今年一番のハズレ客が決定した! ・・・これを超える事は この先 まず無いだろう(わかんないけどね…)

それは早朝に受けた電話だった。


「オレは死んだのか?」 

 

電話を取るなり いきなり こう言われた。

?? 離脱中? さまよってるのか?(盆時期だしな)

答え様も無く黙っていると 「何とか言えよ、姉さんっ!」

と だみ声でオヤジが すごんで来た。

よく分からないけど

「はいはい 死んでますよ~さよなら~~」 と軽快に電話を切ってしまいたい。

一体 何のクレームなのか・・・。  ああ ハズレ客に当たっちまった・・・

・・・にしても このオッサン 生き死に関わる事を なぜ通販のオペレーターに聞く?

心配なら 脈でも測っとけ。


諦めて オヤジに事の詳細を訊いた。

どうやら 届いたDMの宛名が間違っていたらしい。

このオヤジの苗字は ちょっと珍しくて 「畳」という漢字を使うのだが

その「畳」が 「墓」という字に間違えられてしまったらしい。  これが怒り大爆発の原因だ。

気持ちは分かるけどさ だからって「オレは死んだのか?」も 無いだろうに・・・

 取り合えず こっちのミスなので 「申し訳ございません」を 神妙な声色風に言ってみた。

だけど オヤジの怒りは収まらない。     

ぐだぐだクドクドと「縁起が悪い」を繰り返し 「やっぱりオレは死んだんだなっ!」 と 

今度は 例のセリフを バージョンアップして怒鳴ってきた。 

別に死んでもいないだろう(残念ながら) こうして元気にゴネてんだから。

さっきから 「墓」「墓」 うるさい客だ。 どうせ もうじき世話になるんでしょう。

騒ぐ程の事なのか? 

別にいいじゃん  墓石が届いちまったワケじゃないんだから。


 縁起が悪くて泣きたいのはこっちなんだよ。 大勢いるオペレーターの中で なんで私に繋がるんだ?

我身の不運を呪うよ。  あぁ この席を大量の塩で清めたい。


この後 何度も 「なってない」「反省が足りない」「今の日本はダメだ」 を繰り返し 

こっちは「申し訳ございません」で合いの手を入れながら 

オヤジが電話を切ってくれるのをひたすら待った。


そして待ちくたびれた頃  突然オヤジが 叫び声を上げた。

 「うわーっっ!!  もうこんな時間だっ!」  「 どうしてくれるんだよっっ!」

「あんたと話してたせいで ゴルフに遅れるだろっ!」  「いい加減にしろっ!!」 

そう叫んで 一方的に電話を切った。


・・・。何なんだいったい???・・・好き放題ぬかしやがって・・・なにがゴルフだっ ケッッ

呪いの力でゴルフ場に雷落としてやるっっ 

てな事は出来ないから 一生懸命 お祈りしよう 

あの小さい割に 当たると痛そうな白い球が オヤジの後頭部に 思いっきり当たりますように・・・ 

フッ  今度は成仏してね~ (軽快な口調)


                     
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フンッ 分かってはいるさ。 世の中には イヤなヤツが 沢山いるって事くらい。


しかも ここの客は その比率がとっても高い。


だから イヤな客慣れしてはいる。 ・・・に しても・・・


この間の 客は あまりにも ひど過ぎたっ!!!



それは 60代後半くらいのじじぃ客だった。


低い声でボソボソと話す。 


時折 声がひっくり返るので 発作でも起こしてるみたいな感じだ。


何かを注文したいらしいが か細くて 聞き取れない。


なんだか 死にかかった人みたいだな。


最期の力をふりしぼって 注文してるのだろうか?


なんとなく 面倒くさい客の予感がする。


間違え電話のフリでもして切ってやりたいが そうもいかないので 聞き返す。


「申し訳ございません。お声が少し遠いようですが」


言った途端に じじぃがキレた。


 「は!? 何言ってんの?聞こえないワケないだろっ!


