修行生活 )王子は王子に食べられる?126 ( 相櫻小説 | なうのこたつ保管部屋

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初めて桜屋↓
桜屋1.





おさらい↓
桜屋125






・・・

126..王子は王子に食べられる?






なんだ・・これ、すげぇキレイ




じぃちゃんの家は昼は暖かで居心地が良かった

なのに夜になる突然お化け屋敷みたいになって怖くて




ひとりで寝ると強がって見せたのに

夜中になるとばぁちゃんの布団へと潜り込んでいた



店が休みになる盆休みだけに遊びに来ていた





「 そうだ思い出した、

店を閉める前からじぃちゃん達はここに来ていたんだ 」




大好きなばぁちゃんの身体を労わるように

あんなに仕事一筋だったじぃちゃんは、ばぁちゃんが大切だった



どんなに夢中になっても

譲れない心がある、それが仕事にも愛情として表れるんだろうか?





「 雅紀・・オレさ、やべぇかも 」




どうしたの?と心配し背中の引き戸を閉めてから

オレを抱きしめる腕がまわさて来た





こんなに誰かに好きだとか言われて

それが本当なのか冗談なのか気付かないフリをしていただけなのかも





温かな背中の温度

ふたりで居ると溶けるみたいで




ゆっくり振り返り雅紀を少し見上げる





「 翔ちゃんの真っ黒な瞳の中に、イルミネーションが流れてるみたいだ 」




「 ・・どうして、ううん。んでオレが好きになるのを待ってた? 」





こんな風に言えば、またそうじゃないって否定されそうだけど



こいつにはこいつなりに

きっと真剣にもっと大切にしてくれる女の子だっていた筈だ




オレを抱きしめ肩に顔を埋めてくる




「 ふふ、また何度もだね 」




そう耳元で笑い

そんなところも可愛いけど



、なんて余裕の声色に背中が冷やりとしたような。雅紀にオスを感じてしまう自分




「 本当の恋なんて一度きりじゃない?・・

人間なんだもん体温を求めるよ。でも本当の心の奥まで響くのは生涯に一度きりだと思ってた 」




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甘い匂いが残るのは

オレを必死で追いかけて来てくれたから



桜屋の和菓子の匂いとは違う、

雅紀の匂いになっている香りがフッと離れ腰を低くしオレを子供をあやす様に見上げる





「 なんでだよ、もしかしたら次にもっと好きなヤツが現れたらどうすんの? 」





こんな事を言うのは

きっと自分の中で、言わせたい気持ちでいっぱいだからで





雅紀は靴を脱ぎ

板の間に上がって飾った星型のイルミネーションに触れる





「 ねぇここさ、何も灯りがないと凄く怖くなかった?

オレも暮れてから来たけど大きめの懐中電灯でも怖かったからさ 」




それはさっきオレが思い出していた気持ちと同じ



ただの何もない影から

何かが伸びて来てオレを捕まえようとする気がして怖くて



じぃちゃんに笑われても、ばぁちゃんの布団で目だけを出してた




「 でもこのイルミネーションがあれば全然違わない?

すごくキレイでずっと見ていたくなる。



古い友達がいてね

親父の店を継ごうとするのが、とても狭い世界な気がしてたオレを



それも大切な夢の続きなんだって気付かせてくれた 」





雅紀がそんな風にオレに話しをするのは珍しい

GREEN CREAMの裏にある駐車場だって、



最近になって知ったくらいだ




考えれば

オレはこいつの事を知らな過ぎるのかもしれない




「 オレだってじぃちゃんの店を継ぐのが、

って言うか。あの味をこの世界から消すのが嫌で



でもオレには准さんが居るから、まだマシかもしれないけど同じだぞ 」





オレも上がるように手を伸ばされ

スニーカーのかかとに指を入れ片足ずつで高い段差を上がった





「 うん、

でも継いだことに後悔は無かったんだけど



あぁ、ずっと同じ様に生きて行くんだなとは思ってたよ 」





同じ様に生きる、

オレは・・



雅紀の想いに涙が頬をつたう




「 どうしたの?どうして翔ちゃんが泣くの? 」




お前の気持ちが

すげぇ死ぬほど分かって



オレは



「 オレは自分の親父が苦手だった、じぃちゃんの店も継がずに家族にも見向きもしないような人生が 」




オレは毎日家族が同じ席に着き食事をして

金がなくても、ただ公園でキャッチボールをしたり


散歩で終わるような毎日が羨ましかった




金がないと何も出来ない時もあるけど

無理な生活なんかよりも、ばぁちゃんの布団で寒い時は眠るような



新型のエアコンなんか

どうでも良かった。だから大学を卒業すると親父の反対を押し切って



本格的にじぃちゃんに弟子入りし、桜屋を始めた




「 でもさ、この星の光みたいに

翔ちゃんと出会えた瞬間、景色が変わったんだよ?嘘みたい


まだ何もしてない

話もしてない、それに男なのに


それも全部突き抜けて世界が弾けた気がした

オレはあそこで翔ちゃんを待ってたんだよ 」






オレを待ってた?





出会うかも分からないのに

ずっとオレを?




「 でも・・ 」




言いかけて唇に指で止められる





「 待ってたんだ、それだけで良くない?だから逃がさないよ 」





パーカーのファスナーがそっと静かな空間に

古い映画のような音をたて開き




オレはおいでと中にそっと誘われ抱きしめられた






















・・・つづく




くう・・・

久しぶりに


桜屋らしく書けた気がする



後記あとでくるね!!

ひぃい行かないと




なう



23時まで開けております

次回はイチャリます





・・・・・・・・



これからゆっくり
オレ鳴やzero
きか飴、他新章を
アップしてゆきます↓
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