Leben~命 (17) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

南は絵梨沙の世話を焼くと同時に、スタジオにも足しげく通って掃除をしたりした。


絵梨沙が大きなおなかを抱えてしていた仕事を今自分がやらなければ、と任務に燃えていた。



そこに



「・・なんじゃ。 誰かと思えば。」


シェーンベルグがふらりとやってきた。



「あ。 こんにちわ。 あたしがエリサの代わりにここの掃除をします。 よろしくお願いします。」


南は明るくそう言った。


「今日はレッスンはないぞ。 あいつは仕事で出かけているし、」



「もちろん知っています。 エリサはあたしのかわいい妹です。 さすがに大変になってきたので、先生のお世話もあたしがさせていただきます、」



「・・たまに。 孫が来る。 あんたに世話になることもない、」



前に


真尋のコンクールの時に会ったときよりも、痩せて小さくなってしまったようで。



「マサヒロもエリサも。 あたしの望みです。 二人は・・・たくさんの歓びをあたしにくれましたから、」



南はニッコリと笑った。



「・・あんたは。 日本の・・あいつのプロダクションの社員じゃったな、」


シェーンベルグは徐にそう言った。


「ハイ。 まあ、今は主人がNY勤務なのでついて行ってますけど。」


「・・・これを。」


そして南に1通の封筒を手渡した。


「これは?」



「公演が終わったら。 あいつのボスに渡してくれないか。」



シェーンベルグの目は、しっかりと南を見据えた。


「え・・・」


ただならぬ気配を感じて南は少し気おされた。



「公演が終わったら。 じゃ。 頼んだぞ、」


そう念押しをした。




なんだろう・・・



すごくすごく気になったが、約束を破るわけにもいかず南はそのままバッグにそれをしまった。




真尋の忙しさは南の想像以上だった。


厳しいレッスンの合間にも仕事はせねばならず、またパリに1週間ほど音楽祭と小さなライブの仕事で出かけて行った。



「エリちゃんひとりで大変やな。 もし産気づいたらどないすんねん、」


南はため息をつきながら食事の仕度をした。



「病院は近いし。 けっこう周りの人達が助けてくれるんです。 この前あたしが倒れた時もみんな心配してくれて。」



「結婚式のビデオに写ってたもんな~。 たっくさん友達がいて。 ほんまに幸せそやったもん、」


「ここに来てたくさんの人に関わって、助けられて。 こんなに楽しいとは思いませんでした・・・。 あたしは本当にピアノだけでしたから。 真尋のおかげでたくさんの人達に出会えました。」



絵梨沙は大きくなったおなかを撫でながら言った。



そんな絵梨沙を微笑ましそうに見て



「・・そっか、」


南は優しく頷いた。






「え・・・入院?」


カタリナから絵梨沙に連絡が来たのは、南がこちらにやって来てから1ヶ月が過ぎたころだった。



「うん。 ちょっとね。 通院じゃムリな治療だからって先生が。 最近は痛みもひどくなって薬を強くしている状態だし。 まあ、年が年だから急な容態の変化はないだろうって言うんだけど。」



「・・そう、」


とうとうシェーンベルグは入院することになってしまった。


「マサに病院に来てほしいって言ってた。 色々伝えたいことがあるみたい。」


「・・わかったわ。 あたしもいずれ病院には行かせてもらうから。」



刻々と『その時』が近づいているようだった。




そして、とうとうシェーンベルグは入院してしまい・・


My sweet home ~恋のカタチ。






↑↑↑↑↑↑


読んで頂いてありがとうございました。

ポチっ!わんわん お願いします!


人気ブログランキングへ 左矢印 携帯の方はコチラからお願いしますドキドキ


My sweet home ~恋のカタチ。