あんたのキンキン声は こっちに聞こえてんのにっ!!」


じじぃが 生き返った。


死の淵から這い上がったのだろうか。


しかし 何ぬかしてんだろう。 


こっちは あんたのボソボソ声が聞き取れないって言ってんのにさ。



 最悪な事に このボソボソじじぃは 新規の客だった。


それは リピータの客に比べ “関わる時間が長くなる” という


辛い宿命を意味している。


聞かなきゃならない事が まだまだ沢山あるのだ。 


あぁ なんて呪わしい宿命・・。  酒でも飲まなきゃやってられない気分だ。


 聞きたくないけど名前を聞いた。どうでもいいけど漢字も聞いた。


だけど漢字が聞き取れない。どうしても聞き取れないので2度聞き返した。


すると じじぃの 攻撃性が さらに増していった。


「文章の章で アキラだよっ!さっきからそう言ってんだろっ!


大体あんたっ 聞こえないんじゃなくて 漢字が分からないだけだろっ!


あんたみたいな50とか60の年取ったのじゃなくて もっと若い人 電話に出してよっ!」


だってよ ・・・  


・・・・・・グツグツと ハラワタの煮えたぎる音が聞こえる・・・・・・  


よくもここまで失礼な事が言えるよな…


涙は出ないが 毛穴じゅうから 黒い煙が出た。


怒りの炎で 私の腹の中は黒こげだっ!


人の年を 50だの60だの・・・ 勝手に決めんなっ! まだそこまではいってない!



しかし 2度聞き直しただけでこの悪態。 3度聞き直したらどうなってたんだろう?


試しにやってみればよかった。フンッ



ところで このじじぃ 声といい 話し方といい どこかで聞いた事があると思ったら


内田裕也にソックリだった。


こいつも じいさんなのに ロン毛の金髪なのだろうか?



結局この客は 電話を切るまでずっと イヤミと罵倒を繰り返していた。


 

 注文商品は家庭用高圧洗浄機。 激しい水の噴射で汚れを落とすとか言うアレだ。


性根の腐った じいさんが 何をキレイにするのか知らないが


この洗浄機が 誤作動を起こして じじいを 吹き飛ばしてくれる事を


祈らずにはいられなかった。 フンッッ







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「注文した物が 届かないんだけど?」 客から この言葉を聞くと ゾッとする。


それは 波乱含みの 気の抜けないセリフだからだ。


ここでは よくある問い合わせではあるけれど


オペレーターが その原因を調べてみると


お届け日がまだ先だったり (これはセーフ 文句を言われる事は少ない)


自動音声から 自分で注文したはずが 

うまく出来ていなかったり (少し雲行きが怪しくなる)



また これとは逆に 

注文してもいない物が届いたとか (大荒れの空模様)


キャンセルしたのに届いたとか (暴風域突入)


注文した花が 枯れて届いたなど (避難勧告)



ここのコールセンターでは 日々オペレーターを ゲッソリさせる問い合わせで あふれている。



そんなワケで 「鉢植えが届かないんだけど よそで買ったのかしらね?」


と おばさん客から 問い合わせを受けた時も


「はい よそです」 と即答して 電話を切りたくなった。


こっちの出す答えによっては 大嵐にだってなりうるからだ。


あぁ なんて危険な仕事・・・


でも 仕方ない。

潔くあきらめて 「お調べ致します」 と詳細を尋ねた。


だけど このおばさん 

商品番号はもちろん 注文日も 値段も 

商品名すらも憶えていないという 脱帽の記憶喪失ぶりだった。


「どこかに メモしておいたんだけどねぇ」 と言い訳っぽい独り言を呟いている。


おばさん曰く 「葉っぱなのよ 花じゃなくて」 と憶えているのは これくらいだ。


鉢植えなんて お届け日が先なうえに 幅がある。

おまけに “天候により遅れる事がございます” なんていう 

お届け予定が あるのか無いのか よくわからない代物だ。


それでいて こういう客に限って 日頃からやたらと物を買っていたりする。


購入履歴は 注文のデータでギッシリだ。


これでは とてもすぐには答えられない。


日々これだけ買ってりゃ 記憶喪失にもなるってもんだ。


ズラーッと出てきた購入履歴のデータから 商品名検索を試みた。


「葉っぱ」って言ってるんだから まずは 『ハ』 とか 『リーフ』 とかそれっぽい文字を入力して検索した。


でもダメだ。 ならば今度は 『ポトス』 とか 『アジアンタム』 あたりの定番で色々探してみた。


やっぱりダメ。 一体どんな葉っぱを買ったんだろう。 新種か?

念の為 『サボテン』 とか 『ゴムの木』 なんてのでも探してみた。



それでもない。 


もうヤケクソだ 前に花屋で見かけた(様な気がする)

『幸福の木』 『お金のなる木』 なんてのはどうだっ?


