Let me have a dream(5) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「・・・まだまだ半人前です。 口だけは一人前ですが、ロクに修行もしてませんから、」


拓馬の父は息子のことになると急に表情を険しくした。


「とても明るくて、優しい息子さんで。 私もついつい甘えていろいろ直してもらったりして。 いつも気持ちよくやってくれるものだから。」


詩織の祖母・八重は微笑んだ。



「・・なんでもハンパなんです。 高校出てやることもなくフラフラして。 しょうがなく現場の手伝いを始めたってもんですから。 仕事に対する姿勢もまだまだです。 いい年をして結婚もせずに、責任も負えないし。 どうしようもない息子です、」



父は厳しくそう言った。



「そんなことありません。 いつもご両親の躾が行き届いていることがとても感じられて。」


拓馬のことを褒めてもらえばもらうほど


いたたまれなかった。



「・・・・外面がいいだけです、」


ボソっとそう言って、小さく会釈をしてその場を去ってしまった。




仕事を終えた拓馬は


「じゃあ、おれ電車で帰るから、」


荷物だけ父の軽トラに乗せてそう言った。


父はジロっと彼を睨んだあと、黙って運転席に乗り込んでエンジンをかけた。



この頃は彼女に会うために朝も一人で先に行き、帰りも父とは別々に帰る。



会社帰りの彼女と近くのコーヒーショップで待ち合わせて、1時間ほど話をするのが日課になった。




なんとか付き合い始めてひと月が経った。


友永邸の工事は順調に進み、予定の3ヶ月を待たずに終わりそうだった。


工事が終わればこんなにひんぱんに会うこともなくなってしまうことがわかっていた二人は


少しの時間でも惜しかった。



しかし。



いつものように詩織とお茶を飲んだあと、実家に寄ろうとすると


玄関先で父が待ち構えていた。



「・・なんだよ・・・」


その姿が異様で思わず言ってしまった。



「・・おまえ。 友永のお嬢さんと・・・どうなってんだ。」


腕組みをして既に怒っているような表情で父は言った。



「え・・・」



「まさかと思うけど。 お嬢さんに手出ししたんじゃねえだろうな!!」


ハッとした。


「手出しって・・」


思わず半歩下がってしまった。


「そんなことになったら承知しねえぞ!! おまえたちの間になんかあることくらい、おれだって前からわかってた!」


拓馬は目だけを父に向けた。


黙り込む息子に父の苛立ちはどんどんエスカレートしていく。


いきなり拓馬の胸倉を引っつかんだ。


「おめえ。 わかってんのか!! あのお嬢さんとおまえとは人間とアリンコくらい違う! あれほど近づくなと言っただろう!!」



その大声で母が出てきた。



「なにをやってるの・・・」


しかし父はそれに構わずに拓馬のシャツを掴んだ手に力を入れた。



「もう金輪際お嬢さんに近づくな!!」


その言葉で拓馬の何かがキレた。


父の手を思いっきり振り払った。


その勢いでもう力では太刀打ちできない父はよろめいた。


「・・おれは。 彼女が好きだ!! 真剣につきあいたいと思ってる!」


そして真っ直ぐに父を見てそう言った。




父は二人の『異変』に気づいていました。 そしてとうとう怒りが爆発して・・・



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