Danke~ありがとう(17) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

絵梨沙は翌日の練習にもやって来た。



斯波に会うのは気が引ける思いであったが


やっぱり途中で放り出すようなことは、もうしたくないと思った。



「昨日はごめんなさい。 今日もよろしくお願いします、」


絵梨沙はずっと年下のミナにきちんと頭を下げた。



「え・・、いえ・・。 そんな。」


ミナの方が恐縮してしまっていた。



ひょっとして気持ちのどこかで


自分が上のように思っていたかもしれない。



ブランクのある自分はもうウイーンのコンクールで優勝した沢藤絵梨沙とは


違うのだ。




この日はなんだかミナのヴァイオリンがすごくよく聴こえる気がした。



19だなんて思えないほど


彼女のテクニックや表現力は素晴らしかった。



自分はこの彼女のヴァイオリンの良さを引き出そうとか


思っていただろうか。



絵梨沙は素直に反省することができた。


ずっと前に真尋とピアノデュオをしたときに


彼が気づかぬうちに自分のピアノに合わせてくれていることに気づいたのはだいぶたってからだった。


まるで自分のピアノを包み込んでくれるように、追いかけているようで


自然に乗せてくるような。



彼女のヴァイオリンの音に乗せて・・・・



絵梨沙はものすごくゆったりとした気持ちでピアノを弾くことができた。



斯波はそんな彼女を静かに見守った。




演奏を終えた後、自然に絵梨沙はミナと顔を合わせて微笑んだ。



「ま。 形にはなってきたけどな、」


斯波はすぐに褒めるようなことはしなかった。



そこに



「・・ちわーっす・・・」


真尋が現れたので驚いた。



「真尋・・・」


絵梨沙は立ち上がった。


「さっき会社に寄ったから。 その帰り。 どーしてっかなーって。 おれも見てっていい?」


真尋は斯波を見た。



斯波は無言で小さく頷いた。



真尋は腕を組んで壁にもたれながら彼女たちの演奏を聴いていた。



しかし途中で


「あ、ごめん。 あのさ、」


真尋がいきなり止めてしまった。


絵梨沙は余計なことをしでかして、また斯波の機嫌が悪くなるんじゃないかとハラハラしたが


真尋は構わずに



「絵梨沙はちょっと引きすぎじゃない? 小さく弾くことが彼女のヴァイオリンを引き立たせるってことじゃないよ、」


と注意した。


斯波は黙ってそれを見ていた。




絵梨沙は落ち着きを取り戻したようです。そして真尋が現れて・・・



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