「あ? 結婚した???」
一応、シェーンベルグにも二人で報告に行った。
「うん。 日本で籍入れてきた。 ま、あんま変わんないんだけど、」
真尋はあっさりと言った。
すると彼は
「・・なんじゃ、まだ結婚してなかったんか、」
と気の抜けたように言った。
真尋はさすがにガクっときて、
「してねーよ・・・。 ま、そんくらいのリアクションがウチの家族にも欲しかったけどな~~~、」
と笑った。
「ほんと。 呑気なんだから・・・。 あたしはてっきり真尋がご家族に話をしていると思って・・・慌ただしかったから次に帰った時にご挨拶をって、」
絵梨沙は顛末を知って、もう穴があったら入りたい気持だった。
「まあまあまあ。 日本人は堅いことを言いすぎなんだよ。 ねー、先生。」
「・・わしには関係ないがな。 ところで。 仕事の話がいくつか来ているぞ、」
「え、ホント?? 順調だな~~~、」
「ま、ちっさいトコだけどな。 贅沢は言えん、」
「じゃあ、日本にファックス送っておくわ、」
「・・・で。 その頭はなんなんだ、」
そしてスキンヘッドをジーっと見た。
「まあまあまあ。 それはおいといて、」
真尋は笑顔でその書類を受け取った。
「は、結婚??」
同じ様子が『Ballade』でも繰り返された。
開店前の店にレオとマリーも来ていて、フランツにもそう報告すると
彼らは同時に声を上げた。
「あれ? まだ入籍とかしていなかったの??」
「エリサがこっちに戻って来た時、結婚したんじゃなかったの?」
レオとフランツはだいたいシェーンベルグと同じようなことを言った。
真尋はおかしくて笑ってしまい、
「そうそう。 やっぱウイーンの人はいいよね~~~。 おれ、やっぱ日本人に合ってねーな、」
テーブルをバシバシ叩いた。
「けっこん?? エリサとマサはけっこんしたの?」
マリーがジュースを飲みながら言った。
「うん。 そう。」
「でもまえからいっしょのおうちに住んでいるよね??」
子供らしいリアクションに、真尋は彼女の頭を撫でて
「そうそう。 だからね。 今までとおんなじだって、」
とご機嫌に言った。
「じゃあ、お祝いをしなくちゃなあ、」
フランツが腕組みをしながら言うと、
「いいよ、そんなの。 ねえ、それより。 もっとさあ、いろんな楽器の演奏家も呼んで。 コラボとかもおもしろいと思うんだよね、」
真尋は目を輝かせてそう言った。
するとマリーが
「あれえ? マサのピアスかたっぽだけだよ? 落としたの?」
と例の片方だけのピアスを指摘した。
「え? ああ、いいのいいの。 これは、絵梨沙と結婚の記念に片方ずつすることにしたんだ、」
真尋は嬉しそうに言った。
「おそろい?」
「うん、きれいだろ?」
「マサには似合わないかも~~。」
「ウソでもいいから褒めろよ~~~、」
真尋はマリーをふざけて後ろから抱きしめた。
「わ~~、似合う似合う~~~、」
いつまでも笑い声が響き渡っていた。
「で。 なんで頭ツルツルなの??」
マリーのひとことにみんな大笑いだった。
ウイーンの人々にも結婚を報告して二人は幸せです(^∇^)
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