Leben~命 (9) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

真尋はいつものように絵梨沙の膝枕でジッと寝ているように目を閉じていた。



でも


きっと寝ていない。


絵梨沙はそれがわかっていた。



彼は


本能で生きてる。


普通の人より感覚で生きてる。



先生のことを


先生の気持ちをその独特の感性で解決しようとしているんだと思った。



真尋は目を閉じたまま寝返りを打つように絵梨沙の少しふっくらとしてきたおなかに顔を埋めるようにした。


そっと左手を彼女のおなかにやると



「あ・・・・」



突然、目を開いた。


「え・・・」


「・・動いた。」


驚いたようにおなかを摩った。


絵梨沙はフッと笑って


「このごろ。 すっごく動くのがわかるようになったの。 元気なんだなあって、」


と優しく言った。




「がんばって。 生きてんだな、」



真尋は色んな気持ちを込めてそう言った。



消えていきそうな命と


今、この世に生まれようとして息づく命。



その重さをかみ締めるように。



「・・うん、」


絵梨沙はそっと涙を拭った。




翌日。


シェーンベルグと顔を合わせた真尋は


しばらく彼と目を合わせて


いきなり



ガバっと土下座をした。



シェーンベルグはいきなりのことに少し驚いていた。



「・・・・おれに・・・世界一のピアノを・・・教えてください!!!」



床に額がこすりつきそうなほど頭を下げて、そして絶叫した。



「なんのマネだ、」



「日本人は。 ここが勝負だってとき。 こうやって自分のプライドもなにもかも捨てて・・・・心から頭を下げるんだ! おれは! もう先生から逃げたりしない。 おれは・・・・世界一のピアニストになりたいんだ!!!」



おなかの底から絞り出すような声で言った。



シェーンベルグはふと微笑んで



「・・・ようやく。 その言葉がきけたな、」



と言った。



「え・・・」


真尋は顔を上げた。



「おまえに足りないものは、その『欲』じゃ。 がむしゃらに何もかもかなぐり捨てて頂上を目指そうとするその心。ウイーンどころか、世界中の人間におまえというピアニストの存在を知ってもらう大チャンスだ。そのくらいの気持ちがなくては、やっていけない。」



シェーンベルグは静かに言って自分のピアノの前に座った。



全ての思いを受け止めて


真尋は前に出る決心をした。




真尋は『ふたつの命』を思い、決心をします・・・


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