Das Schicksal~運命(2) | My sweet home ~恋のカタチ。

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そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

もう5分も会話がなかった。


真尋は父の前に立たされて、全身が脂汗まみれになるほどの気持ちでいた。



母も真太郎も南も


固唾を呑んで『山』が動くのを待った。



この父は


やんちゃな真尋がどんな騒ぎを起こしても、叱りはしても怒ることはなかった。


しかし


もうこの恐ろしい存在感が、子供のころのことを思い出すのに十分で。



「・・答えはひとつだろう、」



ようやく北都は口を開いた。



「は・・・・」


真尋は間抜けな声を出してしまった。



「おまえは。 彼女を裏切った。 おまえを信じて娘をおまえの元に送った彼女のご両親も裏切った。」



心がズキンと音を立てた。



「彼女は。なんて?」


と、質問されて


「・・・もう・・帰ってくれって・・・言われて・・・」


緊張しつつ答えた。



「なら。 もう別れろ。」



いきなりの言葉だった。


「えっ!!」


真尋は驚いて大きな声を出してしまった。



「彼女から別れを告げられたら。 もう、ウンというしかないわけだし。 もちろん、そんなことも覚悟で『こんなこと』したわけだろうし、」



真綿で首を絞めるような父の攻撃に


「おれ・・絵梨沙と別れる気持ちなんかこれっぽっちもないよ! ・・ほんと・・もう言い訳もできないけど・・・本気でもなんでもなかったし!」


真尋はもう動揺丸出しだった。



「もうおまえに何も選ぶ権利はない。 彼女が決めたことに頷くしかない。 こんなみっともないことになって、自分が苦しむだけだ。」



父は


そのまま立ち上がって自室に戻ってしまった。



もう


泣きたかった。



「ほんと・・バカなんだから。 あんなかわいくて優しい彼女がいるのに・・・。いったいどーしちゃったのよ、」


母・ゆかりは愚息のしでかしたことに、悲しそうにそう言った。



「・・・・・」



真尋は何も言わなかった。



「エリちゃん、今日は沢藤先生が出張でおらへんのやろ? 心配やな・・・。 あたし、行って来ようかな、」


南は心配そうに言った。


すると真尋はガバっと南に向き直り



「・・頼む!! 絵梨沙の様子を見ててくれ! おれはもう・・・どーすることもできないし・・・!!」


拝み倒すように彼女に言った。



「もー、しゃあないなァ・・・・・」


ため息しか出てこなかった。




もう後悔100%の真尋ですが、この事件の収拾をどうつけるのか・・・


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