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◆ こんばんは、龍司です。

本日は、伝説のディスコ「ジュリアナ東京」のお立ち台を支配した

20世紀最後のディスコクイーン荒木師匠

∞最前線通信に遊びに来ていただきました。

23日の記事「折口雅博氏のセンターピン理論 」にコメントをいただきまして、

あらためてブログのパワーを感じております。

シアトルでビジネスをおこなうトレジャーネット社長のHiroさん

ブログ経由でお立ち寄りいただきました。

私は、ジュリアナムーヴメントには、

Sex Pistolsにも通じる優れたポストモダンマーケティングセンスを感じており、

今でもよく思い出します。

今度、このことについて記事にしてみますね。


◆ ところで、 みなさんはソニー の製品を使ってますか?

私は数年前までソニーファンだったので、

今でもかなりのアイテムを持っております。

パソコン、テレビ、ステレオ、デジカメなどなど。


ところが昨日、

ソニー の2005年度(06年3月期)第1四半期(05年4-6月期)連結決算の発表があり、

152億円の赤字」という内容でした。

CNET Japanの記事はこちら

※ソニー、NEC、東芝など電機大手6社が最終赤字


先日ビジネスウィーク誌が発表した企業ブランドランキングで、

ソニーは前年の20位から28位に後退


野村証券は29日付で、

ソニー(6758 ) の投資判断を「3」から「4」に引き下げました。

時代を創造したソニーがデジタル時代への適合に苦しむ

と題するリポートを発表。(ライブドアニュース


ドイツ証券は29日付で

ソニー (6758 ) の投資判断「売り」を継続しました。


ソニー株が急落し、年初来安値を更新。

ソニーショックNIKKEI NET )


テレビ事業が苦戦しているようです。

デジタル家電の売れ行きは好調ですが、

競争激化や半導体価格の下落などから薄型テレビで

年間3割程度価格が安くなっているんだそうです。

今回増益となった松下とシャープは、

薄型テレビのブランド価値も高めていて、

この低価格化の影響を避けられましたが、

ソニーは薄型テレビへの参入に後れを取ってしまったことが原因なのでしょうか。


私個人的にも、ここ数年で

ソニーへの関心はかなり弱まってしまいました。

それは単純にテレビで苦戦しているとか、そういうレベルでのことではなく、

ハード自体にはあまり重要性がなくなってきている、

という時代の流れによるものかもしれません。


発展途上の産業資本主義の時代には、

モノが完成されておらず、また数も充分に供給されてないため、

モノ自体が「ありがたいもの」であり、

少しでもカッコいいモノがあれば、「大ヒット」したかもしれません。

しかし、ポスト産業資本主義の時代を迎えた最近では、

モノは有り余ってますし、どの商品もそこそこカッコいい。

どの製品でも性能が向上している・・・・現代では、モノ自体よりも、

モノをどう活用するかが重要になってきているように思います。

ハード自体は、どんどん値下げ競争にさらされていきます。

その一方で、ソフトやモノを活用したサービスで、

ユーザーに衝撃を与えられる人は高い収益を上げられます。


私が、この傾向を強く感じたのは、

アップル社のiPodの登場によってでした。

3月7日の記事 にてお話しましたが、かつて出井氏が

「デジタルドリームキッズ」というスローガンを掲げていた頃の

ソニーには、まだまだ最前線の活気がありました。
しかし、かつてソニーの「ウォークマン」という携帯型音楽プレーヤーが

時代のシンボルであったにもかかわらず、

iPodに簡単にシェアを奪われてしまいました。

安藤氏が仰っていたように「本来なら、ソニーこそが

最初にやっていなければいけないことだった」はずなのですが。


ソニーは、自社が大きくなりすぎてあまりにも多くのモノ、

事業を持ってしまっていること自体がネックとなっていたのでしょう。
ソニーは、実はiPodのようなダウンロード型の携帯音楽プレーヤーを

既に1999年に発売していますが、

ソニーはグループ内に音楽ソフトを作る音楽事業会社も持っていたため、

複雑な著作権保護のガードで固めてしまっていて、

非常に使い勝手の悪い商品でした。

私自身も持っていたのですが・・・


iPodが流行っているのは、iPodという携帯型音楽プレーヤーという

モノ」自体の人気というよりも、

iTunes Music Storeで準備された多くの曲を

ネットで気軽に買って楽しめるというサービス全体が人気なのだと思います。

いくら良い音楽プレーヤーをつくっても

聴ける曲が限られているのでは人気も出ないでしょう。


時代の流れが、「製品」よりも「製品を利用したサービス」へと

重要度が移ってきている現代、

ソニーは安く利用されるだけの企業になりかねません。

ジュリアナの頃、「かつての」巨人としてからかわれたJames Brownのように

James Brown Is Dead を歌われてしまうかもしれません。

(Sony is dead?)


話は戻りますが、ジュリアナ東京には、

モノが過剰になった時代に、モノを活用する、

あるいは浪費する衝撃があったと思うのです。

様々な既成の曲の一部分をカットアップし、

何度もループさせてグルーブを作って踊り楽しむという

あの音楽のあり方、荒木師匠がお立ち台で踊っているあの姿に

当時の私は「未来」を感じておりました。

そして10年経った今から来年、再来年にかけてこそ

ジュリアナの音楽のような衝撃をビジネスの世界で

感じられる時代なのかもしれません。

ジュリアナ東京は、今ではもう存在しないディスコですし、

時代も変わりました。

しかし、あのジュリアナムーヴメントの中に、

重要なヒントがいくつも隠されているような気がして、

私はよく思い出しているのです。


▼先日もお話しましたが、

ジュリアナを成功に導いた折口 雅博氏の新刊です。

ジュリアナ立ち上げ当時のエピソードも載っております。

折口 雅博
「プロ経営者」の条件

追加(9月22日)・・・・

ソニーは、1万人の大リストラ計画を発表しました

(CNET Japanの記事は、こちら !)