Danke~ありがとう(10) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

ライターをしていた人だとは聞いていたけど。



絵梨沙は本当に斯波の佇まいが怖かったが、おそるおそる彼を見てしまった。



スーツじゃなくて


革のライダーズジャケットにジーンズといういでたちで


おおよそ会社勤めとは思えない格好だった。


無精ヒゲのような一見ふぞろいのヒゲが印象的で


眼光は鋭いのだが、ずっと目を合わせてこないので


もうそれが怖くて怖くてどうしようもなかった。



「・・目つき悪いって・・・」


志藤はその異様な雰囲気を察して斯波の背中を叩いて笑った。



「さっ・・沢藤絵梨沙です・・・。 はじめまして・・・」


そしてようやく声を出すことができた。



「・・・また。 ダンナの方にも挨拶に行きます。 よろしく、」


とにかくボソボソと低い声がまた怖かった。




彼が去った後、意味もなくほーっとして緊張が解けた。


ハンパない緊張感だった。



それを察した志藤は



「あんなやけど。 ぜんっぜん怖くないから、」


と絵梨沙に言った。



「す、すごい迫力でしたけど・・・」


「無口やけど。 ほんっまに音楽のことに関してはよう知ってる。 おれよりプロやなあって感じ。」


「志藤さんよりも??」


「ウン。 さっきは言わなかったけど・・・。 音楽評論家の斯波宗一郎っているやろ? あの人の一人息子やねん、」



絵梨沙はもちろんその名は知っていた。



日本でも有名なクラシック音楽評論家だった。


「え・・・あの斯波さんの?」


「でも。 ようわからんけど・・・。 あんまり父親のことよう思ってなくてな。 それ言うと嫌がるねん。」


「そうだったんですか、」



それでもあの『インパクト大』の彼の容貌がキョーレツすぎて、絵梨沙はまだ心臓がドキドキしていた。



「でも。 ああいうヤツが入ってくれて。 これから事業部もどんどん新しいことやっていきたいしな。 真尋やエリちゃんも今までになかったような活動もして欲しいし。」



志藤は嬉しそうに微笑んだ。



絵梨沙はまた自分が事業部にどれだけの損害を与えてしまったのかと思う。



志藤さんをはじめ、みんな本当に頑張っているのに。



あの時は自分のことしか考えられなかったけれど、仕事をたくさんキャンセルさせてしまった時は


混乱させてしまったに違いないのに。



誰一人自分を責めなかった。




もっと。


もっと頑張ろう。



もう自分だけのためにピアノを弾くんじゃなくて、事業部の一員になったつもりで頑張ろう・・・




絵梨沙は気持ちを新たにした。




斯波はのっけから怖すぎるオーラを思いっきり発していました(^_^;)



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