Danke~ありがとう(8) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「もちろん徐々にピアノの仕事もやってもらうかもしれないけど。 とりあえず、復帰作にはこのくらいでいいんじゃない?」


「・・はあ・・」



絵梨沙は自分で言い出したこととはいえ、不安だった。


それに。


仕事をしたい、と志藤に頼んだことはまだ真尋には内緒だった。



しかもこんな仕事なんか・・許してくれるかしら・・



絵梨沙は足取り重く家路についた。



「あ、おっかえり~。」


真尋は自宅のピアノを軽く弾いていた。



「・・ピアノ・・・」


日本に戻ってきてからずっとピアノに触っていなかったので少し驚いた。



「ああ。 ちょっとは指慣らししとかないとね・・・。」



真尋が燃え尽きてしまったんじゃないか、と思って少し不安だった。


この先あんな風にピアノに向かう時がくるのかと心配していた絵梨沙は嬉しそうに微笑んだ。




「志藤さんの話ってなんだったの?」


と、先に聞かれて


「あ・・・あのね。 あたし・・志藤さんに何か仕事をやらせて欲しいって・・お願いしていたんだけど、」


おそるおそる話し始めた。


「え、」


真尋はピアノを辞めて絵梨沙に振り向いた。



「・・今度創刊される主婦雑誌の・・・インタビューとグラビアのお仕事を・・いただいて、」



と、ファイルを差し出した。



「はあ???」


真尋は驚いてそのファイルを開いた。



「・・ピアノのお仕事だと思っていたから・・・こんなモデルみたいなこと・・無理かなって思うんだけど、」



創刊号の見本をパラパラと無言で見る真尋の反応をうかがってしまった。



「・・やっぱ。無理かしら、」


絵梨沙は不安そうに言った。


しかし真尋はそれをぱたんと閉じて



「え、なんで? いーじゃん、やれば。」



と、あっけらかんと言った。



「え・・・」



「絵梨沙は子供産んでもぜんっぜんキレイだし。 スタイルも変わってないし。 ピアノなしでもいけるよ。」


笑顔でそう言われた。


「・・真尋・・」


「ま、ヘンなオヤジとかが見るエロ雑誌じゃねーし。 きわどくもないだろうから、」


真尋はアハハと笑った。



「き、きわどくなんて・・」



「絵梨沙は。 すげーキレイなんだから。 おれだってすげー自慢したいし。 こういうこともやってみたらいいと思うよ、」


真尋はまたピアノに向き合って弾きはじめた。



すごく気持ちが軽くなった。


今までピアノしか知らなかった自分が


何とか新しいことに一歩を踏み出すことも



真尋を見ていると少しはできそうな気がしていた。



絵梨沙はもう一度前に出る決心をしました・・・


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