ここの客なら買いそうだ (売っていたかは知らん)


そのうち 待ちくたびれたらしい、おばさんが 久々に声を発した。

「注文した日が わかったわよぉ」


私が もがき苦しんでいる間に

どこかに書き記したはずの メモを探してくれていたらしい。


実際に ここの客は こういうパターンが結構多かったりする。


最初から こういう物を見つけてから 電話をすれば話が早いのに。


おばさんは カレンダーに 『鉢植え』 とだけは 記しておいたそうだ。


「届くのが ずいぶん先なものだから 忘れちゃいけないと思って」



けっこうな心構えだ。


注文日が判ったので すぐ調べがついた。

お届け日が まだ先なだけの事だった。


パソコンの画面には おばさんが買った鉢植えの写真が映し

出されている。


何だか見かけない観葉植物だ。葉っぱがピンク色をしている。


とにかく ちゃんと注文は入っているので 待っていれば

そのうち 届くであろうと伝えた。


おばさんは安心したのか 「それはよかった。ありがとう」 

と 気持ちよく電話を切ってくれた。


ああ よかった。 嵐が回避できて。


自然と安堵のタメ息がもれる。



ところで あの葉っぱの名前は何だったんだ? 


パソコンに書いてある商品名を シゲシゲと見てみた。


なになにぃ   『 トキメキリンダ・・・?』 ふざけるな・・・



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本日は 返品にまつわる愚問でございます。


題して  ~ 「エッ それ本気で言ってるの?」 ~




ここの コールセンターに 勤務して以来 


返品の電話を 取らない日は まず無い と言っていいだろう。


今まで けっこうな数の 返品電話を受けてきた。



返品送料を こっちで負担させようと なんクセつける客。


返品不可の商品を 何とか返品させろとゴネる客。


それが無理だと知ると 今度は 商品代金の半分でもいいから返せと 懇願する客。


商品が届いてから 1年も経ってるのに 

「なぜ 返品出来ないのっ!?」 と憤慨する客。 “なぜ”って なぜ思うんだぁ?


このように 気の遠くなる話など 珍しくも何ともないが


そんな中でも ズバ抜けて 私の気を遠くしたのは


ダイエット食品を返品したいという 愚問だった。


“14日間集中プログラム” とか何とかいう 


1日1回 食事の代わりに 飲むと痩せます的な 14袋入りのセット商品を


「これ 全部飲んでも返品出来る?」と 堂々と問い合わせてきた客がいた。


え? それ返品って 言わないでしょ。 ゴミ送ってくる気?


ゴミはゴミ箱に捨ててくれ それが常識ってもんだ。


「全部は ちょっと・・・」 とやんわり断ると


 「じゃあ 1個でも残ってれば 返品できるの?] と食いついてきた。


“いい加減にしろよ” あぁ この言葉を 1度でいいから こういう客に言ってやりたい。


でも言ったら大変なので 「常識の範囲内でお願い致します」と 答えておいた。


それに対して 「ふーん そうなの」 と不満気だ。


客がしばらく 黙っているので 諦めて電話を切ってくれるのかと思ったら


凄い勢いで 自分のダイエット歴を 話し始めた。


ここの客の得意技 “聞きもしないのに語り出すパターン”に突入だ。


こうなると こっちの都合など お構いなしで 話し続ける。


30代前半。 ここの客にしては 若め。 話によると 相当なデブらしい。


今まで あれやこれやと ダイエットを試みたが さっぱり痩せられなかったと言う。


お金もつぎ込み 家族からの差し入れも 食べたいのを 我慢して 断ってきたのに。


「もう 無駄なダイエットは したくないのよね」と 客はつぶやく。


確かにな。 デブのヤセ我慢はキツそうだ。 だからと言って ゴミを送られても困る。



それにしても・・・ あんなド厚かましい事を 平気で人に聞ける 神経の持ち主が


そう簡単に 痩せられるとは 思えないけどな。


でも 大丈夫~ 


ここでは ウエストが総ゴムの洋服を 多数取り揃えておりますから~


なんてったって ここのおばさん客が食いつく三大商品は・・・


セット・総ゴム・補正下着~ でございますもの。



※セットとは 上下セットで5千円前後の洋服の事を指す。

 主な組み合わせは プルオーバーとレギンス辺りである。






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 コールセンターでオペレーターなどしていると 常軌を逸した 問い合わせを受ける事が 多々ある。


