Leben~命 (14) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

二人で一緒に夕食の仕度をして


絵梨沙は久しぶりに穏やかな気持ちになっていた。



夜7時ごろになり、突然真尋は帰宅した。



「・・・おかえりなさい、」


絵梨沙が立ち上がる。


南は真尋の姿を見て、一瞬ぎょっとした。



ぼーっとして


頬はこけてやつれて。


無精ひげが生えっぱなしみたいな感じで。



「ま、真尋・・」


南が声を掛けると


「あー。 ごめん・・・」


それだけ言ってバスルームに直行してしまった。



「もう、シャワーを浴びに帰るって感じで、」


絵梨沙はため息をついて、彼の身支度を整えに部屋に入ってしまった。



・・ぜんっぜん


真尋ちゃうやん。



南はちょっとゾッとした。


想像よりも彼がものすごい神経をすり減らして、この公演にかけている様子がわかってしまった。




シャワーを浴びて出てきた真尋に


「スープだけでも飲んで、」


絵梨沙は皿を差し出した。



「・・なんか食欲ねーし、」


真尋はミネラルウオーターを飲んだ。


「ダメよ・・朝も昼も食べているのかわかんないのに、」



真尋はソファにぐったりと身体を預けて目を閉じた。


目を閉じただけのように思えたが、すぐに寝息を立て始めた。



「あ、もう・・・。 こんなところで寝たら風邪引くから、」


絵梨沙は彼を揺さぶったが、全く起きる気配がない。



「もう・・・」


仕方なくそこに何とか寝かせて毛布を持って来て彼に掛けてやった。



「ちゃんとベッドに寝ることもなくって、」


と、南に言うと


「ほんま。 痩せちゃったし。 げっそりして。 だいじょぶなん?」


彼女は本気で心配した。



「あたしの言うことなんか。 聞かないから、」


絵梨沙は寂しそうにふっと笑った。



「真尋は・・普通の人と感覚が違うし。 あたしがどうこう言っても、もう聞こえてないから。 うるさいくらいにしか思えないみたいで。 今はもうあまり何も言わないようにしてます。 」



彼女が真尋に対して


どれだけ献身的に接しているかがすごくわかってしまって



「・・これは。 ほんまに大変やな・・・。」


「たぶん・・夜中に起き出して、いきなりピアノを弾いたりするかも・・。 それか突然、ここを出てスタジオに行っちゃったりするかもしれない、」


「はあ?」


「でもほんと睡眠はちゃんととらないといけないので。 あたしも、こっちのソファに寝てついててあげないと、」



南は、はあっとため息をついた。



「もー。 アカンって。 エリちゃんがそんな生活してたら。 今夜はちゃんとベッドで寝て。 あたしがついてるから。 もし起きてピアノ弾いたりするようやったら、あたしが止めるし。 そんなんじゃ貧血起こしても無理ないやん。 」



この二人の『異常』なまでの生活に心から自分がここに来て良かったと思っていた。




南は二人の『異常』な生活に驚きますが・・・



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