Licht~光(4) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

医師から


しばらくまた入院するように言われた。


もう立っているのもつらいはずだと言われた。


真尋はその言葉にうな垂れるだけだった。




絵梨沙は夜中に時々ぐずる赤ん坊の世話を焼いたりしていたが、少しだけウトウトと眠ることができた。



ふと


気配を感じて目を開ける。



暗い中でその影を見ただけで


「真尋・・・?」


彼だということがすぐにわかった。




「・・絵梨沙・・」


すぐに起き上がってサイドランプをつけた。



灯りに浮き上がったのは憔悴しきった彼の顔だった。



「・・真尋、」


「・・ごめん・・・。 遅くなって・・・」


「ううん・・・。 大丈夫。 ずうっと南さんがついててくれて・・・。 明日にはママも来るから、」


絵梨沙は笑顔を作った。



真尋は傍らのベビーベッドにすやすやと眠る赤ん坊に目をやった。



「・・こいつかァ・・・」


初めて我が子と対面し、何だかくすぐったいような気持ちになった。



「指が長くてキレイなの。 真尋にソックリ、」



赤ん坊がふにゃふにゃと手を動かした。



「すげえ・・ちっちぇえな・・・。 でも、ちゃんと動いてる・・・。」


思わず頭をそっと撫でた。




たった今生まれて


これからもう未来しかないこの赤ん坊の命と



もうすぐ消えてしまう命と



ふたつ目の前にして真尋は胸がいっぱいになった。



「・・人間。 生きていられる時間って・・・。 ほんの少しなんだな。 どんなにあがいたって、『その時』は必ず来る。」



「・・先生は・・」


絵梨沙はシェーンベルグのことを気にした。



「また明日から入院だ。 痛みがハンパないらしくて。 ほんとならもう立ち上がるのも無理だって先生が。」


「そう、」


真尋はいきなり絵梨沙をぎゅっと抱きしめた。



「はー・・・・。 あったけーな。 あったかい、」



耳元でもう息だけで


泣きそうな声でつぶやく真尋が


たまらなく痛々しくて



絵梨沙はぎゅっと抱きついた。



あたしは


どんなことがあっても


あなたのそばにいるから。


何も考えないで


あなたの好きなことをしていてほしい。



全てを抱きしめるみたいに


何度も


何度も


キスをした。


真尋は精神的にも肉体的にも限界に近い状態でした・・・。


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