花なんて その辺に咲いてる分には キレイでいいけど


売る方にしてみたら ありがたくも何ともない。


その理由は ただひとつ。 苦情がとっても多いから。


当コールセンターにおいては


生花 = 返品不可商品 = 苦情が多い = オペレーターがゲッソリ 


と この様な図式が成立している。


だから声を大にしていいたい。 花なんて 売っても 買っても いかんのだっ!


 そもそも 生花を通販で 売るなんて 無理があるのだ。


だって生き物じゃん。 どんなにテレビで 豪華絢爛に咲いていたって


実際届いた物が どう咲くかなんて  そんなの 花にしかわからない。


機嫌良く 咲いてくれればいいけどね・・・


”枯れて届いた” ”全部散ってた” ”花がさっぱり咲かない” ほら ゲッソリ。


そんな事は 花咲かじいさんにでも言ってくれ。


 

 ちょっと前に ここの通販会社で ”深紅の洋ラン・エドナ” という名前の花を売った。


まるで占いの館みたいな 妖しい ネーミングではあるけれど


真っ赤な花を咲かせる 珍しい洋ランらしい。


 「ほんとに こんな 赤い花が咲くの?」 テレビの放映が始まると同時に


おばさんが つっこんで来た。


さあねぇ。 咲かなかったら 潔くあきらめな。 人生に ハズレはつきものだ。


なんて 言えるハズもなく 


「個体差が ありますので 多少の 違いは・・・」 とか何とか ひたすら ごまかした。


そんな 煮え切らない返答が 気に入らなかったのか


 「ずいぶん ハッキリしないのねぇ」 と エドナのおばさんが 急に 不機嫌になった。


そうなのだ。 ここの客は いきなり機嫌が悪くなる。


会話のあちこちに おばさんの 逆鱗地雷が埋め込まれているから恐ろしい。


あくびは出るが 気は抜けない。 オペレーターとは 危険な仕事なのだ。


ところで このエドナおばさん。威圧感たっぷりの口調といい、声のしゃがれ具合といい


うちの実家の近所の人に そっくりだ。


 その昔 私の実家の すぐそばに 洋ランをこよなく愛する 感じの悪いおばさんが住んでいた。


ずっと家にいるのに いつでも厚化粧の 変な人で 周りからは 洋ラン婦人と呼ばれていた。


 そして私は この洋ラン婦人が とても苦手だったのだ。 


あぁ イヤな人を思い出してしまった。


 

「ハッキリしないけど まあいいわ。取り合えず注文するから」 とエドナおばさんがいきなり注文を始めた。


エーッ?  全く買う気無さそうだったのに? 文句つける為だけに 電話してきたんじゃなかったのー!?


おばさんがやる気になった時は すでに SOLD OUT。


そして エドナおばさんの 本日2コめの地雷が爆発したのだった。 アーメン。



やっぱり 洋ラン好きの ご婦人とは 相性悪いわ・・・・


                        にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ
                         にほんブログ村