本日お届けするのは はそんな “愚問物語パート1” だ。  題して


何が気に入らないのか “毛染め剤のリニューアル についての愚問”


       

商品がリニューアルする事なんて 別にめずらしくは無い。 


だから そんな事で 客に食いついてこられるとは 驚きだった。


「私は あれで満足してたのに どうしてリニューアルなんてしたんですかっ!?」  


中年の女性客が 不満気な口調で 問い合わせてきた。 


そりゃあ 客は あんただけじゃないからだよ。 


どうしてこんな 当たり前の事が わからないんだろう。


“一体なぜですか~っ” て こっちが この客に問い合わせたい位だ。


 答え様の無い問い合わせに 私が モゴモゴしていると 


容赦なく 次の質問が 飛んで来た。


「この商品の 中身は どこで詰めてるんですかっ!? 」


え? 知らないよ そんなこと。 


さっきから どうでもいい事ばかり聞く客だな。 


確かに 原産国は フランスとあるけれど どこの国で 詰めているかまでは 記載がない 


食べ物なら 気になるのも よく分かるけど 毛染め剤でも 気になるのかな。


そういう事が気になる人は もっと違う所で 買った方がいいと思うんだけど。


 そして またしても 質問の答えに 詰まった私は 


なんとかお茶を濁そうと もがいていた。


「原産国のフランスで詰めているんだと 思います・・・」とか何とか言って。 


一刻も早く この客の気が 気染め剤から ソレてくれる事を 必死で祈った。


巨大な十字架を きりながら。  (無宗教人間のくせに)


「さっきから あなたは “思います” しか言わないけど もっと 正確に答えて下さい!!」


マズい。 客が イラつき始めた。 


無宗教者の神頼みが イケなかったのか? 事態が悪化してしまった。


だけど 私達オペレーターは “思います” くらいの事しか言えないのだ。


ほとんどが 実物を見た事も 使った事も無い商品なのに 説明できるワケがない。


パソコンに映し出される 超簡易的な 商品情報だけでは 答えられる事なんて 限られているのだ。


だから それ以上の事を 突っ込まれると 上司の元に走って行くしかない。


でも 走って行ったところで 上司も 大抵答えられないから 


結局は メーカーからの折り返し電話を1週間位 待ってもらうしかない。


この “1週間位” ってのがね・・・。  危険性をはらんだ ワードなのだ。


取り扱いには注意が必要。  運が悪ければ 爆弾のスイッチONだ。 


以前 おばはん客が マフラーの重さを 知りたいと 問い合わせてきた事がある。 


その時もやはり メーカーからの 折り返し電話を 1週間位待ってもらう様話した。


「1週間?」 おばはんの声色が変わった。


「どうして これ位の事で1週間もかかるの!? そんな物 計ればすぐわかるでしょ!!」


客の言い分もわかる。  でも これが ここのシステムだ。


この時も この “1週間” のワードが出た途端に 事態が悪化したのだった。


1度 損ねた おばはんの機嫌は すぐには 直らない。


後は お決まりの 文句言いたい放題~


ああ 所詮ここのコールセンターでは 何を祈ってもムダってことよね・・・


非情な客を相手に 今日も オペレーターの合言葉は “申し訳ございません”

  


はーー  ここの会社も会社だけどさ


どうして おばはんって生き物はいつでも 遠慮なく文句が言えるんだろう。





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ここのコールセンターに 勤務して以来、苦情の電話なんて しょっちゅう受けている。


