Licht~光(3) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「・・そっか。 ありがと。 助かった、」



真尋がその知らせを受けたのは、赤ん坊が生まれて3時間ほど過ぎた頃だった。



「おっきい赤ちゃんでさー。 新生児室で見せてもらったんやけど、他の子よりも大きいの。 エリちゃんほんまがんばったんやなーって。」


南はほっとしたように言った。



「あとで。 ジイさんを病院に送って行くから。 その時に行くよ。」


「うん、」



真尋は淡々としていて、南は少し気が抜けた。



いつもの真尋なら



『えー! ほんと!? すっげー! 』



なんて子供っぽい反応で大喜びするだろうに。




今の状況がかなり彼にとって精神的につらいのかがわかってしまった。




一晩中陣痛に耐えていた絵梨沙は、そのあとスヤスヤと眠ってしまった。


目を覚ましたらもう夕方だった。



「あ、起きた?」


南の笑顔が目に入った。



「・・もう・・夕方・・?」


「うん。 さっき。 赤ちゃん連れてきてくれたんだよ。 よく寝てる、」


傍らにベビーベッドがいつの間に運ばれていた。


さっきまで自分のおなかにいたなんて信じられない。


絵梨沙はゆっくりと起き上がった。



「・・かわいい、」


思わず顔が綻ぶ。



「ね! 手とか指のところ! 真尋にソックリじゃない?」


南が同じ所に感動していたので


「ええ・・・。 ほんとに。 赤ちゃんなのに指が長い、」


絵梨沙はニッコリ笑った。


「でも! 顔はエリちゃんとちゃう? 真尋に似たらほんまにサルの世界の人になってしまう・・・」


その言葉に笑ってしまった。



明るくしていた南だったが


午前中にここに来る、と言っていた真尋がまだ来ないことを気にしていた。


電話も繋がらないし、シェーンベルグに何かあったのかと気になっていた。



そのうち、赤ん坊がふにゃふにゃと泣き出した。



「泣いたらおっぱいあげていいって看護師さん言ってたよ、」


「え、ほんとですか・・? だいじょぶかな・・・」


絵梨沙はこわごわと赤ちゃんを抱っこしてぎこちない感じでおっぱいをやってみた。



一生懸命にお乳を吸い始める赤ちゃんに、また母性が爆発してしまった。



「えらい、えらい。 ちゃんと飲んでる。 誰にも教わってないのに、生きる術を知ってんねんな・・・」


南は赤ちゃんの頭を優しく撫でる。



「・・早く。 大きくなってね・・・。 一緒にパパのピアノを聴きましょう、」


絵梨沙は愛しい我が子に優しくそう語りかけた。





そのころ。



「・・・いいから・・・おまえは早く戻って・・・」


シェーンベルグは激しい痛みに耐えながら病院のベッドの上でもんどり打っていた。



「そんなに動くと点滴が抜ける、」


真尋は彼の身体を押さえた。




「・・くっ・・・・」


脂汗を流して薬が効くまでの時間を耐えた。



「もう帰ったほうがいいわ。 エリサに赤ちゃんが生まれたんでしょう? あたしがいるから、」


後から来たカタリナは真尋に言った。


「もう少しで薬が効いてくるから。 ・・それまで暴れたりするからカタリナじゃムリだ、」



もう見ていられないほどの痛みに耐えているシェーンベルグを側にいることは本当につらい。


しかし、時間を惜しんで自分に全てを教え込もうとしてくれている彼の苦しんでいる姿を放って


側を離れられない。



二人のかわいいかわいい赤ちゃんが誕生しましたが、シェーンベルグの容態が・・


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