Zwei~ふたり(9) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「や~~~、悪いッスね~~。 ごちそうになっちゃって、」


真尋は久々の外食にまたもみっともないほどがっついて笑った。



「いやいや。 本当にお世話になって。 ありがとうございました。」


レオは微笑んだ。



「本当にすみません。 こんな立派なレストランでごちそうしていただくなんて・・・」


絵梨沙も恐縮してしまった。



「せっかくのお休みだったのに、マリーのことを1日預かってもらって。 本当に助かったよ。 来月からね、ぼくの母が週に3日は来てもらえることになったから。 父が足を骨折してずっと入院していたものだから。 エリサも毎日来てもらわなくても大丈夫になるよ、」



レオの言葉に


「・・そうですか。 おばあちゃまが、」


それはそれで少し寂しい。




「それで・・・図々しいついでに。 お願いがあるんだけど、」


レオが真尋に言った。


「あ??」


口いっぱいに食べ物を入れてもぐもぐさせて顔を上げる。



「来月。 マリーのスクールで音楽会があるんだ。 今までもいろんなアーティストを招いて演奏会をしたんだけど。  この前のきみの演奏が本当に素晴らしくて。 ぜひ、お願いできないかと思って。」


「は? おれ??」


「ぼくはいつもこのイベントを任されていて。 今年はマリーが学校に入学したから、余計に力が入っているんだ。 他の父兄も演奏や歌で参加したり、本当に楽しいんだ。 ぼくもサックスを吹いたりするんだよ。 きみのピアノを子供たちにきかせてあげたいんだ、」



レオは真剣に真尋に言った。



「・・ただ。 みんなボランティアで。 ノーギャラなんだ。 きみのようなプロにお願いするのも気が引けるけど、」



真尋はようやく口の中の食べ物を飲み込んで


「別に。 いいけど。 スケジュールさえあいてれば。」


すぐに承諾した。



「先生に相談しなくちゃ・・・」


絵梨沙は真尋に一応言った。


「ああ、あの人はさあ、別におれのスケジュール管理してるわけじゃないし。 こーやって子供たちが楽しんでくれたらいーじゃん。 市民のためになることだし!」


真尋はいたずらっ子のように笑った。


「おれは。 プロって言われるようになっても・・・ピアノバーで弾いて、みんなに喜んでもらいたいって気持ちは変わってない。 音楽は楽しいし。」


彼らしい言葉だった。





「何でも即答ね、」


絵梨沙は帰り道真尋に笑いかけた。


「ああ、本能がウンって言えばウンなんだよ。」


真尋は笑って絵梨沙の腰に手を回した。



そして急に真面目になって



「・・もし。 あの子のママが生きてたら。 きっとこの役を引き受けたんじゃないかなって・・・ふっと思って。」



そう言った。



「え・・・・」


絵梨沙は彼を見上げた。



「おれのピアノを聴かせてほしい、なんて言われたら。 断れないし、」



めちゃくちゃだけど


本当にピュアで。



こうしてあたしが思いつかないことを


しっかりと考えて。



絵梨沙は胸がジンとして、涙が出そうになって


彼にそっと寄り添った。



本当は優しい真尋の心に触れて絵梨沙も優しい気持ちになれました・・・


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