例えば。   ブラジャーのサポート力が弱過ぎて 着けていると 上にずり上がってしまうという苦情。


                       はんちち

「おたくの ブラジャーを 着けてると 半乳に なりますっ!」 って おばさんが 興奮して 叫んでいたっけ。


下着は返品が 出来ないから さぞ 悔しかったのだろう。



 他にも   注文したブーツが 予想以上に丈長で 話が違うという苦情も。


「テレビでは 膝下くらいの長さって言ってたのに・・・ 

今 履いてみたら このブーツ 膝の上までくるんだけど?」


そう言って 返品送料は そっちで負担しろって ゴネてた 呆れたおばさんもいた。


全ては 自分の足が短いせいだって あれから 気づいてくれたかな。



そして 化粧品が肌に合わない という苦情。


ここで買った 下地クリームやらファンデーションのセットで 顔が カブレてしまったと客は言う。


この様な 化粧品の苦情を受けた場合い


私達オペレーターは 客から事の詳細を 聞かなくてはならない。


”いつから・どんな症状で・通院はしているのか” 等だ。


だから (決して 聞きたくはなかったが) 症状を尋ねた。


すると このおばさんの ”お肌の不調猛アピール” が始まってしまった。


「数回使っただけなのに なんか肌がヒリヒリすると思ったら カブレてきたの!!」


「顔がカサカサで 粉吹いて真っ白なのに ホッペタだけ真っ赤赤!」


「サルよ!猿!」 「まるで 京劇の猿!!!


おばさんの1人興奮は この後も続いた。 


まったく。 猿猿うるさいな。 いいじゃん別に。 本物の猿になっちまったワケじゃないんだから。


だから 聞きたくないのだ。 ここのおばさん達の苦情は。


どんどん興奮して 話がアチコチに飛びまくる。 


京劇おばさんも そうだった。  今まで買った商品の不満 (そのほとんどが 化粧品や洋服類 ) 


オペレーターのダメ出し そして 会社のシステムにまで 文句が及んだ。 


こっちも面倒くさいから 勝手に喋らせてはおくものの 


ずっとダンマリも 機嫌を損ねそうだし かと言って 余計な事をしゃべると 地雷がバボンッだし。



あーあ。  ここのコールセンターに 1歩でも 足を踏み入れたら 


私はもう ”見ざる・聞かざる・言わざる”でいたい。



だけど 実際は・・・ ”見栄ザル・着飾ル・京劇のサル” の相手してまーす。



失礼しました m(_ _ )m




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 「商品名は 全部言え!」  


ある日突然 当コールセンターで こんな指令が出た。


え? 全部言うの? 注文取る度に? 


注文商品を 復唱する際の話だ。  ここの 商品名のほとんどは 無駄に長いのだ。



「ご注文は ”大胆ボリュームマスカラ ラッシュクイーン セクシーブラック スペシャルセット” 1点でございますね」   


”艶やかに女盛り スッポン豊潤コラーゲン” 2点ご用意が出来ました。」  


”スッキリ爽快 みなぎる活力!エクサパワーエナジー”  申し訳ございません。完売でございます」  


てな 感じだ。 うーん 長ったらしいわ 恥ずかしいわ・・・


セクシーブラックやら スッポン豊潤コラーゲンやらを買う ばーさんの身にもなってごらんなさい。


女盛りとか言わせるなって。 そんなもん 過ぎた人しか買わないんだから。  


 一度に たくさん 注文する客だって 何人もいるのに


これじゃ 復唱するだけで 酸素不足だ。 


確認なんて 簡潔が一番なのに。  分かりづらくしてどうする?


「エクサパワーエナジー 1点ご用意出来ました」 いいじゃん。別にこれで。


ちょっと前までは これで良かったのに。 


ここの会社は コロコロ ルールが変わる。 それも 突然に。


こんな指令は 当然オペレーターにも 大不評だ。 


きっと 現場から 遠い人間が 思いつきで 決めてるんだろう。


どんどんおかしくなっていく ここの会社・・・


お客だってそう。 それじゃなくても こっちの話なんて 聞いちゃいないのに。 


こんなに長ったらしい復唱なんか イラッとされるだけ。


 キャンセルの時だって 同様だ。 注文の時の復唱と同じ事を 再度言わなくてはならない。



 「今日頼んだ分 キャンセルしたいんだけど」 そう客のおばさんから言われた。


さっそく復唱。 「キャンセルの商品は ”至近距離もおまかせ うる・ツヤグロス” を1点でございますね?」


うわっ これまた 恥ずかしい商品名の代物を 買ってらしたのね。



60才も近い おばちゃんが 至近距離? うる・ツヤですと? いいよぉ 今さら 唇テカテカさせなくたってぇ~


そして おばちゃんが キャンセルの理由を 述べた。


「やっぱり 必要ないから」   だって。   エライ。 よく気がついた!





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 花なんて その辺に咲いてる分には キレイでいいけど


売る方にしてみたら ありがたくも何ともない。


その理由は ただひとつ。 苦情がとっても多いから。


当コールセンターにおいては


生花 = 返品不可商品 = 苦情が多い = オペレーターがゲッソリ 


と この様な図式が成立している。


だから声を大にしていいたい。 花なんて 売っても 買っても いかんのだっ!


