3部 -4.先生とウソ、そしてメガネ ( 相櫻・櫻葉小説・嵐 ) | なうのこたつ保管部屋

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大好きな彼らの記憶を残しつつも、趣味な物語や日記、旅行記などを書いてる部屋です♪


【※無断に話や内容転写利用、画像利用はお断りします。別公式小説サイトにてオリジナル名にて上げています】


テーマ:先生と嘘メガネ
に、収録してゆきます♪


初めて↓
先生と嘘メガネ1.



おさらい↓
先生と嘘Ⅲー3








Ⅲ.-4 先生とウソ、そしてメガネ






「 もう行く? 」




キスばっかして唇が痛いぐらい




完全に離れてしまい
雅紀がハンドルに顔をこちらを見ていた







「 んだよ・・ 」




もう一度キスするのかなって
近づいて来て




「 大学行けば? 」



全く考えていなかった言葉に
オレは思わず雅紀へと視線を釘付けにする




今さら・・
何を言ってるんだろう


オレは卒業すれば店を継ぐつもりだし



確かに会いづらくはなるけれど
働く人間としてはそれは仕方がないんじゃ


親父だってずっとそうだった
それに定休日だってあるんだし





「 だからオレは店が 」




「 言いたくないけど、
もし店がダメになったら?君の保障は君にしか出来ないんだよ?



まだお父さんが元気なうちに
他の道も作っておいても悪くない 」




何・・その、
店がヤバいみたいな発言




「 うっせぇよ、だからオレが・・
継いで繋げて行くんだろ!!? 」




「 じゃあ・・オレとはずっと一緒に居ないんだね 」




え・・


雅紀の言葉に
何を意味するのか最初は分からなかった


けれど見つめる瞳の奥に
深く黒いようで薄く光るにび色の緑



繋げるには・・



「 翔があの店を大切なのは知ってる、
でもオレ達の関係じゃ繋げないよ 」



「 でも!そんなの今すぐに出す答えじゃねぇし、だって現に今は 」




今は・・
まだ離れたくない




この永遠に存在するような一年が
来年の肌寒い季節には失なり消えてしまうのかも




「 だからって・・
そんな時間稼ぎみたいな風に 」




そうだよ、
ただ雅紀と居たいからって

大学に行くとか親に悪いって言うか




「 ご両親とも話し合って決めよう、
翔の未来は無限なんだからさ。オレと居なくなったとしても


その先もずっと続いて行くでしょ? 」




エンジンが時折うなり
窓の外に白く曇ったような煙が時折吹き出し



そしてガラス窓に一瞬だけ張り付くように消えた





「 ・・でも、そんな事。考えた事もねぇから 」



そうだよ
そんな自分本位な気持ちで

進路を決めるとかねぇだろ




「 まだ子供なんだよ?・・ 甘えたら良いじゃん。それが許されるなら 」




オレの中に二人の人間がいて



一人は店を継ぐとずっと決心している自分


もう一人が雅紀と出会い
時を重ねたいと願う自分




甘えたいのに
甘える事さえも逃げる事に繋がりそうで



すぐ隣に居るのに手が伸ばせなかった




「 一年経った君を抱くのが夢なのに、もし側に居れなかったらってさ 」




そんな風に言うなよ
オレだって



「 ズルいよ・・
そんな風に言ったら、違う夢を見ちまうじゃねぇか!!


オレだってお前と居たいけど
弟も居るし。あいつには大学に行かせて普通に生きさせてやりたい 」





「 どうして、それを翔がしちゃいけないの? 」




どうしてって
オレは長男だし


ずっと親父の背中を見て生きていた



これからだって
そうするつもり思ってたのに




「 どちらも同じように大切な子供だと思うよ、ご両親にすれば


君が大学に行ってから道を決めても良いでしょ 」




なんだろ意味もなく
感情の区別が付かないままで涙で車の中が雨の日みたいに



陥没したような水たまりの中に居るよう





分からねぇよ・・・お前には、
あの背中に見た景色がオレの背中を引っ張るようにフラッシュバックし




過去にみた景色を思い出させていた
父が請求の日に頭を下げ待ってもらっていた姿を



ふたりの給食費さえ払えなくて
母が学校に呼び出されていた事も



今、こうしてやっと・・
普通の生活が送れているのは


父と母が家族が必死に頑張ったからで




「 ・・お前には・・分かんねぇよ・・ 」




涙をためていた視界が
急に真っ暗になったのはオレの頭ごと雅紀が腕をまわし



自分の胸へと抱きしめてくれたから





「 親は子供を幸せする義務があるんだよ、だから君は笑って信じた道を行けば良い



でも、それはまだ今じゃない・・ 」




心臓の鼓動を聞きながら
オレは呼び出された電話と


母が隣のビルに行かせた意味を考えていた



いつもなら
未成年だと母が行く事が多いのに


今夜だけは当たり前のように行かせ
オレは葉の雅紀にこうして送られている




「 まだ・・教師なのかよ、、
オレの恋人だから来た訳じゃなかったのかよ・・ 」




「 翔・・ 」




夢なんかクソくらえだ
オレは店を守り、父の後を歩いていく


それで良いじゃないか




車のロックを外し
そのままカバンを乱暴に持つと車を出て走り出した



車内の暖かさとは違うような頬を切るような冷たい空気が



肌けさせたシャツの中へと流れ込み
涙は寒さのあまり頬へと流れる途中で冷えて乾いてしまった























・・・つづく


the思春期


なうのお話は
こんな風に親と子供について

考えながら
腐る物が多いです


子供のうちは
子供にしか分からない


親になると
親の気持ちは分かるけど

子供の頃の記憶が薄くなる


そんな思い出を
なんとなく掘り返しながら
夜道を歩いた記憶で書くような
そんな感じです


あ、ひよこまんじゅうは
多分偶然だと思います

大きさによって
賞味期限が変わるんじゃなくて
入れたタイミングかな?


なう




・・・

これからゆっくり
オレ鳴や
きか飴、他新章を
アップしてゆきます↓
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