Overflow(3) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

とても


信じられない気持ちだった。



あれだけ自分たちの仲を反対していた拓馬の父が。



「・・・どうか・・・。 ろくでもねえ・・息子ですが。」



大きく頭を垂れて。



詩織は慌てて


「・・そんな・・そんなことしないでください、」


申し訳なくなって自分も腰を屈めた。



「こんな立派な家に・・・息子を貰ってもらおうなんて・・図々しいですが。 それでも、おれは・・・あいつを真っ直ぐに育ててきたつもりだ。 どーしようもないヤツだったけど、なんとか世間に出しても恥ずかしくない息子にはなったと思う。 どうか・・・、」



頭を下げるだけでは足りないというように


拓馬の父はいきなりその場に土下座をし始めた。



「・・お父さま!」



詩織は同じようにしゃがんで拓馬の父の肩に手をやった。



「お願い・・します。 拓馬を・・・・・」



泣いている顔を


見られないように


顔が地面につくくらいに頭を下げた。




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拓馬は


その話をすぐに信じることができなかった。



あの


オヤジが。




小さく首を振った。



「お父さま・・・本当に必死に私に言ってくださって。 もう・・どうしていいかわからないくらい、」


詩織はその時のことを思い出して、声を震わせた。



「・・・ゆっくり・・考えさせてくださいって。 そう申し上げたんですけど。」





もう


時間があまりなさそうですから。





父はポツリと最後にそう言い残したと



詩織は小さな声でそう言った。




拓馬は瞬きをするのも忘れてしまいそうなほど


驚いた。



父が


自分の命の限りを知っている



誰にも


言わずにひっそりと


その事実を受け止めている・・・・




「・・・バカやろう・・・・。 ほんっと・・・素直じゃねえし、」


拓馬は彼女に背を向けるようにガラスに額を押し付けた。


ガラスに映ったその顔は


泣き顔で歪んでいた。




父は自分の命の限りを知り、詩織に拓馬との結婚を願いに行きました…(ノω・、)




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