 そもそも 生花を通販で 売るなんて 無理があるのだ。


だって生き物じゃん。 どんなにテレビで 豪華絢爛に咲いていたって


実際届いた物が どう咲くかなんて  そんなの 花にしかわからない。


機嫌良く 咲いてくれればいいけどね・・・


”枯れて届いた” ”全部散ってた” ”花がさっぱり咲かない” ほら ゲッソリ。


そんな事は 花咲かじいさんにでも言ってくれ。


 

 ちょっと前に ここの通販会社で ”深紅の洋ラン・エドナ” という名前の花を売った。


まるで占いの館みたいな 妖しい ネーミングではあるけれど


真っ赤な花を咲かせる 珍しい洋ランらしい。


 「ほんとに こんな 赤い花が咲くの?」 テレビの放映が始まると同時に


おばさんが つっこんで来た。


さあねぇ。 咲かなかったら 潔くあきらめな。 人生に ハズレはつきものだ。


なんて 言えるハズもなく 


「個体差が ありますので 多少の 違いは・・・」 とか何とか ひたすら ごまかした。


そんな 煮え切らない返答が 気に入らなかったのか


 「ずいぶん ハッキリしないのねぇ」 と エドナのおばさんが 急に 不機嫌になった。


そうなのだ。 ここの客は いきなり機嫌が悪くなる。


会話のあちこちに おばさんの 逆鱗地雷が埋め込まれているから恐ろしい。


あくびは出るが 気は抜けない。 オペレーターとは 危険な仕事なのだ。


ところで このエドナおばさん。威圧感たっぷりの口調といい、声のしゃがれ具合といい


うちの実家の近所の人に そっくりだ。


 その昔 私の実家の すぐそばに 洋ランをこよなく愛する 感じの悪いおばさんが住んでいた。


ずっと家にいるのに いつでも厚化粧の 変な人で 周りからは 洋ラン婦人と呼ばれていた。


 そして私は この洋ラン婦人が とても苦手だったのだ。 


あぁ イヤな人を思い出してしまった。


 

「ハッキリしないけど まあいいわ。取り合えず注文するから」 とエドナおばさんがいきなり注文を始めた。


エーッ?  全く買う気無さそうだったのに? 文句つける為だけに 電話してきたんじゃなかったのー!?


おばさんがやる気になった時は すでに SOLD OUT。


そして エドナおばさんの 本日2コめの地雷が爆発したのだった。 アーメン。



やっぱり 洋ラン好きの ご婦人とは 相性悪いわ・・・・


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 今回は タイトル通り 危険な ばーさんのお話。



 勤務終了5分前。 「嬉しいっ 今日は変な電話を1本も取らなかった音譜」 と


気を許していたら 電話が鳴った。


ボケた ばーさんからだった。


「前に おたくで ドライヤーを買ったんだけど 電源が入らないのよねぇ」


しまったっ・・・  よりにもよって ”電化製品不具合の問い合わせ” を受けてしまうとは。


それは決して 終業5分前などに 取ってはいけない電話だった。


気分はすっかり 奈落の底だ。


 ここの通販会社の客の割合は ほぼ ジジ・ババが占めている。


その為 こういった問い合わせを しょっちゅう受けるのだ。


しかし よく (仕方なく) 話を聞いてみると 


電源を入れもしないで 「故障だ 不良品を売りつけられた」と 1人でわめいてる客も珍しくないのだ。


それ故に 故障かどうかの判断が難しい。


ジジ・ババ相手に じっくり話を聞かなくてはならない。


かなりの精神労働だ。


そんなワケで このばあさんにも 詳細を尋ねた。


でも 何を聞いても 「さあねぇ。 わかりませんねぇ。 すいませんねぇ」しか言わない。


これではどうする事も出来ない。


ばあさんの希望は 返品か修理だった。


仕方ないので 再度聞いてみる。


商品番号は? 「さあねぇ・・」 商品名は? 「わかりませんねぇ・・」

いつ頃買ったかは? 「すいませんねぇ・・」   


考えもしないで答えてる感じ。

 

