Zwei~ふたり(11) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

その音で


絵梨沙の中で何かが切れた。




この鍵盤の重みも



涙が出るほど懐かしく感じ



たぶん3歳でピアノを弾き始めてから、あの日まで


あたしはピアノに触れない日は一日もなかった・・・




堰を切ったように、手が勝手に動く。



ピアノから遠ざかってもう5カ月以上経つ。



それでも


やっぱり指が覚えてる。



右手だけで『花のワルツ』の主旋律をゆっくりと弾いた。





真尋はスタジオにやってきて、その姿に驚いた。



「・・絵梨沙・・・・」


その声に彼女はびっくりして振り返った。



頬に幾筋もの涙の跡が光っていた。



「・・真尋・・・」


大股で彼女に近づく。


そして、しっかりと抱きしめた。



何も言葉はなかった。


彼女がまたピアノに触れたことが嬉しくて。


ただ、ただ抱きしめた。



「・・いっしょに。 弾こう、」


そして優しくそう言った。



「真尋・・・・」


「一緒に。 マリーたちのためにピアノを弾こう、」



ずっと考えていた。


その話を受けたときから


絵梨沙が一緒に弾けたらどんなにいいかと思っていた。



「・・弾けるかしら、」


絵梨沙は震える声で言った。



「弾けるって。 絵梨沙は・・おれよりもうまいんだから。 ピアノを弾いてる時の絵梨沙は・・・ほんっとキレイだから・・・」




あんなにピアノを弾くことが怖かったのに。



今は彼と


そして自分のピアノを待っていてくれる人たちのために弾きたい、と心から思う。



あの花のワルツを・・・





シェーンベルグは少し遅れてレッスンスタジオにやってきた。


そして


真尋と絵梨沙が『花のワルツ』を2台のピアノで弾く姿を目にした。



ふと


微笑んだ。





絵梨沙はたくさんの人達の優しさに触れてピアノを自然に弾くことができました・・(*^▽^*)



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