Leben~命 (4) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

ところが。


いつものように厳しいレッスンを続けていたが。



「ちがう、ちがう!! 何度言ったらわかるんじゃ!!」


思うようにならないことをシェーンベルグは苛立つように杖を床にガンガンついて怒りを表した。



「だからっ! 何が違うのかわかんねーっつの!!」


真尋もやりかえしていたが、シェーンベルグが額から脂汗を流しているのを見て


怪訝な顔をした。



「・・・ジイさん?」



シェーンベルグは顔をゆがめたかと思うと、腰を押さえて苦しそうに倒れこんだ。



「おい!」


真尋は慌てて彼を抱きかかえるように起こした。



「・・・は、早く・・続けて、」


それでも尚もそう言う彼に


「バカ! そんなに苦しそうなのに何言ってんだよ! 病院・・・」


それが普通ではないような痛みだということは真尋にも伝わってきた。



何とか抱えてタクシーで病院へと運んだ。




「まったく! 今日は診察の日だったのにすっぽかすから、」


医師は苦しむシェーンベルグに注射器を取り出しながら彼を叱った。



真尋は苦しむ彼を見ながら呆然とした。



「・・・今日は調子が・・・よかったんじゃ・・・、1日くらい・・・」


まだそんなことを言っている彼に



「痛み止めがなかったら。 その痛みに苦しむだけです。 ・・入院をせずに通院で治療をしているんですから、治療の日くらいは守って下さい、」



・・どういう


ことだ???



真尋は思わず胸を押さえた。


鼓動が速くなる。




痛み止めが効き始めて落ち着いたシェーンベルグは少しうとうとし始めた。



「・・・今日はこのまま病院で一晩過ごしてもらいます。 えっと・・あなたは・・」


医師は病室の外で待っていた真尋に話しかけた。



「えっと・・・。 先生の・・・弟子ってゆーか、生徒ってゆーか、」



改めて彼との関係を問われると、きちんとそれが出てこない。



「ああ、そうですか。 あなたが・・・。」


その医師は何もかも知っているかのように真尋を見て頷いた。



「近くにお孫さんがいらっしゃって、いつも何かあったらそちらに連絡をすることになっていますから。 これから連絡をしておきます。 もう大丈夫ですよ、」


と、その医師が立ち去ろうとしたので



「あの!」


真尋は思わず呼び止めた。



「・・先生の病状は、」



自分で言ってから少し怖くなりツバをごくんと飲み込んだ。



「今すぐ、どうということはないと思います。 ただ、骨にもガンが転移しているので痛みが出てきているようです・・。 痛み止めが効く間隔も短くなっているようですし・・・。 本当は入院して治療をして欲しいのですが。先生がどうしてもそれはできない、とおっしゃって。」



それは


なんのために。



真尋はその意味に気づいて呆然とした。




とうとう真尋はシェーンベルグの深刻な病状を知ってしまい・・・・


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