掴むのが第一歩。
しかし、高得点を狙う生徒や、頭の中で一般化が出来てしまう生徒は、先に一般的な場合を計算して、後でx=5/3を代入するほうが良いでしょう。
その方が、結果的に短時間で解けます。
この問題、全体について言える事ですが、非常に細かい作業が求められます。
・場合分けを丁寧に行っているか
・xの定義域を確認しているか
・線分の長さを、毎回計算しているか
・面積計算を間違えず行っているか
などなど。
後で、手書きの解答を貼り付けますが、分かっていてもかなり面倒。
試験中、焦っている時に丁寧に面倒くさがらず計算を行えるというのは、かなりの集中力と事前の訓練が必要だと思われます。
問題のレベルとしては、決して高くありません。
(ⅰ)は、線分の長さが計算出来れば簡単。
(ⅱ)は、パラメータのない、二次関数の最大最小です。
結論として、現行のセンター試験と同じだと言って良いでしょう。
ただ、「点Eが原点と一致する場合を除く」という記述を見逃すと減点されるというトラップが仕掛けられています。
この辺り、作成者もこだわっているような気がしますね。
選択肢では警戒されてしまうことも、記述だと警戒しなくなりますからね。
記述式にした効果がある問題だと言えます。
(2)の解説
相変わらず、場合分けや線分の長さのチェックが面倒くさいです。
具体的には、0<x≦2の時と、-2≦x<0の時に分け、ひし形の対角線の長さが変わります。
対角線の長さが変わると言う事は、面積の計算結果も変わります。
よって、場合分けをしないと解けないという、手の込んだ面倒な問題です。
立式してからは簡単。
二次方程式を立式して解くだけです。
但し、xの値を答えさせるのではなく、AEの長さを答えさせるところで、かなりの受験生が引っかかるでしょう。
定義域の場合分けや、問題文のチェック、選択肢の条件など、細かい部分に気を付けないと正解出来ないようになっています。
センター試験は時間勝負の要素も大きいですが、焦れば焦るほど細かいところでミスをする、という(ちょっと性格の悪い)問題になっているように思います。ということで、長くなりましたので、今日はここらで。
(3)に関しては、次回解説します。
←このアイコンのクリックした後、もう一度クリックお願いします!
◆平井基之の公式HP◆
活動内容、告知、考えていることなどがまとまっています。こちらのページからご覧ください。
◆平井の東大合格塾 生徒募集ページ◆
日本一東大入試対策を徹底して行う塾です。こちらのページから、詳細をご覧ください。
◆告知、メディア出演など◆
現在発売中のもの、配信中の動画などはこちらのページに一括して載せてあります。