Morgen~明日(17) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「はいよ。」



志藤は遅くまで仕事をする斯波のデスクに歩み寄り、缶コーヒーを手渡した。



「あ・・すんません。」



タバコを消してそれを受け取った。



斯波は真尋のCD制作の企画書をレコード会社に持ち込むための準備をしていた。




「なんとか。 いいモン作りたいよな、」



志藤はポツリと言った。



真尋がウイーンで必死に頑張ってきたことが


こうしてカタチになるのが本当に嬉しい。



「本当にいい曲です。 たくさんの人に聴いて貰える場を作りたい、」



斯波は小さな声だったが、しっかりとそう言った。



「南が帰ってくればなあ。 営業もバンバンやらせるのに。 ここは泉川に頑張ってもらうか、」



志藤が笑うと、斯波はふと



「・・・彼女は・・・・」



思わず口から言葉がこぼれた。



「え? 南?」


志藤が聞き返すと、急に我に返ったように



「・・いえ、なんでもないです。」



と、また仕事を始めた。



シンとした部屋にパソコンのファンの音が響いていた。




「あ、斯波さん。 こんにちわ。 どうぞ、」



打ち合わせで斯波は初めて真尋のマンションを訪れた。


絵梨沙が竜生を抱いてにこやかに出迎えた。



「・・ども、」


いつものように言葉少なく、小さく会釈をした。


「真尋、ちょっとタバコ買ってくるって言ってたんで。 すぐ戻ると思います。」


絵梨沙は竜生をベビーベッドに寝かせて、そう言った。


「・・そう、」


「斯波さんはコーヒーと紅茶はどちらがお好きですか?」


絵梨沙にそう微笑まれて




もうどっちでもいいよ・・・。



いまだに彼女の目をきちんと見れなかった。



「・・どっちでも、」


ぶっきらぼうにそう答えた。


以前の絵梨沙だったら、彼のそんな態度にドキドキしたものだったが


今は彼の人となりがわかってきて、



「じゃあ。 コーヒーでいいですか? 真尋が好きなので、いつも豆から挽いて淹れているんです。」


彼のそういうところが気にならなくなっていた。



あれから絵梨沙のデュエットの練習も順調で、コンサートに向けて頑張っている。



「真尋が、CDのオリジナル曲をコンサートで弾きたいって言ったのを斯波さんが後押ししてくれたって言って。 すごく喜んでいたんです、」


コーヒーのいい香りが漂ってきた。



「いや、おれは・・・」


斯波はそんな風に褒められて恐縮した。



「・・天才だとか。 いろいろ言われますけど。 真尋のピアノを仕事として理解して下さる方は・・けっこう少ないんです。 あの人はすごく自分を持っている人だから・・・。 仕事を依頼されてもなかなか合わなかったりしてお断りすることもありますし。 志藤さんともいつもケンカだし、」


絵梨沙は淹れたてのコーヒーをカップに注いだ。




斯波もようやく事業部に馴染んできたようですが、やっぱり南のことが気になる??




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