「い、意識って・・」
そしてうろたえた。
「もー、いっくらエリちゃんが美女だからってさ~~~、」
豪快な彼女は
豪快な指摘をした。
「なっ・・!!」
斯波はさらに引いてしまった。
絵梨沙の視線がさらに彼に向かうと、もう耐え切れずに
「・・・や・・・。 苦手・・つーか、」
斯波はまた彼女に背を向けるようにしてしまった。
「は??」
志藤と絵梨沙は同時に聞き返した。
「・・・美女すぎるのは。 苦手・・です、」
そして、聞き取れないほどの小さな声で言った。
「はあ??」
志藤がまた聞き返した。
それにブチ切れた斯波は
「なんっか・・彼女のその視線が! 恥ずかしいんですよ!!!」
思いっきり彼に向き直ってヤケになってそう言った。
しばしの静寂の後。
香織と志藤はいきなり大きな声で笑い始めた。
「だからっ!!」
斯波は笑われてさらに赤面した。
「・・は~~~、それでかあ。 エリちゃんがおまえに嫌われてるんちゃうかーって。 ぜんぜん目も合わせてくれへんとか言うて。」
「見かけによらず。 純情なんだね~~~。 まあ、確かに美女から見つめられると緊張しちゃうけどねー、」
絵梨沙はようやく意味がわかって、戸惑った。
「よかったなあ、エリちゃん。 嫌われてたんとちゃうかったみたいやで。 『美女が苦手』だけやったみたいやで、」
さらに志藤に解説されて
「もーいいからっ!! さっさと打ち合わせを済ませて!!」
斯波は耳まで真っ赤になってしまった。
絵梨沙はおかしくなって口元に手を当ててクスクスと笑ってしまった。
もう怖いばかりの人だと思っていたのに。
彼のことを知れば知るほど
すごくあったかい人だってことがわかって。
ぶっきらぼうだけど、思いやりがある人なんだ・・・
絵梨沙は斯波を微笑ましく見ていた。
いっときの緊張した日々から一転して、穏やかな時間が訪れたころ。
「グッモーニン!!!!」
午後3時だというのに、そんなあいさつで
そして
窓ガラスがビリビリといいそうな高周波な声が響き渡った。
斯波はびっくりして顔を上げた。
「や! 久しぶり!」
南が満面の笑みでそこにいた。
「・・・み、南ちゃん???」
香織はイキナリ彼女がここにいることに若干の違和感を感じつつ近づいた。
「かおりーん! 久しぶり! 帰ってきちゃった!」
南は彼女に抱きついた。
硬派な男の弱点でした・・・。そして『この人』が帰国して・・・
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