Zwei~ふたり(4) | My sweet home ~恋のカタチ。

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そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「それに! 絵梨沙はピアノを弾く以外の仕事なんかする必要ないって言っただろ! おれが絵梨沙を養ってやるって決めたんだから!!」


また真尋のボルテージが上がっていった。



「・・あたしは自分で決めたの! 今は確かにピアノを弾くことができなくて、あたしができる仕事だってないことはわかってる! でも・・・逆に今まで経験してこなかったことができてすごく勉強になっているし。 マリーもレオさんもすごくあたしのことを理解してくれて!」



「わー!! レオなんて言うな~~!!! どういう関係だーっ!!」


真尋は頭を抱えるようにバカバカしいほど取りみだした。



「なんでもないわよ! なによ、自分なんか他の女の子と平気で食事に行ったり、飲みに行ったりするくせに!!」



絵梨沙も日ごろの不満がバクハツしてしまった。




「ねえねえ。 ゴリラの人・・なんか怒ってるの?」


「うん・・たぶん。」



すっかり置いてけぼりを食った父娘は首をひねった。




尚も言い争いを続ける二人に



「まあまあ、」


レオは二人の間に割って入った。


「ぼくは日本語がよくわからないんだけど。 たぶん、ぼくのことでモメているんでしょう、」


真尋と絵梨沙は同時に彼を見てしまった。


あまりに図星がミエミエだったのでレオは笑ってしまった。



「確かに。 ぼくは子持ちですけど、『独身』ですからね。 こんな若くてキレイな彼女がそんな男の家に行っているなんておもしろくないでしょう、」



「い、いえ、そんなことは!」


絵梨沙は必死に否定したが、



「え、あんたエスパー??」


真尋は全く否定しなかった。



「ちょっと!」


絵梨沙はそんな彼を肘で小突いた。


レオは真尋の素直さにぷっと吹き出してしまった。



「そうだね。 彼に心配をかけるのはよくないよね。 すごく大切に思われているんだね、」



絵梨沙はボッと顔を赤らめたが、


「で、でも・・あたしは・・まだマリーと一緒に・・」


彼女のシッターができなくなってしまうことが本当に寂しかった。



マリーもガバっと絵梨沙の腕にしがみついて


「エリサがやめちゃうなんてゼッタイやだっ!  もう! ゴリラの人!! エリサをいじめないで!!」


真尋をにらみつけた。



「ご・・ゴリラのひとって・・・・。 ゴリラはひとじゃねーぞ!!」


子供相手にムキになる真尋にまたレオは大笑いしてしまった。


「なんなんだよ・・このひとはっ!」


真尋はもうどこに怒りをぶつけていいかわからなかった。




一度出てきたのに、またなぜかマリーたちの家に真尋まで行くことになってしまった。



「え・・すんごいピアノ・・・。」


真尋はドアが開いていたピアノの部屋にズカズカと入って行った。


「真尋ったら! 人のおうちの部屋に!」


絵梨沙は恥ずかしくなって彼のシャツを引っ張った。


それに構わず彼はそのグランドピアノを撫でた。



「・・え、べ・・・ベヒ???」


そのロゴを見て言った。


「ベヒシュタインだよ。 ドイツのピアノメーカーだ、」


レオはコーヒーを淹れて来てそれをテーブルに置いた。



素直にヤキモチを妬く真尋にレオは微笑ましく思い・・・


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