Clover(9) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

彼の家に泊まるのは


本当に久しぶりだった。



暖人がここに来てからは


初めてだった。



「じゃあ、明日は日もいいから。 出してこようか、」


書き上げた婚姻届を手にして樺沢は言った。



「あれ? あたしなんか大事なこと忘れられてる気がするんだけどー、」


香織はわざとらしく含みを持たせた言い方をして首をかしげた。



「どきっ・・・・」



樺沢は胸に手をやって



「あっと・・・・指輪は・・・今度。 うん、今度の休みに買いに行こう。」


何も用意をしていないことに気づいた。



「指輪なんか。 どーでもいいの。 もっと大事なこと忘れてない?」


香織は鈍い彼に少しイラだった。



「あ・・・・。 ああ、そうそう。 ここも狭いから。 引越し先も探さなくちゃな。 ウン、この近くでいい物件探しとく。」



「ちょっとお・・・わざと忘れてるよ、この人は。」



香織は樺沢の耳をぎゅっと掴んだ。



「いででで! ほんとわかんないよ。 なに???」


「なにじゃないよ・・・。 あたし。 ハルにはプロポーズされたけど。 カバちゃんからはまだなんですけど、」



香織は頬づえをついて、組んだ足をブラブラさせて投げやりに言った。



「え・・? プロポーズ? ・・・あ~~。 してなかった?」


実はしてないことはわかっていたものの。


今さら・・・と思ったりもする。


「してないよー。 してくんなかったら、あたし一生言い続けるよ。 『ハルにはしてもらったけど、カバちゃんからはしてもらってなーい!』って。」



「なんかさあ・・・照れるなァ、」


香織は彼の腕にすがりつくようにして


「ね、すっごいの頼むね。 一生忘れられないような、」


おもしろがって言った。



「あ~~~~。 さらにハードル上げられた・・・。 」


樺沢はゴホンゴホンと咳払いをしたあと、



「・・・香織のことが。 大好きだから。 一生・・・・一緒にいよう。 たぶんおれのが先に死んじゃうと思うけど。 ぜったいに香織と生きられたこと、幸せに思って死ねるから。」



彼女の頭を引き寄せるように抱き寄せた。



「もー・・・。 なんか。 先に死ぬとか。 縁起でもないなァ。」


香織は彼の首に抱きつくように甘えた。



ただの男と女に戻って


こんな風になれるときがくるなんて思わなかった。



「カバちゃんに会えてよかったー。 ハルにも会えてよかった・・・・。 うん、きっと・・・ハルが来てくれなかったら、あたしカバちゃんと結婚まで考えられなかったかもしれない・・・。 またウダウダして結局別れちゃったかもしれないし。」



香織はつくづくそう言って、そっと彼の頬にキスをした。



「そうだな・・・・」



樺沢も同じことを思った。



ハルはおれたちのキューピッドだ




暖人のおかげで香織と樺沢に『ほんとう』の幸せがやってきました…




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