それなのに 本当にここで買ったのか 探りを入れると

「はいっ それはもう間違いありません!」と そこだけは 自信たっぷりに答える。


そんな 苦労の果てに 聞き出した諸々の事は 以下の通りだ。


ばあさんは 確かに ここで 充電式のドライヤーを買っていた。 2年以上前の事だ。


そして 手元に届いたその日から 今日に至るまで 


1日も欠かさず 充電をし続けていた。 その間一度も ドライヤーを 使わずに。


「今まで出かける用事が無かったもんでねぇ」 なんて のんびり話してる。


なんて危険な婆さんだ・・・。


「今日 出かける用事があったから さっき 初めてドライヤーを使ってみたんだけど

電源がはいらないのよねぇ。」


そりゃ 当たり前だ。 家が燃えなかっただけ幸せだ。  (そこまでは無いか?)


大体 何の為に今まで 充電をし続けてきたというのか。


全ては今日、この日の為ではなかったのか。


それなのに 肝心なこの時に ドライヤーが 事切れていたとは・・・ 悔しくないのかっ、婆さん!


「あら 修理出来ないの? じゃあ もったいないけど捨てるわね」


あれ? 全然悔しくないみたい・・・


おまけに ずいぶん 聞き分けがいい。 これも ボケてるせいなのか?


 とにかく 過充電は危険だよ てな事を一生懸命説明はした(はずだ)


でも婆さん 「もうしばらくは 出かけないから大丈夫」と


解っているのか いないのか ヘンな余韻を残して電話を切った。


ばあさん 解ってくれたかな。



終業時間も とうに過ぎ タイムカードを打刻しながら 

私が深く心に刻んだ事は・・・


 

「終業5分前の電話は 絶対に取ってはいけません。」 以上




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「おたくで買った マンゴージュース、 ぜんぜん甘くないんだけど」


 勤務中  睡魔に襲われ 意識不明状態の 私であったが

おばはんの 苦情電話で 目が覚めた。


 「テレビで あれだけ 甘い甘いって  言ってたのに

 甘いどころか渋いのよっ」


出た。 よくある苦情だ。  


そりゃ テレビだもんね。 いい事しか 言わないに決まってる。


 それに加えて ナビゲーターの大袈裟なリアクション。


お蔭で この手の苦情が しょっちゅう こっちに舞いこんでくる。


受注センター(のはず)なのに。



「酸っぱすぎて 飲めないのよ!」

「残った分はどうすればいいの?」(20本セットの商品) 


うるさいおばはんだ。


ガマンして飲んでよ。

マンゴー酢でも買ったと思えばいいじゃん。(むせても知らん)

 

要するに ”返品させろ”だよね。 これも よくある パターン。


食品は 返品不可だから。


”まずい”って 理由だけじゃ 受け付けられないのだ。


しかも 届いたのが 7月とか言ってるし。


そんな事 今頃言われてもねぇ。

返品期限30日間は とっくに過ぎてるって。



「こんなの マンゴージュースじゃないですからね」

「私は オーストラリアで 本場のマンゴーを 食べたけど、全然 違う味だったわよ」


今度は”マンゴー通”を気取りだした。



ところで マンゴーの本場って オーストラリアなのか?


そりゃ あそこが 牛肉ばっかりの国だとは 思ってないけどさ。



とにかく おばちゃんの購入履歴を調べてみた。


果物の方のマンゴーの 注文履歴はあるものの

肝心の ジュースの方が 見当たらない。


商品番号を聞いても わからないと言うし。 

違う通販会社で買ったんじゃないの~?


猜疑心でいっぱいになっていた時


「わかったわよ~、商品番号♪ 」と  電話口で おばはんが 叫んだ。

部屋の片隅から明細書を発見したらしい。



商品番号が 判明したところで 再度購入履歴を調べなおした。


すると 驚愕の事実が 明らかになったのである。


おばはんが さんざん ”甘くない” と文句をつけていた代物とは


”シークワサージュース”  だったのだ。


おばはんに その事実を告げると そそくさと 電話を切ってしまった。


だから 詳しい事は わからない。 


多分 勘違いでもしていたのだろう (これも よくあるパターン)



そりゃ 渋い味だろうね。 マンゴージュースに比べたら。 


確かに おばはんの言う通り これは マンゴージュースじゃなかったね。

さっすがぁ~ マンゴー通~♪  という私のイヤミで この話は 終わるのだった。



今度は「甘すぎる」 って 文句つけてこないでね。




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